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合体転生 ~ロイド君の下半身事情~  作者: 木陰涼氏
第一章
1/22

1.田所礼二

初めまして。

読んでいただければ幸いです。

「この試合に勝ったら俺、マネージャーに告白する!」

高校男子テニス県大会シングルス2回戦、運悪く強豪のシード選手「軽井沢君」とあたり、

部員たちからのドンマイコールの中臨んだ試合、

俺はこの試合にある願掛けをした。


「この試合に勝ったら俺、マネージャーに告白する!」

「こやつ、自分から負けフラグたてやがった!」

ダブルスでは相方の田中が驚きの声を上げる。

負けフラグとは失敬な。


「ば~か。最近じゃ逆に死なないフラグになってるんだよ。」

「つっても相手悪すぎだろ?」

「だから告白の勢いがつくんじゃねーか」

「そこまで言うなら田所っちの男気魅せてもらおうじゃないの」

「おう!」



第一ゲーム 軽井沢君からのサーブ

ドシュン!

「ウオッ!」

めちゃくちゃ早い。150㎞位出てるんじゃないか?さすがシード。

漫画みたいに打つ前にコースがわかる特殊技能なんか持ってるわけないから身動き一つできなかった。

ある程度コースを決め打ちするしかなさげだねこりゃ。

次のサーブ。「右!」

バイ~ン。なんとか拾えたものの、完全山なり玉。

案の定、軽井沢君にスマッシュを決められ、30-0

結局このゲームは1点も取ることができなかった。


第二ゲームこちらからのサーブ

県大会2回戦だと8ゲームマッチだから、これ落とすと厳しい。

「っるりゃ!」バシュ!

こちらのサーブはお世辞にも早くない。体感で120km位か。

軽井沢君に簡単に拾われてしまう。

でもそれでいい。

こっちのプレイスタイルは拾いまくって相手のミスを誘うテニス。

身長160㎝の軽量ボディは伊達じゃないぜ。

どこまでも粘って粘って勝ちに行くスタイルからついたあだ名が「スッポン田所」

「アタシャしつこいですよっ!。」


ちなみに相方の田中は、その純朴日本人顔から「農民」と呼ばれており、

どこまでも泥臭いプレーが信条の俺たちは「田んぼコンビ」と呼ばれている。


「ラリーになりさえすれば勝機はある!」

幸い軽井沢君にあまり制球力がなく、コート上を上下左右走り回ってもらった。体力勝負なら負けないぞ。何度もデュースが続いてなんとか1ゲーム奪取できた。

…のはいいんだけど、やっぱり軽井沢君サーブ早え~。典型的なパワータイプだね。

さすがに目が慣れてきたから一方的にはならなくなってきたけど、大変厳しいにゃ!


お互いのサーブの時にゲーム奪取をするきれいなシーソーゲームが続き、

気が付いたら2時間半以上走りっぱなしになってた。

汗だくでシャツが重い。絞ったらすごい事になりそうだ。

このあたりになって軽井沢君のサーブに衰えがでてきた。

「とれさえすりゃこっちのもんだ!」

粘って粘ってようやく相手のサーブ権でゲームが取れた。「ここで決めないと負けるな…。」

こっちのサーブから始まったゲームを1球1球丁寧に拾ってようやくその時が来た。


「ゲームマッチウォンバイ田所!」

「よっし!」


「ウォー!すげー!」

「俺、軽井沢君に勝てるのって所沢君だけだと思ってた!」

「やるじゃん、田所っち!」

チームメイトからの賞賛の声を浴びながら、マネージャーの所へ急ぐ。


マネージャーの里見愛子さんは一つ年上の17歳。

俺より少し低い身長、綺麗というよりかわいい系の顔、ポニーテールが似合う、とっても元気な人だ。

いいよねポニー。サイドテールも好きだけど、

うなじの見え方にエロスを感じるとどこかの怪人も言っていたっけ。

Tシャツから盛り上がる魅惑の山は高尾山かな。

「マ、まま」

「あはは、私あんたのおかんじゃないわよ~。」

「マネージャー!いや、里見先輩。入部した時から好きでした。付き合ってください。」

すると、里見さんは申し訳なさそうに、

「…ごめんね。私軽井沢君と付き合ってるの。」

ごふっ。

「あっ。でもさっきの試合も7対3くらいで応援してたのよ?」

…俺は3ですか。

「あと、年下は恋愛対象に見れないの。あなたのことはかわいい後輩にしか思えない。」

…浮かせられたままエアリアルコンボ決められた気分です(泣)。


「ユー。だ~い。」

田中の奴が嬉しそな顔で話しかけてきた。

「う、うるさい農民!」

「農民言うな。さっきの死亡フラグはこっちのだったか。」

「やっぱり死亡フラグってあるんだな…」

「部員の前で撃沈だもんな。」

うっ。周りに生暖かい視線を感じると思ったらみんな居たんだ。

「こっ、こんな場所にいられるか俺は次の試合に行く!」

「おいっ。それも死亡フラグ!」


3回戦の相手は下北沢君。

(なんか沢のつく人が多いな。)

下北沢君もパワータイプで有名な人で、大体ベスト8にはいつもいる感じ。

こちら側のサーブで始まったんだけどリターンがものすごい早くて、

山なりに打ち上げちゃった。


(ごめんね。私軽井沢君と付き合ってるの)

(年下は恋愛対象に見れないの。あなたのことはかわいい後輩にしか思えない)


はっ。試合中に何考えてるんだ!

ボールは…

なんだがやけに大きいボールが見える。

顔面めがけて飛んできた下北沢君のスマッシュがものの見事にヒット。

そのまま後ろに倒れて後頭部強打。

…これが田所礼二16歳の死因でした。




転生ライフは2話先からになります。

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