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我ら「浪人」五人衆!

 大阪城ガイド「前哨」編。浪速大学に「浪人」した、真田・後藤・明石・宗我部・毛利の五人が顔を合わせ、「浪速大学『浪人』五人衆」を結成。

 歴女な明石とオタクな真田が、手と手を合わせて大暴走。まぜるな危険。もはや後藤の手には負えない。だけどストッパーは後藤しかいない。





 浪人。

 それは現代日本においては、主に高校からストレートで進学できなかった者。

 牢人。

 それは戦国時代から安土桃山~江戸期にかけて、仕えている家が滅亡したり改易されたりして、職にあぶれた者。

 「歴女」明石リナが、こんな些細だが分かり切った違いを、知らないわけがない。

 だが、分かったうえでネタを振ってくるのが、大阪人の大阪人たる特質である。

 出身は兵庫だが、現在、リナは豊中市民、大阪人である。

「はい、今年2015年は、大坂の陣400年祭にあたります! というわけで、真田と後藤と明石という取り合わせが揃っているので、もはや大阪城に行くしかないでしょう! という結論に到達しました! 手を回して、色々変なメンツも揃えております。張り切って参りましょう!」

 ノリッノリで宣言した彼女の顔は、無駄に輝いていた。

 400周年。生きているうちにそうそう回ってくるものではない。

 だから輝いている……と思うのは、彼女の状況を知らない者である。

「……卒論から逃亡したいんッスね」

 後藤トモの指摘に、うぐっ、と言葉を詰まらせた。ほれ見ろ。

「きょ、教育実習前の息抜きってやつよ!」

「実習前なのに息抜き?」

「気力充填!」

 なるほどつまり……結局のところ、現実逃避だ。

 呆れた目で先輩を眺めるトモ。

「まぁ、そういうことにしときましょか」

「そういうことよ!」

 力説する先輩は、本日も似非シスター調・白黒ゴシックロリータだ。

 それを聞くトモは、古着屋を活用しながら集めた、最近凝り始めたスチームパンク調のゴシックというか、ネオ・ヴィクトリアンのパンキッシュ・スタイルである。

 我らがICBM(インター・キャンパス・ばかやろう・メンバーズ)の顧問たる前田ユリ様の薫陶のせいで、元々コーヒー派だったトモは、紅茶に目覚めた。

 まぁそこまでは良かった。問題は、ユリのくれるお茶がいずれも高級品ばかりで、市販の安いバッグの紅茶など、もはや飲めなくなった点である。

 それをリナに相談すると「染めに使ってみたら?」と言われた。濃く入れた自称紅茶を洗面器にためて、シミのついたブラウスを思う存分突っ込んだら、意外にしっかり染まって、良い感じの風合いが出てくれた。ダメージ加工とか言うが、これもある意味のスチームな煤け加工の一つかもしれない。

 あと、飛ばしたシミが焼きそばのシミだったのも、ある意味では幸いだった。茶色は無難だ。ケチャップだったら、ちょっとスプラッタになっていたかもしれない。

 もっしゃもっしゃ、という咀嚼音が、横から聞こえる。

 真田アヤは、今日もボルドーを基調にしたクラシカルロリータの装いに身を包んでいる。

 トモは最近になって気が付いたが、アヤは単純に赤系が好きと言うよりは、真田という己の姓をネタに、赤系統を選んでいるようだ。クラロリ界の大御所ブランド、天下のVictorian maiden様が、某漫画と驚きのコラボを行った、ものすごい「赤!」という色合いのロングスカートを見て、己の身長とスカート丈を諦め悪く見比べ、果てには厚底靴を履いてメジャーを引っ張っていた時点で、ようやくトモは理解した。

 こいつ、ロリータファッションすらネタにしてやがる。

 残念ながら、アヤの身長は、ロングスカートを穿きこなすには低すぎた。

 本日も、ブランド側想定標準身長なら、膝丈になるスカートを、膝下5センチ(※自称)の長さにして、ちんまりと可愛い「お人形さんスタイル」である。しかし、その手には10個入りたこ焼きのパック。しかも既に半分を胃袋に収めた状態だ。

「……ようけ食うなァ」

 思わず呟いたトモに「え? 欲しいん?」と返してくれるのは、友人故か。

「いや、ええわ。これ以上胸大きなりたないから」

 とりあえずボケると、厚底靴の蹴りが脛にお見舞いされた。

 半分は本気だった。絶対、本気だった。

 真田アヤの、自称ささやかなコンプレックスは、ささやかな胸である。



 ちょっと涙目になるトモを無視し、はーぁい、とアヤは似非シスターを見る。

「ところでチカちゃんから聞いたんですけどぉ」

 明石がひっ捕まえてきたという、外国語学部英語学科の宗我部そがべチカ。浪速大学において、文学部には一段見下されているのが外国語学部であるが、その中で、例外的に一目置かれている学科だ。高倍率を潜り抜けるために、一浪している「浪人」である。

