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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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2年後の自分へ

掲載日:2026/10/25

明日、死のうと思った。


社会に出て3年目。

毎日楽しくもない地獄のような場所です残業、叱責の日々。


色のない世界で味のしないインスタント食品を食べて、薄いベッドで寝る。


私の世界はこんなにもつまらなく、生きずらい世界だっただろうか。


やはり明日死のう。

もう思い残すこともない。


そう思いながら私は瞼を閉じた。


朝、インターホンで目が覚めた。

こんな時間に何の用だ。


私はのそのそと起き上がり、重い足取りで玄関に出た。


…宅配だった。

どうやら食品らしい。

過去の私が何か頼んだのだろうか。

覚えていない、とりあえず開けてみよう。


フォンダンショコラだった。

あの有名な、予約から2年待ちの。


そういえば2年前、未来の自分へのご褒美に頼んだっけ。


死ぬ前の食事に丁度いい。


私は机に置いてあった縄をどけてフォンダンショコラを切って皿に乗せ、フォークを用意した。


柔らかいフォンダンショコラにフォークをいれる。


「…いただきます」


1人しかいない部屋で小さく呟いて、フォンダンショコラを口に運んだ。


フォンダンショコラは甘くて、ほろ苦くて、柔らかかった。


いつぶりだろう、こんなに美味しいものを食べたのは。


「…おいしい」


そう呟く私の頬には大粒の涙が知らぬ間に伝っていた。


「おいしい…」


何度も呟いて、1口、また1口と口に運ぶ。


涙でぐちゃぐちゃになりながらフォンダンショコラを完食していた。


皿に盛っていないフォンダンショコラまでも全て無我夢中で食べてしまっていた。


ああ、どうしよう

また食べたいな


私は何も考えずにスマホでまた同じサイトを開いて、また同じフォンダンショコラを頼んだ。


…まだ縄は使えないな。


そう思い、私は縄をクローゼットの奥深くに閉まった。


生きる理由とまでは行かないかもしれないが、少なくともあと2年は生きなきゃいけない理由ができた。


そして私は立ち上がって

皿とフォークを洗う為に髪を結んだ


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