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【完結】株式会社SETA異世界派遣部~眠れる魔王と勇者の子孫~  作者: BIRD
第2章

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第19話:転移者の子孫たち

プルミエ王国は昔から異世界転移者が来る事が多く、大賢者シロウが双方向移動可能な転移装置を発明して以降はその数が増え、中にはアーシアに定住する者もいた。

チャスケたち日系人はその子孫で、転移者だった祖先から回復魔法を受け継いでいる。


「ペリアルさん、手伝いに来たよ」

「おお! チャスケ君たち、ありがとう!」

ゲッソリやつれた大神官の名はペリアル・シャン。

モエの養父でカートル神殿の大神官を務めている。


「怪我人が多いですね、何か大きな事故でもありました?」

「鉱山で落盤事故があってね。作業員が多数負傷して運ばれて来ているところだ」

クロスケから渡されたポーションを飲んで一息つくと、ペリエルは簡単に状況を伝えた。


チャスケたちが手伝いに来る事はよくあるらしく、メンバーは四方に散って神官たちを手伝い始める。

「軽傷者はこっちに集まって! 範囲回復魔法(エリアヒール)をかけます」

チャスケは効果範囲にいる者をまとめて回復する範囲回復魔法(エリアヒール)を担う。

「神官の皆さん、これで魔力回復して下さい」

クロスケは疲労困憊な神官たちに魔力回復ポーションを配って回った。

「重傷者は任せて!」

ハルは最上級回復魔法(エクストラヒール)を使い、患者の失われた手足を再生させる。

「もう少しだけ我慢していてね」

リンは水魔法で患者の傷口の汚れを落として回った。


初めてのエリシオは何を手伝おうかと思案していると、モエが声をかけてくれた。

「挨拶が後になってゴメンね。私はモエ。確かエリシオも回復魔法が使えるんだよね?」

「うん。最上級回復魔法(エクストラヒール)が使えるよ」

「じゃあ、ハルたちを手伝ってあげて」

指示を貰い、エリシオは重傷者の治療に向かう。

使い魔を4体も連れている彼に驚き、神官たちが二度見する。

「ルシエたちは従魔部屋(ファミリアルーム)で待機してて」

無駄に目立つ事に気付き、エリシオは使い魔たちを自身が作り出す異空間に移動させた。

そこでも魔力の供給は継続されるので、ルシエも問題無く過ごせる。


重傷者の治療ペースは、エリシオが加わった途端一気に早くなった。

「え?! もう治った?!」

「はやっ!」

他のメンバーの治療速度も秒単位で遅いわけではないが、3秒で四肢の欠損を再生させるエリシオの治療ペースに驚く。

「魔力回復ポーション、いる?」

「大丈夫、魔力譲渡(イムパート)を余裕で使えるくらいだよ」

「君の魔力は一体どうなってるんだろうね?」

念の為聞くクロスケが、エリシオの返事にツッコミを入れて苦笑した。


運ばれてくる負傷者は、後半になると生き埋めになっていた重傷者が多くなった。

この場で最上級回復魔法(エクストラヒール)が使えるのは大神官ペリアル・ハル・エリシオの3人だけなので、傷病者振り分け(トリアージ)して治療してゆく。

中でも治療速度が最速のエリシオには心肺停止など一刻を争う負傷者が回ってくる。

(重傷者も範囲回復出来たらいいのに)

もどかしさを感じるエリシオ。

この世界(アーシア)には範囲回復魔法(エリアヒール)はあるが、それは内臓損傷や四肢の欠損までは治せなかった。

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