「何を?」

 問い返す似非シスターの笑みは胡散臭い。

「長宗我部と毛利と真田は、元大名三人衆なんですよね?」

 大坂の陣、牢人五人衆のうちの、組み合わせ一つだ。

「そうね。長宗我部は土佐。真田は信濃の豪族やけど、まぁ大名っちゃ大名身分だし、毛利も豊前六万石やったわねぇ。真田以外は、関ヶ原のアレで改易されてるけど」

「お兄ちゃんが東軍でしたからね。上田でものっそ足止めしましたけどぉ」

 キシシシ、とアヤは笑いながら、新たなたこ焼きに爪楊枝をさす。

「その後、一応は親父と九度山に蟄居しておきながら、いざ決戦となったら、大坂城に山伏のコスプレで入城した挙句、散々やらかして戦死してるんやから、助命嘆願のために駆けずり回ったお兄ちゃんは、本当報われへんわね」

「しかもヒモられた挙句で」

 トモの付け足しに、たかれるところからたかるんは常識、と開き直るアヤ。

「そないな弟持ったら、寿命さぞかし縮んだんとちゃうんか」

「あ、真田信之、享年93歳だから」

 トモのそんな呟きに、恐ろしい答えをくれるリナ。

「93?! 人間五十年の時代に?!」

「うわ……ストレスが少なかったら、お兄ちゃんは何歳まで生きられたんや?」

 アヤの疑問にトモも同意だったのだが、リナが意地悪く笑った。

「いいや。試練によって人が磨かれる、いうこともある」

「なるほど! つまりMだったんですね!」

「えー加減にせぇ」

 お返しに一発、軽く蹴っておいた。厚底だがスポンジ素材だから、さして痛くはなかろう。後藤トモは、真田アヤと違って優しいのである。真田アヤと違って。

「ちなみに広島の本家本元な毛利は?」

「減封で済んでる。まぁ、上杉級とまではいかなくとも、かなりえぐいけど。でもまぁ、それで何とか保たれたのは、ある意味奇跡かもね……何せ、輝元は西軍総大将だから……」

「うえっ?! 三成やと思ってました……」

「ゲームじゃそういう扱いだしね」

 うむうむ、と頷き合う、歴女とオタク。

 両者が交わりあうゲームをひとしきり思い浮かべ、とりあえずトモは、己のネタにされているだろう、後藤又兵衛について考えることは放棄した。

「……で、なんで三人衆の話に?」

「いや、それで、チカちゃんが言うてたんですけど、真田と明石と後藤が組み合わせで出てくる括り、って、そう言えば思い当たらんなー、て」

「三人組で?」

「そう」

 トモの確認に、頷きながら7つ目のたこ焼きを頬張るアヤ。

 そろそろ、頬袋にヒマワリの種をため込んでいる小動物に見えてきた。

「……『パゼー日本基督教史』ね」

「「へっ?!」」



 おもむろに史料名を述べたリナに、同時にふり返るアヤとトモ。

「たしか……『彼の武将には主なるもの三人あり、異教徒いきょうと真田さなだ与市よいち基督キリスト教徒きょうとジュアン明石あかし掃部かもん、及び背教者はいきょうしゃ後藤ごとう又兵衛またべえなり』って、出てたはず。ちなみに『彼』って秀頼ね」

「うわー。あったんだ、このトリオの出典」

 トモの感心とは関係なく、えええー、と叫ぶアヤ。

「っていうか、与市って誰よ? 信繁で幸村で与市で左衛門助とか、もはや謎なんですけど! いや、一応正式な史料だったら、真田信繁らしいけど!」

 たしかに、カオスである。

 そんな後輩の肩を、胡散臭い微笑みとともに、似非シスターは優しく叩く。

「安心しなさい。明石掃部なんか、本名の明石あかし全登ゼントウの正式な読みは、『たけのり』なのか『なりとよ』なのか『てるずみ』なのか、それすら不明だから」

 ……もっとカオスな人がいた。

「昔の藤原ふじわらの明子メイシみたいですね」

 先日の講座の内容を思い起こしながら、アヤは平安期の人名を挙げる。

「あれはさすがに、読み方突き止めた人がすげぇよ」

 トモは、ぐったりした声で、クイズまみれになった先日の講座の惨状を思い起こした。講師が「日本史上のキラキラネーム特集」と称して、難読人名をガンガン出してきたのだ。とりあえす、キラキラネームとかいうのは、今に始まったことじゃないんだな、ということは分かった。ちなみに「明子メイシ」の正解は「あきらけいこ」……誰が読めるか。キラキラネームだ。

