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第一話・最低(マイナス)ヒーロー

日本全国から、多種多様な特殊能力を持った人間が集められている秋津田高等学院。

その校内では、日夜盛大なバトルが繰り広げられていた。

とある教室。

「次の相手は誰だぁ!? やられたいやつから前に出ろ!!」

身長は2mあるだろうか、大男が叫ぶ。

「だ、誰かあの大男を止められるやつはいないのか!?」

「っつうか誰だよあいつ!! いきなりうちのクラスに入ってきやがって!!」

「知らないの!? あいつ、この学年第18位の荒木粗暴(あらきそぼう)って男よ!!」

クラスのあちこちから声が聞こえる。

「ふぅー、やれやれ。一体なんの騒ぎだい?」

教室の外、廊下から入ってきた男が言った。

その声に、クラス中の声がピシャリと止んだ。

「おお、なんだおめぇーは。俺様にぶち殺されてぇのか?」

荒木が言う。

「いやいや、そんなまさか。自分からぶち殺されにいくだなんて、そんなに僕はマゾヒストじゃあないよ」

男はそのまま席に着いた。

「んじゃ、僕は寝ているから、勝手に始めていてくれよ。さっきの続き」

そういって、男は机に突っ伏した。

「なんだぁその態度はよぉー!? 頭にきた、てめーはぶち殺し確定だァ!!」

荒木は男の方へ向かう。

クラスの生徒達はひそひそ話を始めた。

「お、おい、あいつ目ぇつけられちまったぞ」

「大丈夫かよ? あいつ、やべえぞ」

「誰か助けてやれよ、あのままじゃ殺されちまうぞ」

男は依然として机に突っ伏したままだ。

「二度と起きられないようにしてやるぜェーッ!!おうらああああああッ!!!!」

荒木は天にかざした腕を、勢いよく振り落とす。

その腕は、男の後頭部へと吸い込まれる。

そして直撃した。

「いっぎゃあああああああああ」

荒木が叫んだ。

「俺の腕がああああああああああ」

「あれー、おかしいなあ? 僕の事を知らないの?」

クラスの生徒達は、だから言ったのに、というような顔をしている。

「僕はね、この学年、いや、この学校の最下位。ランキングにして999位。名前は零下歪(ぜろしたひずみ)。よろしくぅ」



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