3.転生生活始めました?
調子に乗って3話目いきます。
ーレイジー
『レイジ君。いやー。キミ最高。』
なんだか頭に直接響くような声がする。
あれ?俺どうしたんだっけ?試合中に告白して、それから…
『そうそう!そのあと見事にフられて、それが原因で相手のスマッシュ顔面に受けて、
後頭部強打でお亡くなりになりました。』
まじか。そんな終わり方なんて。ハッこのことで里見さん「私のせいだわ」なんて気に病まないかな。
『いや~彼女、なんだかツボに入ったみたいで大笑いしてたよ?
さすがに死んじゃったのが分かった時には泣いてくれてたけど。』
なんとも残念な死にざまだね。と頭に声が響く。
「つか、あんた誰なんだよさっきから。」
『ああ、申し遅れました。わたくし、レイジ君からすると別世界を管理しているものです。』
「て事は神様?」
『いやいや、わたくしは管理を任されているだけの管理人です。全知全能などとてもとても。』
神ではないにしても、偉い人らしい。
しかし、管理人さんと聞くとエプロンとホウキが連想されるんだけど。
って、なんだかそんな感じのシルエットに見えてきた。
『そうそう、わたくしの見た目は観測者次第で千変万化するんだよね。だから、レイジ君が思い描いたような昔懐かしい管理人さんから、筋骨隆々のムキムキマンまでその人次第で見た目が変わるんだ。』
へー。ってなんだか管理人さんがエプロン姿のムキムキマンに!オエ~。
『あーごめんごめん。変な連想させちゃったね。わたくしに合うのが初めての人だと中々姿が安定しないんだよね。』
そういって最初の管理人さんスタイルに姿を変えていく。
『話が進まないね。レイジ君、キミをここに呼んだのは君に選択肢を上げたくてね。』
わたくしは君が気に入ったんだ。と笑い声が響いた。
「選択肢?」
『そうそ。今はやりの転生ってやつだね。ネット小説とか見たことない?』
あー、あるある。最初から知識を持った主人公が努力しながら大成していく話だよね。
『うん。それでね。わたくしの世界だったらそれができるんだけど。
ちょうど胎内で死んじゃった魂があるから、その子と入れ替わりで生き返ってみない?』
「本当にいいの!?その世界って魔法とかあったりする?」
『あるよ~。わたくしの世界はレイジ君の世界でいう中世くらいの文明社会で、
モンスターなんかもいたりする中々刺激にあふれた世界だよ』
「え~。じゃあそれなりに生き抜く手段はもらえるですか?」
『そうだね。当面は楽に暮らせるだけの経済力のある家の子に転生できるから、
そのあとは努力次第でどうにでもなると思うよ?
さすがに町までモンスターが入ってくることはほとんどないし。』
「なんか世界を救ってくれとかはないんですか」
『いやいや、そんなことは頼まないよ。わたくしはもう少しレイジ君のことを見ていたいだけだよ。』
「じゃじゃあお願いします。」
『了解!じゃあわたくしの世界へご招待!』
同時刻ーアキヒサー
『アキヒサく~ンあさですよ~』
なんだか頭の中に間延びした声が響く。
『目が覚めました~?ワタクシうれし~』
誰ですかあなたは?
『ワタクシは~アキヒサ君からすると別世界の管理人さんです~』
管理人?
『そ~で~す。高次元存在のババ ゲフン。高次元存在から世界を宜しく~ってされたの~』
…いま、ババアって言いそうになってたよね?
『そ~んなことより~ワタクシの姿、どんなふうに見える~』
姿?そう言えばさっきまで光ってるだけだったのに今はおっとりとした胸の大きな女性に…。
『ふ~ん。そんな姿に見えるんだ~(よし、ごまかした。)
ワタクシの姿は見る人によってちがうのです~。アキヒサくんは胸の大きな女性が好きなのかな~』
「えっ、えーと。そうですね。割と」
『あはは正直だね~。やっぱり気に入っちゃった~。』
そう嬉しそうな声が響く。
『アキヒサ君は~。自分がどうなったか覚えてる~?』
「僕は…」
どうなったんだっけ?たしか帰り道で…。
『そうですね~。サイコなサエコさんにナイフで刺されて死んじゃいました~。ナムナム。』
なんじゃそりゃ。なんで殺されなきゃいけなかったんだ。
『は~い。サエコさん、アキヒサくんが占いや手品で他の子と仲良くしているのが
ずっと嫌だったみたいで、自分だけのものにしたかったようですね~。』
そんなの普通に言ってくれたらいくらでも…。
『あ~ゆう人に理屈は通じませ~ん。現世では冷たくなったアキヒサ君を抱きながら
幸せそうに微笑んででますよ~』
まさにサイコですね~と管理人さん。
「そんなの不条理すぎて納得できません!」
『そうそう、それで本題なんですけど~。ワタクシの世界でよかったら転生、
生き返らせることができるんですけどどうします~?』
「本当ですか!?」
『ワタクシ嘘は言いませんよ~。ちょうど胎内で死んじゃった魂があるので、
そちらと入れ替えで新しい生活をしてみませんか~』
「そ、それじゃあお願いします!こんな死に方納得できません!」
『わっかりました~。決断してくれてうれし~。
ワタクシが管理している世界はアキヒサ君たちの世界でいう中世くらいの文明で、
所謂剣と魔法の世界ってやつで~す。』
『転生するにあたって当面の生活が保障されている家の子として生まれるから
そこから頑張っておおきくなってね~』
ーレイジー
「ーーー。」
「ーーーーーーーーーーー。」
いつまでも居たいような心地よい空間から外に追い出されて、まず感じたのは足で誰かを蹴った
ような感触だった。自分の出産シーンを体験できるとは長生きしてみるもんですね(皮肉)。
ってゆうか真っ暗なんだけど。赤ん坊って目がほとんど見えないって言うけど、
光くらい感じてもいいような…。耳も聞こえないし。
腰から下?くらいまでしか感覚がないんだけど。
えっ。どうゆうこと?
ーアキヒサー
暗く落ち着く所から光ある所に追い出された。
「オギャー」
「よっしゃ。サーシャさん、元気な男の子だ。よく頑張ったね」
僕が生まれた瞬間だった。まだよく見えないけど、無事生まれたらしい。
…あれ、でも下半身の感覚がないんだけど。
生まれたばっかりだからかな?でも手の感覚は伝わってくるし。
え、まさか下半身不随?
どういうこと?