最上もがみ義光よしあきも、ながらく『よしみつ』と思われていたのが、妹宛の書状にひらがなで『よしあき』って書かれていて、読みが判明したのよね」

 また、きらきらした名前が出てきた。光的な意味で。

「あー、仙台の『まーくん』の伯父貴な『羽州の狐』ですね」

「『出羽の曉将ぎょうしょう』って言ってあげなよ……大河のせいで悪役イメージ強いけど、逸話みてると、案外お茶目でちょっと脳筋なのよ? 大将なのに最前線行って怒られたり」

 リナはどうやら、最上が贔屓であるようだ。

「ちょっと黒田長政っぽいですね。あと、蒲生がもう氏郷うじさととか、井伊いい直政なおまさとか……」

 トモが真っ先に挙げたのが、黒田だったのが運の尽きだったのだろう。

 ニヤリ、と先輩と友人が、同じ角度に口角を歪めた。

「後藤又兵衛基次って、フルネームも官位も判明してて、一番恵まれてますね」

隠岐守おきのかみね……けど、ゲーム的に一番恵まれてんのは君でしょ、アヤちゃん。どのゲームでも基本的に主役級じゃないの」

「いや、講談で盛りに盛った、パッド入りの偽乳ニセチチみたいなもんですよ」

 自虐ネタに走った後輩を、リナは余裕でするりとかわす。

「でも、そのおかげで知名度は圧勝でしょう」

「まぁそうですけど……あ、またべーどのもゲーム出たね」

 思い出したように付け足したオタクに、トモは頭を抱えた。アレか。アレか!

「私はデスノつけてへんわ!」

「書くとしたら誰?」

「平和な教育者を目指す人間に、何ちゅうこと聞いてくれとんねん!」

「え? 平和主義者? さっきウチに蹴り入れたん誰?」

「先に蹴り入れたんお前やろが!」

「ない胸を嘆く人間の前で、巨乳を自慢するのが悪いんや。自業自得や」

「ああ言えばこう言う!」

 ぎゃあぎゃあやり取りする後輩二人を、似非シスターは微笑ましく見守る。

「明石さん! 仲裁せぇへんのですか!」

 トモの声に、いやぁ、と笑って、歴女はひどい答えをくれた。

「黒田家中はこんなテンションやったんかなぁ、って」

「出奔してぇ!」

 そう叫べば、それこそまさに罠だったらしい。

「そしてかけられる呪い『奉公構ほうこうかまえ』」

 何か変なまじないでもかけるような、あやしげな手の動きをするアヤ。

「やめろ! 就職妨害の呪いを今からかけるな!」





 奉公構。それは、再就職妨害である。

 後藤又兵衛は、黒田家を出奔した後に、元主君の黒田長政から「奉公構」をかけられた。別の家から引く手あまただったにも関わらず、就職しようとするたびに長政から執拗な妨害を入れられ、又兵衛は、一時は物乞いまでしていた、と伝わっていたりする。

 生き続けなければならないという点で、ある意味では死刑よりえぐい。

 いや、もちろん、命あっての物種で、死刑よりマシという位置づけだったが。

 なお他にこの呪いをかけられた者は、大坂の陣参戦メンバーでは「夜討ちの大将」ばん団衛門だんえもん直之なおゆきがいる。呪いをかけたのは、加藤かとう嘉明よしあき。伊予の大名である。

 稲富流砲術の始祖、稲富いなどめ祐直すけなお(※号は一夢)さんは、関ヶ原の戦い前に、細川ガラシャこと明智玉の護衛につけられていたが、生来のチキンハート故に、石田三成の手勢が来た時に、ガラシャ護衛の任務を放棄して逃亡。後日細川家に戻ってきたが、歴史上に実在したヤンデレとも名高い細川ほそかわ忠興ただおきが、屋敷に監禁するほど執着していた妻をおめおめ死なせたチキン男を、許すわけなどない。

 忠興はにこやかに笑いながら、夜の屋敷の一室に煌々と火を灯して人々を集めると、衆人環視の中、稲富に「奉公構」を発動したという。ヤンデレ怖い。

 もっとも、稲富さんは運がいい。徳川将軍家が、実戦ではちっとも使えないチキンだが、教えるのはうまい鉄砲の腕を買って、指南役として雇用してくれたのだ。さすがのヤンデレ大名も、将軍家の威光には逆らえず、稲富さんへの「呪い」は葵の御紋によって解かれたのだった。

