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【コミック6巻2026年8/5発売】病弱な悪役令嬢ですが、婚約者が過保護すぎて逃げ出したい(私たち犬猿の仲でしたよね!?)【ボイコミ2026年8/19開始!】  作者: 沢野いずみ
第一章

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36/92

34、フィオナの提案②

カクヨム先行でしたが、更新日混乱するので、先行なしにして、こちらも話数合わせることにしました。

(1時間ほどこちらのほうが早い更新になる予定です)

本日2回更新します。

完結まで予約投稿済みですので安心してお読みください。


「知恵を付けさせたらどうですか!?」

「ちえ?」


 ジェレミー殿下が首を傾げた。


「そもそも食事から栄養をとるということを知らないという現状が問題なのですから、それを教えたらいいんです。それに、そもそも学がないと、賃金も安く、働ける場所も限られます。そうなると、安い食べ物ばかり食べて、栄養が偏ります」


 現代日本でも、貧困層の肥満や生活習慣病は度々問題にされている。身体にいい食べ物より、菓子パンなどの方が安いし料理をする時間の手間もないからと、そうしたものばかり食べる人間も多くいるからだ。

 そして、この国の平民には字が書けない人間も多くいる。確か、ヒロインが自分の過去として平民のことを語ったときに、そんなことを言っていたはずだ。


「なるほど……だがどうすれば」


 国王陛下が苦悩の表情を浮かべたとき、ルイスが口を開いた。


「学校を作ってはいかがですか?」

「学校……?」

「我が国では貴族は家庭教師から学ぶのが主で、平民に至ってはその機会すらありません。他国では平民も学べる学校があります」


 そうか……学校という手があった。

 この国で学びを得る方法は家庭教師を雇うことだ。その他の人間は、村とかでちょっと賢い人に教えてもらったりできたらいい方で、ほとんどの平民は勉強というものをせずに社会に出て生きていく。しかし、当然できる仕事が限られるので、賃金は安い。逆に字が読める人間はそれだけで重宝されるので、賃金は高くなる。

 学があるかどうかで、経済格差があるのだ。

 しかし、学校さえ通えるようになれば、基礎学力が身につくから仕事の幅も増えて賃金は上がるはずだし、学校で常識として栄養についての教えも入れたら国民の健康問題の解決にもなる。


「コストはかかりますが、長期的に見ると、国民の仕事の幅も広がり、国力も上がります。決して無駄にはならないはずです」


 国王陛下達が顔を見合わせる。少し時間を置いて、ジェレミー殿下がエリックに話しかけた。


「君はエリックだったな」

「はい」

「君を主治医にできるなど、羨ましい限りだ」


 ジェレミー殿下がエリックを知っていることに私は驚いた。先程この部屋に入ってきたとき、主治医として紹介されたし、医者としてさっき声を掛けられていたからそう認識されているのは知っていたけど、今のジェレミー殿下の話し方だと、エリック自身を知っている様子だった。


「エリックを知っているのですか?」

「ああ。実は彼をうちの主治医にしようと思ったのだが、断られてしまったんだ」

「断る!?」


 私はとても驚いてしまった。

 王族の主治医など、名誉なことだ。きっとこの国にいる医者すべてが憧れていることなのに。

 それを断るなんて……。


「なんで断ったの?」


 エリックに訊ねると、彼は綺麗な笑顔を浮かべて言った。


「金」


 金……。

 生々しい回答と、それなら仕方ないね、という現金な前世の私が出てきて、私は何も言えなかった。


「ハントン公爵家に勝てなかったな」


 ハハハ、と国王陛下は気分を害した様子もなく明るく言った。

 よかった、陛下が朗らかな方で……。


「だから言っただろう? 国より金があると」


 ルイスが自慢げに言ってくる。

 金持ちなルイスはいったいいくらでエリックを連れてきたのだろうか……恐ろしくて聞けない……。


「話が逸れてしまったな。エリック、君は確か、リビエン帝国の人間だったな?」


 ジェレミー殿下がエリックに確認をしている。


「その通りでございます。殿下に知っていただけているとは恐縮です」

「君を本当に主治医にしたかったからな」


 ジェレミー殿下は名残惜しそうに言った。エリックに未練があるのだろう。

 でもエリックを主治医として差し上げることはできない。ジェレミー殿下が欲しがるほど優秀だと知ったら手放すなんてできないじゃない!


