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【完結】株式会社SETA異世界派遣部~眠れる魔王と勇者の子孫~  作者: BIRD
第5章

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第47話:ルシエの願い

プルミエ王族男性陣3名がセイルにまとめて敗北した後、エリシオは父王に要望を出した。

それは、領土内の未開拓の地を開発して、古代民族を移住させてほしいというもの。

「古来より我が国は移民を受け入れてきた故、拒みはせぬよ」

国王ネアルコは快諾し、候補地の地図をくれた。


次に拓郎と連絡を取り、SETA社の土地開発メンバーの派遣を依頼する。

「祖先の王都開発以来の大仕事だね。やりがいがありそうだ」

父から貰った地図を転送すると、拓郎は現地を視察し、見積もりを立ててくれた。


その次にエリシオが向かったのは、SETA食堂。

「素材は僕が用意するので、弁当の大量注文してもいい?」

「では姉妹店と協力して用意しますね」

こちらも承諾してもらえた。


素材集めの為に森に入って初めて、エリシオは聖剣(ルーチェ)を攻撃に使った。

プルミエ王族の嗜みとしてセイルの剣術を受け継いでいるが、狩りに出るのは初めて。


ボッ!

ボトボトボトッ。


試しにボアを狩ってみれば、あっさり一撃クリティカル、オーバーキルでボア消滅。

魔石と肉と毛皮と牙がドロップした。


「さすが聖剣、いい切れ味だね」

予想以上の結果にエリシオ苦笑。


続いて狩ったミノタウロスも、やっぱりあっさり一撃消滅。

ドロップ品がフルで出る事も同じ。


『大量に肉を手に入れるなら巨鳥(ルフ)がオススメだよ』

などと魂の中にいるセイルがアドバイスしてきたので、転移魔法でその山へ向かう。


本来ならSクラス冒険者が数人がかりで狩る強さの巨鳥(ルフ)も、余裕で狩れてしまう。

大量の肉をストレージに保管して、山菜や木の実なども採集して、エリシオはSETA食堂に納品した。


「こんなに大量の弁当、何に使うんだい?」

店主のソーイチ・ワタナベが聞く。

「古代人の胃袋を掴みに行きます」

ニッコリ笑って答えるエリシオ。

SETAの社内通信で移住計画を知っていたソーイチ、なるほどと納得した様子。

明日の受け取りは自分が各店舗へ行く事を伝えて、エリシオは店を出た。



聖王国トワの神殿・勇者の居室。

前世から現世の姿に戻ったエリシオは、人型に戻ったルシエと添い寝。

エリシオは6年の間に成長し、ルシエとはかなり身長差が開いており、今では頭1つ分ほど背が高くなっていた。


「エリ、聞いてもよいか?」

「ん? 何?」

寄り添いながらルシエが問いかける。

ウトウトしかかっていたエリシオが目を開けた。

「我が女子になったら、娶ってくれるか?」

「もちろん」

珍しく少々恥じらいつつ、ルシエは問う。

驚くかと思いきや、エリシオは即答した。


「そんなにアッサリ決めて良いのか?」

子供の気軽さで答えたら後悔するぞという意味を含めて、問いかけるルシエ。

「6年間一緒に暮らして決めた答えだよ」

意外にも、エリシオは大人の返答だった。


「魔王を娶る勇者など前代未聞だぞ?」

嬉しさを隠して、ルシエはニヤリと笑う。

「僕の為に女の子になってくれる人なら、大切にしたいと思うよ」

対するエリシオは優しい笑みを向ける。

「ではエリに大切にしてもらう為に、女子になるとしよう」

ルシエも愛らしい微笑みに変わった。

6年前は悪戯心で唇を奪ったが、今は愛しさを込めて口付ける。


無性別で生まれ、伴侶を決める際に性分化が起きるという古代人。

ルシエはエリシオと結ばれる事を望み、自らの性別を定めた。

肉体に変化が起き、ルシエは性別の無い子供から少女へと変わってゆく。


「うむ。変わったようだ」

と言う声も今までよりも澄んでいて少し高い。

衣服の胸元を覗き込み確認すると、年相応の膨らみがあった。

「エリも確認するがよい、ほれ」

「!」

ヒョイッと手を掴んで胸に触れさせると、さすがにエリシオが赤面した。

「何を今更照れておる?」

「ちょっと心の準備が…。 …うん、女の子になってるね」

キョトンとするルシエの顔も、今までよりも女の子らしい可愛さが増している。

エリシオは深呼吸して動揺を鎮め、掌に触れている物を確認して言った。


その後、ルシエは満足したように眠りに落ちたが、エリシオはいつもより寝つきが悪い夜となった。

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