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アネモネ  作者: 高槻泉
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真実〜君を愛す〜

風が強い。セットした髪もこの風のせいで無茶苦茶だ。それに花粉も飛んで目がかゆい。

あれから1年。俺は普通の男子高校生に戻った。あの日の次の日から学校に行くようになった。学校のみんなは少し不審そうな顔をしていたがそれを無視して自分の席に着いた。すると倉本という奴が話しかけてきてそこから仲良くなり今では平均の友達の数まで増やせた。バイトもしっかりしているが、この前やめさせられてしまった。コンビニでバイトをしていたのだがそのコンビニで一緒に働いていた女の子が俺に惚れていたらしい。店長は若い子が好きなため付き合わせるのを阻止するべく俺を止めさせた。実際は仕事に影響が出るからだろう。元々俺は顔が整っている。それは自覚していて、性格の悪いおれのじいちゃんですら褒めてくれるほどだ。今日5月13日は放課後に新しいバイトに行くつもりだ。今度はこの前みたいなことが怒らなければいいが。


バイトは某DVDレンタルの店だ。ここを選んだ理由はまず影でサボれそうだから。そして給料がいいからだ。バイト場所につくなりエプロンのようなものを着せられた。「君にはDVDを元の場所に戻す仕事をしてもらう。わかんないことがあったら...今日人少ないからそこらへんの店員に聞いてくれ。わっはっは」店長はおっさんでテンション高めの人だった。とりあえず言われた通りDVDを元に戻す作業をしていたがカテゴリーの分別が細かすぎるためどこにあるのかわからない作品が多かった。店長に言われた通りに店員を探したが全然いなかった。「どうしようかな」そう呟くと後ろから「どうしたの?」という声をかけられた。綺麗な女の人だった。そしてこの人も店員だった。そのためDVDの位置を尋ねるなり「付いてきて」と言って場所を教えてくれた。「どこにあるかわからないヤツ多いよね。私もたまに迷っちゃうんだ。新人だよね!多分年齢一緒だからタメ語でいいよ。よろしくね」見た目通りいい人だったが俺がよろしくと言うのを遮りさっきまでどこに返せばいいかわからなかったDVDの話をし出した。「このDVDの名前変わってるね。海外の映画なのにクロッカスっていうんだ。どんな訳し方してんだろ。」といい微笑していた。「クロッカスは花の名前ですね」おれは彼女に言ったが彼女はそれを知っていた。当たり前か。「クロッカスの花言葉は『あなたを待っています』と『愛をもう一度』って意味なんだよ。ロマンチックだよね」そう言って彼女は仕事に戻った。その日はDVDを元に直す作業だけで終わった。


バイトが終わり帰る準備をしていると彼女に「おつかれ」と声をかけられ缶コーヒーを渡された。あいにく前も言ったがコーヒーは苦手だ。だから一気飲みをする。缶コーヒーを飲み終えた後、彼女は笑っていた。毎回笑われている気がする、レイラの時も、この人の時も。「じゃあ今日は帰るね。そういえばクロッカスの話で思い出したけど、スイセンの花言葉は何でしょうか?次会う時までの課題ね!」そう言って振り返り帰っていった。


彼女からはなんだか懐かしい、甘い香りがした。



今回は花言葉をメインに作ってみました。アネモネという花の花言葉は章の題名に使っています。そして、最後のスイセンの花言葉はもう一度愛してほしい。です。

それと5月7日と5月13日の7と13もタロット数字で7は変化を表し13は死と再生を表しているという伏線もあるということを最後に伝えておきます笑

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