 世の中、本当に何がどう転ぶか分からない。

「ところで、気になることがあるのよねぇ、この史料の記述」

 そうしみじみと話題転換をするのは、優しさからだと思いたい。

「へ? ウチが与市になってること以外にですか?」

「何が自分や似非六文銭!」

 すっかり真田幸村のようなツラでぬけぬけという友人に、ツッコミを入れる。

 だが、似非シスターことリナは、うんそれ以外、と冷静に返した。

「後藤又兵衛が『背教者』って記述されてる点がねぇ……又兵衛がキリシタンだった、っていう直接の記述は見たことないから。なんでこんな書き方なんかな、って」

 ん? と、二人して首を傾げたが、ああ、とほどなく理解した。

「黒田官兵衛、キリシタン大名でしたね」

 トモの言葉に、アヤがひどい補足を加える。

「黒田長政も一応洗礼は受けてたね……オーメン的な名前に噴いた記憶が」

 黒田くろだ官兵衛かんべえ孝高よしたか。洗礼名「シメオン(ドン・シメオン)」。

 黒田くろだ吉兵衛きちべえ長政ながまさ。洗礼名「ダミアン」。

 ……うん。666とか、思わず言いそうになる。

 言ったら負けだろうけれども。

「官兵衛の方は、表向き棄教した後も信仰が続いてた気配があって、葬儀がなんか、キリスト教と仏教がごちゃ混ぜになったような、妙な形式で行われた記録があるの」

 そんな情報、どっから拾ってきたのだろう。

「長政は?」

 トモの問いに、アヤが、自分の主君や~ん、と言ってきたので、とりあえず蹴った。

「禁令後は弾圧もやってるから、お父さんの言う通りに洗礼だけ受けた、って感じ?」

 リナの解説に、ああー、と納得したように頷くアヤ。

「ありそうー。黒田長政って、ファザコン臭すごいですもんね」

 ものすごい言い様だ。が、フォローが思いつかなかった。

 大河ドラマのファザコンっぷりが、脳内にありありと思い描ける。

「そういうお前からはブラコンのかおりがする」

「いやん♪ ウチのリアルお兄ちゃんは、妹の趣味にも寛大で優しいだけや」

「……ヒモってる気がするんやけど」

「カードでイカサマして、ダッツ奢ってもろてるぐらいや♪」

 最低なセリフが飛び出した。なんという輩であろう。

「シスター、ここに罪人がおりますけど、正義の鉄槌は下しはりませんの?」

「人を裁けるんは主なる神だけやよ」

 さらりと返されて、そういえばこの人は真面目にカトリックだったと思い出す。

 ユリがアレなのでつい忘れがちだが、彼女らの母校はカトリック系だ。



 と、騒いでいるうちに、罪人のスマホが鳴った。

「あー『マツリ』ちゃんや!」

 嬉々としてスマホを取り上げるアヤに、誰やそれ、と思わず問うた。

「ん? オタク仲間や」

「……嫌な予感しかしぃひんのやけど」

「えらい言い様やな……関東に進学してもうてんけど、連休は帰省できるみたいやね」

 華麗な指捌きで、画面をタップするアヤの言い回しに、今度はリナが問う。

「ってことは、出身はこっち?」

「中高同じでーす。ついでに、文化祭で某戦国ゲームのキャラのコスした仲」

 なるほど、同類の香りがする。

 ついでに嫌な予感がしたので、大事なことを聞いてみた。

「……ちなみに、フルネームは?」

伊達だてまつり……政宗の『宗』だけぬいたら完成」

「ひどい……」

 大当たりだ。大方、例の歴女とオタクの企みに参加する運びなのだろう。

「よぉ男に間違えられるから嫌やー、言うとったなぁ」

 それ以前に、親のネーミングセンスにツッコミを入れたい。

 なんだ、その、あからさまに『狙ってる』感が満載な命名は。

「あと、小学校で散々『いたち』て読まれたらしいわ」

 それは、伊達さんあるある、である。

「男に生まれたら、リアルに『政宗』てつけられる予定やったらしい」

「泣いていいと思うで、それ」

 同情したトモに、しかし、キシシシ、と笑うアヤ。

「ついでやから、ウチも『真田さなだみゆき』て名前で一緒にコスした」

「お前らはどこへ向かっとんねん……」

 それはアヤの優しさなのか? 日頃の行いのせいでそう思えないが。

「ネット検索したら引っ掛かるんとちゃうんかなぁ?」

 その言葉に、リナがスマホをいじる。

「あ、出た」

「マジッすか?」

 ほれ、と差し出された画面を見ると、某有名戦国ゲームのコスプレイヤーが写っていた。眼前の赤い悪党と、かわるがわる顔を比べてみる。

「……すっげ。化け過ぎやろ!」

 わずかに面影があるが、見事なまでに、顔の輪郭まで変わっている。

「マツリちゃん、手先器用でなー。特殊メイクもできるんや」

「……それ、器用いうレベルか?」

「いやぁ、そのゲーム、政宗は少年やから良ぇけど、幸村はわりと青年やから、小柄で愛らしいウチを化けさせるために、そらもうガッチリ準備してくれたで……まぁ、ウチら二人とも公式設定の身長に足りひんから、全身の『合わせ』は撮られへんかってんけどな。っちゅーか、ぶっちゃけ、マツリちゃんの方が背ェ高いから、その写真かて、ウチ厚底プラス台の上や」

