*スカウト*
運悪く、俺たちはクラスが別だった。
「ちぇー、マジかよー
じゃーまた後でなー」
俺のクラス、1-Eに入る。
指定された席は窓側の一番後ろ
…まぁいい席だった。
「西園寺くんだよね、
隣の立花舞姫です。よろしくね^ ^」
「あ…あぁ。よろしく」
…立花舞姫、か。
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HR終了後。
廊下に出ると、鏡夜が居た。
「おっ、真翔っ」
駆け寄ってきた。
「つかさー、
なんで俺ら離れなきゃいけないわけ?」
「俺に聞くな」
「ま、いいかー、会えるしな^ ^」
「荒波くんと西園寺くんですねっ?!」
名札の色からして中2だろうか、
2人の女子が俺らの前に来た。
「そうっすよ^ ^」
気安く応える鏡夜。
「入学早々失礼しますねっ
雑誌編集部部長と写真部部長です。
新年度初発行のお題が
『新入生のイケメン&美女スクープ』
なんですよ!
生徒に聞いたところ、2人が好評だったので是非お願いしたいのですが…」
…俺はぜってーやんねー。
と思った矢先。
「俺たちやります!」
「は?!」
「本当ですか?!
ありがとうございますっ!」
「は?!おい待て、てめぇ…」
「荒波くんと西園寺くんOK、と。」
…ちょっと待て。俺OKなんて言ってない…
「楽しそうだし、いいだろ^ ^」
「何がだよ、ったく…」
「ではこれ、お願いしますね^ ^
失礼しました」
俺たちに封筒を渡して行ってしまった
『明日の午後2時に、
雑誌編集室にお越しください』
と描かれていた。
「ったく余計なことを…」
「楽しそうだからやろうぜ、な^ ^」
…断れねぇ。
「…やってやるよ。しょうがねぇな」