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【コミック6巻2026年8/5発売】病弱な悪役令嬢ですが、婚約者が過保護すぎて逃げ出したい(私たち犬猿の仲でしたよね!?)【ボイコミ2026年8/19開始!】  作者: 沢野いずみ
第一章

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番外編:ルイスと祖母



「ルイス」


 元気になった祖母がルイスを呼んだ。


「お前、どうするんだい」

「どうするとは?」


 祖母の言いたいことがわからず、ルイスは首を傾げた。


「はあ……鈍い子だねぇ。フィオナのことに決まってるだろう?」

「フィオナ?」


 フィオナがどうかしたのだろうか。


「お前、あの子に惚れたんだろう? いや、前から惚れていたか。まあ今はそれはどうでもいい」


 どうでもよくないことを流された気がしたが、ルイスはひとまず黙っていることにした。


「あの子、お前にまったく気がないじゃないか」


 祖母の遠慮のない言葉がルイスの胸を抉った。


「おばあ様……」

「なんだい。本当のことだろう」


 そうだとしてもそんなにはっきり普通の人は言わないのだと教えたい。

 しかし言い返したら100倍になって返ってくることがわかってたからルイスは黙った。


「あれはいい女だよ」


 祖母が酵母パンを手でちぎって食べる。

 フィオナのおかげで祖母の容態は急激に良くなった。フィオナの指導の元、顎の筋力のトレーニングも始め、おかげで柔らかい物以外も食べられるようになった。

 祖母は顔に出さないが、とても嬉しそうだ。


「なんだい、じっと見て」

「なんでもないです」


 あまり見ているとまた不機嫌になる。祖母は気難しいのだ。


「とにかく、あの子を逃がしたら許さないよ。あの子のこと、気に入ってるんだからね」


 祖母が牛乳を飲み干した。


「なんてったって、若い頃のあたしに似てるんだから」


 一瞬時間が止まった。


「なんだいその顔は。何か言いたいのかい」

「いえ、別に」

「嘘を言うでないよ。どうやったらそんなに渋い顔になるのかというほどの渋い顔してたじゃないか」


 思いっきり顔に出てしまったらしい。

 でも仕方ない。一瞬フィオナと祖母を重ねてしまった。

 ルイスは祖母を見た。


 ――大丈夫、フィオナはもっと愛嬌がある。


「お前、失礼なこと考えてるね」

「考えていません」

「あたしだって若い頃は可愛かったんだからね」

「そうですか」

「……信じてないね?」

「そんなことないですよ」


 祖母がふんっ、と鼻を大きく鳴らした。


「あとで肖像画見せてやるから可愛かったら謝りな!」

「はいはい」


 祖母を軽くいなすと、祖母も落ち着いたようでパンをちぎった。


「逃げられないように相手の喜ぶことをしてやりな」

「相手の喜ぶこと?」


 ルイスはフィオナと過ごして彼女が喜んだことがあるものを探そうと記憶を遡った。


「……わかりません」

「はあ? わからない?」


 祖母が呆れた声を出す。ルイスがいたたまれない。


「お前はどれだけフィオナに向き合わず蔑ろにしてきたんだい?」

「返す言葉もございません……」

「今のお前の好感度はマイナスだろうね」


 祖母の言葉は飾らないからこそグサグサと胸に刺さる。

 祖母の言う通りだ。フィオナと向き合わず、フィオナの事情も知らないで勝手に彼女を嫌った。彼女の体調についても、気付くチャンスはあったはずなのに。

 落ち込んだルイスを見て、祖母はため息を吐いた。


「プレゼントの1つでも渡すんだね」

「プレゼント」

「どうせお前のことだからろくにあげてないんだろう?」

「……」


 確かにあげていない。お互い仲が悪かったから誕生日など花束を義務的にあげるだけだった。


「例え気に入られなくてもいいから何かしらあげるんだ」

「気に入られなくてもいい?」

「ああ。『あなたを気にしています』と行動でまず示すのが大事だからね」

「なるほど……」


 確かにプレゼントは分かりやすいアピールだろう。


「相手が好むものは接していくうちにわかるもんだ。今は仲良くないからね。話の取っ掛りにしたらいいさ」


 いちいちルイスの傷つくことを挟んでくる祖母は意地悪である。それだけお気に入りのフィオナに厳しい態度をとっていたことに怒っているのだろうが。

 だが、なんとかフィオナとの仲を修復させたいという思いも伝わってくる。