 身長の格差社会ということか。

「まぁ、友のためなら一肌脱ぐんも、特殊メイクを炎天下に被るんも平気や」

 涼しい顔で、9つめのたこ焼きを頬張るアヤ。

 その「とも」は、友人であって、己のことではないのだろうな、と思う。

「単純にネタに走りたかっただけ感がヒシヒシと……」

 視線が泳いだ。図星だ。

「おかげでマニ研は盛り上がりました。部誌は完売です」

「まにけん? マニ教研究会みたいね」

 リナが上品に首を傾げる。お嬢様校にはオタクな部活はなかったようだ。

 というか、むしろマニ教研究会は実在したんですか、と問いたい。

「マニ研は『マンガ・アニメ研究同好会』の略称ですよぉ」

「へえ」

「ちなみに、リナ先輩の部活は?」

 トモの問いに、愚問ね、とばかりにリナは微笑む。

「歴史同好会」

「……デスヨネー」



 今度は似非シスター・リナのスマホが鳴った。

「あら。チカちゃんからやわ……」

「何かあったんですか?」

 今更だが、本日、この「パゼー組」が揃って食堂上のリラックススペースに陣取っているのは、明石リナ(と、ほぼ間違いなく真田アヤ)が集めた「『浪人』五人衆」集結のためである。

「下の交差点らしいけど、バスがこの3分で5メートルしか動いてへん、って」

 帰宅ラッシュに重なったか。運の悪いことだ。

「あ、また来たわ」

 連絡を告げる音が再度響く。

「もう5メートル進みました?」

 トモの茶々に、リナは画面を叩きながら、ゆるく首を振る。

「いや、卒論絡みで引継ぎした子の、前年度のカテキョの時間割が欲しいって」

「あ、明石さんが持ってはった分の」

「よし、頑張れ。私の電池」

 励ます相手が違うようなことを言いながら、リナはファイルをいじる。

「何つけたんッスか?」

「時間割のエクセルファイル」

「おぅ……それは、たしかに電池食いますね」

 スマホの難点はバッテリーの持続時間だ。

 ところで、先ほどからアヤのスマホの充電コードが、さりげなく観葉植物の陰の、掃除機用コンセントに繋がっているのだが、見ないふりをするべきだろうか。

 ……立派な「窃盗罪」なのだが。

「あ、ユリちゃんから連絡」

 リナの方こそ、本気で電池がヤバイのではなかろうか。

 かといって、この信仰は真面目な似非シスターに、犯罪の教唆は出来ない。

「『書庫で毛利を確保』」

「「……書庫?」」

 リナの報告に、トモとアヤが揃って眉間にしわを寄せる。

 浪速大学の「このキャンパス」で「書庫」と言えば、本館の書庫だ。一度入ったリナ曰く、一日中ゴロゴロ寝そべって読み漁りたいぐらいに素晴らしい古書が山盛りあるという、稀少資料の宝庫らしい。和綴じの本が素手で触れる位置に! とか叫んでいた記憶がある。

 ただし、入室の際には厳重に手荷物検査、持って入れるのは必要最小限のメモと貴重品のみ。ケータイの類はアウトという、まさに本のサンクチュアリ。そんな所に入る人間、となると……これは、よほどのオタクでない限り、ほぼ確実に、卒論が迫っている人間だ。

「あの、ユリ先輩の『五大老ネットワーク』の『毛利』さんですよね?」

 トモの問いに、そうよ~、とのんびりリナは答える。

「同窓生」

「ってことは、一浪と計算して、今度、明石さんと同じ4回生に?」

 アヤの質問に、いーえ、と首を左右に振る。

「一浪の5回生ね。卒論落としたから」

 とんでもない答えが返ってきた。

「そないな人を、こないなアホに付き合わせて……」

 よよよ、と空々しい泣き真似をするアヤ。お前、口が笑っているぞ、口が。

「自業自得の専攻選択の結果よ」

「あ、マゾ組ですか」

 アヤがろくでもないことを言っているが、トモの頭脳はフル回転だ。

「あのぅ……さっき『同()生』って言わはりましたよね?」

 どう計算しても、うん。

 一浪の5回生……ストレートなら院2年ということは、ストレートで次は院1年の前田ユリや、一浪で4回生の明石リナより、絶対に一つ上になる。

 ニッコリ笑って、リナはトモの計算を肯定した。

「ええ。中高では先輩よ」

 ……むごい。





「遅ぉなりましたっ!」

 そう言って飛び込んできたのは、長身の美少女だった。ダメージ加工が施された白いガーゼ生地のショートスカートに、白ベースのプリントタイツ。すらりと伸びる脚が、膨張色だというのに、十二分に伝わってくる。しかも、厚底靴ですらない。