「リビエン帝国の優秀さは知っている。リビエンには平民にも学校があったな」

「はい。皆読み書きや、計算が当たり前のように出来る環境でした」


 この世界でもきちんとした国はあるようだ。エリックはこの世界の中でも進んでいる国から来たらしい。

 そんなエリックから見たら、この国は祖国より何年も遅れてるように思えるだろうな。


「うむ」


 私たちのやりとりを見ていた国王陛下が頷いた。


「よし、学校を作ろう」


 国王陛下が宣言した。

 呆気なく決定が下されたことに私は驚いた。学校を作るのはお金がかかる。それこそ建物から作るだろうし、教師を集めるお金と彼らへの賃金。教材の手配。学校というのは簡単にできるというものではないのだ。


「すぐに会議をしよう。それからフィオナ嬢」

「は、はい」


 国王陛下に名前を呼ばれて背筋を伸ばした。


「君にはこれからも協力してもらいたい。学校事業、君も手伝ってくれないか」

「え」


 アドバイスで終わりではないのか。私は政治家ではないので、実行することに関してはそちらにすべておまかせしたい。


「わわわわ私はちょっとしたアイデアを口にしただけでしてそういうお役には立てないかと……!」


 私がなんとか断ろうと身振り手振りを交えながら答えると、国王陛下はにこりと笑った。


「そんなことはない。現に君の意見は我々には到底出せないものだった。きっとこれからも新しい風を吹かせてくれるだろう」


 評価が高すぎる。

 何が国王陛下の琴線に触れたのかわからないが、どうも国王陛下に気に入られてしまったらしい。


「待ってください」


 どうしたらいいのかと困っているところに、助け舟が来た。

 ルイスだ。


「どうした、小公爵」

「フィオナのことですが」


 ルイスはまっすぐ国王陛下を見つめて言った。


「フィオナは長時間労働ができません」



読んでいただきありがとうございます!

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『病弱な悪役令嬢ですが、婚約者が過保護すぎて逃げ出したい(私たち犬猿の仲でしたよね!?)』6巻8/5発売&ボイコミ化お知らせ
 


『病弱な悪役令嬢ですが、婚約者が過保護すぎて逃げ出したい(私たち犬猿の仲でしたよね!?)』

コミックス6巻
本日
8/5発売!


今回も描き下ろし小箱ハコ先生の番外編もあります!
また特典もありますよー!
頑張って書いたので楽しんでいただけると嬉しいです!

特典など諸々詳細はこちら⬇

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『病弱な悪役令嬢ですが、婚約者が過保護すぎて逃げ出したい(私たち犬猿の仲でしたよね!?)』
コミックス6巻


発売日:2026年8月5日



あらすじ

王太子妃にと求められた悪役令嬢×過保護を譲らない公爵令息のラブコメディ

正ヒロイン・アリスと気脈を通じたのも束の間。フィオナは、国王から才能を認められ王太子妃――つまりジェレミーの妻になるよう求められる!
ジェレミーには既にカミラをはじめとする婚約者候補がいる…。
それにフィオナの婚約者ルイスも黙ってはいないが、さすがに王家に逆らえるのだろうか…。
そんな不安を抱えたまま、フィオナの爵位授与パーティーが行われて…!?

原作沢野いずみ先生書き下ろしの特別ストーリーのオーディオドラマが聴ける二次元コード付き♪
キャストは人気声優が出演!

◆キャスト◆
ルイス:千葉 翔也さん
フィオナ:ファイルーズあいさん

※オーディオドラマの視聴期限は【2027年8月4日】まで



なんと今回、オーディオドラマついてます!

期日内に楽しんでいただけると嬉しいです!

そして

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ボイスコミック化決定!

フィオナ役は ファイルーズあい さん
ルイス役は 千葉翔也 さん

とっっても素敵な演じてくださってるのでぜひ!

ボイスコミックについては開始されたらまたお知らせします!
(予定ではYouTubeのキトラチャンネルで8/19開始です!)

実物の写真もあります!
背表紙など書店で探す際の参考にどうぞ!

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コミカライズはカドコミさんで連載中!



ぜひお読みいただけると嬉しいです!
よろしくお願いいたします!


― 新着の感想 ―
[気になる点] 国王陛下が苦悩の表情を浮かべたとき、ルイスが口を開いた。 「学校を作ってはいかがですか?」 で、この後に 国王陛下達が顔を見合わせる。少し時間を置いて、ジェレミー殿下がエリックに話…
[良い点] ルイスが立派な防波堤になっている [一言] 長時間労働が出来ないの下りに笑ってしまいました。でも出来ないもんねぇ。。。評価がうなぎ登りなばかりにフィオナが大変そうですが、マネージャー‥‥じ…
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