「どうせ結婚するとしても、思いが通じあっているかどうかで、その暮らしはだいぶ変わるものだよ」


 祖母とおしどり夫婦だったという今は亡き祖父。祖母は祖父と思いが通じあって幸せだったのだろう。


「さてと」


 食事を終えた祖母が立ち上がった。


「ちょっと待ってな」


 祖母がルイスに言った。


「肖像画を見せてやるからね!」


 ……。


「気にしてたんですね」


 可愛いと思っていなかったことを根に持っていたらしい。

 祖母はドスドスと足音を立てて肖像画を探しに行ってしまった。


 その足音の元気さに、ルイスはホッと安堵の息を吐くのだった。



本日9/1から

『病弱な悪役令嬢ですが、婚約者が過保護すぎて逃げ出したい(私たち犬猿の仲でしたよね!?)』

コミカライズがスタートしました!


ComicWalkerで、なんと17日間連続更新なので、ぜひお気に入り登録して毎日お楽しみください!


詳細は活動報告、またはこの下の方に画像などを載せてるのでそちらをお読みください。


よろしくお願いいたします!


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


追記:今とても繋がりにくいようなんですが、きっと時間を空けたら解消されてるかなと思うので諦めず読んでいただけると嬉しいです!

(ちなみに私もようやく見れました!)

お気に入り登録していただけると泣いて喜びます!

ぜひ楽しんでくださいね!


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『病弱な悪役令嬢ですが、婚約者が過保護すぎて逃げ出したい(私たち犬猿の仲でしたよね!?)』6巻8/5発売&ボイコミ化お知らせ
 


『病弱な悪役令嬢ですが、婚約者が過保護すぎて逃げ出したい(私たち犬猿の仲でしたよね!?)』

コミックス6巻
本日
8/5発売!


今回も描き下ろし小箱ハコ先生の番外編もあります!
また特典もありますよー!
頑張って書いたので楽しんでいただけると嬉しいです!

特典など諸々詳細はこちら⬇

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『病弱な悪役令嬢ですが、婚約者が過保護すぎて逃げ出したい(私たち犬猿の仲でしたよね!?)』
コミックス6巻


発売日:2026年8月5日



あらすじ

王太子妃にと求められた悪役令嬢×過保護を譲らない公爵令息のラブコメディ

正ヒロイン・アリスと気脈を通じたのも束の間。フィオナは、国王から才能を認められ王太子妃――つまりジェレミーの妻になるよう求められる!
ジェレミーには既にカミラをはじめとする婚約者候補がいる…。
それにフィオナの婚約者ルイスも黙ってはいないが、さすがに王家に逆らえるのだろうか…。
そんな不安を抱えたまま、フィオナの爵位授与パーティーが行われて…!?

原作沢野いずみ先生書き下ろしの特別ストーリーのオーディオドラマが聴ける二次元コード付き♪
キャストは人気声優が出演!

◆キャスト◆
ルイス:千葉 翔也さん
フィオナ:ファイルーズあいさん

※オーディオドラマの視聴期限は【2027年8月4日】まで



なんと今回、オーディオドラマついてます!

期日内に楽しんでいただけると嬉しいです!

そして

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ボイスコミック化決定!

フィオナ役は ファイルーズあい さん
ルイス役は 千葉翔也 さん

とっっても素敵な演じてくださってるのでぜひ!

ボイスコミックについては開始されたらまたお知らせします!
(予定ではYouTubeのキトラチャンネルで8/19開始です!)

実物の写真もあります!
背表紙など書店で探す際の参考にどうぞ!

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コミカライズはカドコミさんで連載中!



ぜひお読みいただけると嬉しいです!
よろしくお願いいたします!


― 新着の感想 ―
そっか(,,・д・)大量のプレゼント攻撃は婆ちゃんのせい(,,・д・)
[気になる点] 続きは、書籍でしょうか?(´;ω;`) [一言] 最高に面白いです。
[一言] あんなに犬猿の仲だったのに見事アツアツになって良かったです 2章目もあるそうなのがとても嬉しく待ち遠しいですね(*´ω`*) コミカライズも17日まで毎日なんて驚きのサプライズもステキ!
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