 脚長ッ! というのが、第一印象だ。モデルができそうな美脚である。

 あと、そのタイツに、トモは見覚えがあった。

 なるほど、好みのブランドは h.naoto FRILLか、と、特徴的な紫色のポイントカラーを見て、トモは判断した。ややゴシック寄りの、あんまり黒くない、どちらかというとダメージ加工の白、なイメージのゴスロリだ。h.naotoは、結構な歴史のあるブランドだが、最近トモが気にしているSTEAMやら、色々と傾向に合わせてラインごとの名前がある。なお、STEAMは先年できたばかりのような、新しいラインである。単純にラインの歴史としては、FRILLの方がよほど古い。

「直接会うんは久しぶりやね~、チカちゃん」

 ひらひらと手を振って、リナがそう呼びかける。そうか、彼女が宗我部チカか。

「お久~、チカちゃん。こないだの食べ歩き以来やねぇ」

 アヤも手を振る。面識がないのは自分だけらしい。

「お久しぶりです! あっ、あと、初めまして! 宗我部です!」

「……後藤です」

 がばりと頭を下げて挨拶する。何だろう、やけに腰が低い。

「外国語学部1回生、出身は堺市です! 未熟者ですが、同じく教職を志すものとして、どうかご指導ご鞭撻、よろしくお願いします!」

 ああ、1回生だったのか。なるほど。

「……って、1回生ッ?!」

 トモは我に返って、目ン玉を引ん剝いた。

 一般教養パンキョー地獄 + 語学地獄 + 教職地獄 + バイト = 計測不能

 なんということだろう。耐え忍文学部よりハードな生活を送る人がいる。

「はい。一昨年に父が早期退職希望に入れられまして……奨学金とバイトで食いつないでます……もう、この趣味も続けられないと思っていたんですが……」

 なんだかリアル盛親な形容が出てきた。

 というか、チカの父親が所属していた会社名まで思い当たった。堺市……早期希望退職……いや、違うかもしれないが。何せ、大阪は中小企業の町である。

「明石先輩が節約のコツとか、真田先輩が安いお店とかを教えてくれて」

 なるほど、それでこの腰の低さか。あと、ご指導ご鞭撻とか言っていたのは、おそらく英語科で英語の教員免許取得を狙っているのだろう。それで、文学部で英語と中国語の免許を狙うトモから、英語免許の狙い方を聞きたい、と。

 しかし、明石リナはともかく、真田アヤが善行を積んでいるだなんて。

 実兄相手にイカサマをして、ダッツを奢らせている妹だぞ、と大いに言いたい。

 そんな赤い悪党は「はい、あーん」と称して、最後の1個のたこ焼きを、チカの口に押し込んだ。大人しく餌付けされている様が、何だろう、せつない。

「他人のお金で食べるご飯は美味しいやろ?」

 ニヤニヤ笑いながら、アヤは言う。チカは顔をもごもごと俯いてしまった。

「いっ、いえ……」

「お代はこの箱捨ててきてくれるだけでええよ~」

「お、お気遣いありがとうございます」

「えーのえーの。たこ焼き1個で喜んでくれるとか嬉しいわぁ。またべー殿は、超絶真面目に講義詰め込んで、今日の昼休みも『孫子』読んどって。せっかく551の豚まんあげたったのに、何言うても上の空……ひどいわぁ」

 いそいそとゴミを捨てに行く後輩をみやりつつ、アヤがイヤミを吐く。

 それは、お前がこの夕方にアホな催しをするとか、ボケたことをのたまったからじゃアホンダラァ……と、トモは内心でだけ罵った。リナも来ると聞けば、長引くことは想像に難くないから、さっさと課題を終わらせたかっただけである。

「……英語と中国語と、しかも中学と高校の両方で教員免許キョーメン取るんやで! 卒論前に勝負は始まっとるんや! 必修どんだけあると思うとんねん! しかも今は、念には念を入れて、国語の単位も集めとるのに!」

「え? この上国語まで取るん? Mやな自分」

「黙れ脱走兵」

 アヤに向かって言ったのだが、何故か戻ってきたチカの目が輝いた。

「たしか、後藤先輩は、中国哲学専攻なんですよね?」

「あ、うん……」

「すごいですね……英語と中国語と国語を、中学と高校と……」

 ……何だろう、このピュアッピュアな毒気のなさ。

 普段付き合っている面々(※主に真田)が性悪なだけだろうか。

「はーい、お待たせー。毛利さんをお届けでーす」

 ガラリと扉が開いて、前田ユリが姿を見せた。後ろに、見慣れない一般人的服装の人間を引き連れている。アヤいわく、最後の「毛利」は「週末ロリータ」……すなわち、土日にしかその真の姿を見せない、一般人に擬態したロリータだから、多分、彼女だろう。



「ユリちゃんは?」

 毛利さんを無視してのリナの問いに、ユリは一瞬、視線を泳がせた。

「……この後、指導教官アドミラルと面談です」

 はははは、と乾いた笑いを残して、ユリは文学部棟に向けて去っていった。

 とりあえず、心の内で合掌しておいた。指導教官は、結局イギリス史の「提督アドミラル」になったらしい。鬼のような量の課題を出すので有名なセンセイだ。

 あるいは、アヤの言う通り、Mなのかもしれない。少なくともユリは。

 自分は断固として違うぞ、と、トモは内心につけたす。

 連れて来られた、一見一般ピープルな学生は、やがて、ニッコォ、というオノマトペを、ホラー調にアレンジしてつけたら似合いそうな、実に恐ろしげな笑みを向けてきた。

「久しぶりや、ねぇ……明石……」

 ドドドドド……という文字が背景に揺らめいて見える。

 が、リナは動じる様子もない。

「お久しぶりです、カナエ先輩……っちゅーか!」

 おお。ちょっと珍しく、リナが全開の大阪弁である。

「実験用のメダカ3回も全滅さしたってホンマですか? 卒論もへったくれもありませんやん! いくら魂ないいうたかて、無駄死にさすとか罪ですよ罪!」

 似非シスターが、なんか聖なることを言っている。

 自覚はあるようで、きまり悪そうに毛利さんは指先で横髪をいじる。

「しゃーないやろぉ……エサはちゃぁんとやっとったんやで? ポンプの掃除もしたし……せやけど、なんでか三日経ったら死んどるんやもん……あと、ウチらは卒論やない。卒業研究ソツケンや」

 んっ?! と、トモは目を見開いた。アヤも、チカもである。

 リナは察したようにくるっと振り返り、一見一般人な元先輩を紹介する。

「はい、毛利カナエ先輩。私の先輩で今度は同級生」

 ……むごい。

「ヤメロ。前田にマスター進む言われて泣いた傷口を抉るな。っちゅーか、学院出身者はお前と前田だけやろ。残りには先輩ちゃうやん」

「いえ。真田と後藤は1歳下、そこのチカちゃんに至っては現1回生です」

「……ウチ、工学部やねんけどな」

 マジでか、と、トモは内心に叫んでしまった。

 浪速大学の人口的最大派閥・工学部であるが、女子の少なさ故にあだ名は「おと工学部」だ。そんな稀少な女子が引っ掛かるだなんて、なんという奇跡だ。

「あの、私は皆さんを先輩と呼んでいるので……毛利先輩呼びでいいですか?」

「……チカちゃん、いうたら、宗我部さんやな」

 明石リナ&真田アヤのバカな企みは、一応、概要はカナエ先輩に伝わっているらしい。

「私のことは何とでも!」

 高い背を少し縮こまらせて、そうもじもじと言うチカ。

 その背後では、似非シスターと赤い悪党が、「ちゃんすかめ」「ちょーすがみ」などと、のたまっていた。似非シスターにチョップ、赤い悪党に蹴りを入れておく。

 ちなみに両方とも、同時代史料での「長宗我部」の読み表記の記録である。訛りか時代か、とりあえず、ちゃんすかめ、はないだろうとさすがに思った。内府ないふが「Daifu」というレベルではない。

 なお「Daifu」が正しい発音だった、と聞いたアヤの最初の反応は「……『内府の内腑をナイフで刺してやれ』ネタが使われへんな」であった。ああ、関ヶ原後の黒田長政と官兵衛の逸話ね、と即座に理解できる程度には、トモもばっちりリナに調教されている。

 とりあえず「坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた」かよ、とツッコんだら、チッチッという気障な指ふり舌打ちとともに「今のご時世は『坊主が屏風に上手にジョーズの絵を描いた』やで」と言われた。とりあえず軽く蹴っておいた。ん? 足癖が悪くなっている?

「ん、ほなチカちゃんで……ったく、前田も明石も、可愛げなぁなりよって」

 おお、デレた。

「あんたらは適当にカナさんとか呼んで」

 はーい、と返事をするトモとアヤ。その横で、リナが首を捻っていた。

「ユリちゃんに、可愛げがあったことがありますっけ?」

 友としてどうかと思うんですが、というようなことを言う似非シスター。

「それは……ないな」

 ……後輩も後輩だったが、先輩も先輩だった。



「んでは……この五人が『五人衆』な証に、学生証で円陣組みしましょうか」

 リナがそう言うと、定期入れからシュパッと学生証を引き抜いた。

「えっ。えっ?」

 あたふたしながら、チカは鞄を漁り始める。

「ホンマ、アホなことに情熱注ぐ癖は変わってへんのやな」

 学院時代からこのノリなのか、カナさんは異を唱える様子もない。あと、さすがはさっきまで書庫にいただけあって、学生証を取り出す動きにも澱みはなかった。図書館は学生証なしでは、基本的に入れないし、書庫に至っては入る際に学生証を預かられてしまうのだ。

 諦めて、トモも学生証を定期入れから引き抜く。

 サイドポケットから、チカが学生証をようやく取り出す。

 アヤ?

 遅いので何事だと思って鞄を覗き込み、トモは己の行動を後悔した。

 ……絶対、コイツの家には己の天敵たる黒い悪魔が棲息しているに違いない。

 そう思わせてくれるような、ごちゃごちゃの鞄だった。

「あ、あった!」

「大事にせぇや。身分証明やろが」

「たはは……」

 笑いながら、しかし動きだけは無駄に格好良く、アヤも学生証をかざす。

 せーの、の声と共に、円陣に立ち、中央に向けてそれを出す。


 真田さなだ絢夏あやか 文学部・人文学科(日本学)

 後藤ごとう友美ともみ 文学部・人文学科(中国哲学)

 明石あかし理名りな 文学部・人文学科(思想哲学)

 宗我部そがべ知可子ちかこ 外国語学部・英語学科

 毛利もうり叶恵かなえ 工学部・応用生物工学科


「ウム! ほぼ完璧な布陣!」

 リナは実に満足そうにうなずく。

 ほぼ、は多分、長宗我部ではなく「宗我部」であるから、だろう。

 だがしかし、縮こまるでないよチカちゃん、とトモは思った。

 なんだか『五人衆』というと格好良いが、実際のところ、この五人は名字と同時に、とある残念な条件を満たした面々によって構成されているのだから。

 そう、別に経験しないほうが良い条件。

 声高らかに、その要らんことをアヤがのたまった。

「浪速大学『浪人』五人衆、大坂の陣400年記念企画に、いざ出陣!」

 ノリで円陣に参加してしまったものの、トモは思わずツッコんだ。

「大声で浪人言うな! ボケ!」

「ウチなんか、浪人プラスの留年や! コンチクショー!」

 カナさん、わざわざ墓穴掘りますか……と、思わず呆れかけたトモは、しかし、そのツッコミをすんででひっこめた。

 宗我部知可子、もといチカが、少し落ち着いたような笑顔になっている。

 いまだに、古株の院生などから見れば「外様」扱いな外国語学部の所属で、しかも一浪して、さらには最年少ということで、どうやらかなり緊張していたようだ。全員「浪人」で、しかも留年もまじっているという状況は、彼女にとっては少し落ち着ける環境であるようだ。

 カナさん的可愛い「後輩」を思いやってのこと、なのかもしれない。

 何せ、可愛げのない後輩二人からの攻撃後だ。素直なチカは可愛かろう。




 とりあえず、春休みに入ったら、大阪城に行くことが決定した。

 下手すると桜前線の上昇とぶつかって、大混雑の大惨事だ。あそこは大阪屈指の桜の名所である、造幣局の通り抜けが近い。JR東西線を使えば地獄請け合いだ。そんな混みそうな時期に……と愚痴を流すと、関東から帰省してくる、伊達だてまつりが合流できるようにするためらしい。

「ちなみに後藤又兵衛は、伊達隊と交戦して討死しとるんよね」

 キシシシ、と笑ってそう言った真田を、とりあえずもう一度蹴っ飛ばした。

「真田幸村が、8時間も遅刻したせいでな!」

「今度は、8分以内におさめます」

「8分前に来いや!」


 ……今年の花見は、騒がしくなりそうな予感がする。







 前田さん以外のフルネーム判明。ついでに、真田アヤこと真田絢夏に、実兄がいることも判明。遠慮なくダッツをタカッている妹。

 ……お兄ちゃんは、ポーカーのイカサマぐらい見抜いているんだぜ。


 チカちゃんパパの勤め先は、堺市にゆかりのある、このところ連続赤字決算で早期退職希望者募りまくり……で、分かる人には分かると思いますが、これはあくまでも架空のお話です。モデルなだけです。浪速大学のようなものです。


 なお、マツリちゃんの進学先は「東都大学」です(笑)

 ちなみにマツリちゃんは浪人していない「ストレート組」につき、今度は4年生。所属は文学部(文科3類)です。

 大坂城見学編は、多分、ごっちゃごっちゃになりますね。


 ぼちぼち、東洋陶磁美術館ネタを突っ込みたいんですが……あの天目茶碗の素晴らしさについて語ってくれそうな面々が、前田さんと明石さんしか思いつかないんです。マツリちゃんと、あと細川さん追加するかな……

 



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