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10:ようやく仕事が決まった

 出来損ないメイド二人にとんでもなく困らされることになった俺だが、そんな中で一つだけ吉報があった。


 ずっと探していた仕事がようやく見つかったのである。ちょっとした縁があり、とある騎士――ヘイズという青年と知り合い、騎士団の見習いとして働かせてもらえることになったのだ。


 ヘイズとの出会いは大したものではない。全然仕事が見つからない上にメイドが役立たずを通り越して面倒ばかり起こすものだから、自棄になってふらりと立ち寄った酒場で、なんだかんだあって意気投合したのである。酔っ払って詳しいことはよく覚えていないのだが。


 そしてその場で、『騎士団に入らないか?』とお誘いを受けたと思う。それで俺も酔った勢いですんなり了解したのだが、酒が抜けて我に返ってから随分慌てたものだ。


「こんな俺みたいなヒョロガリの男に騎士見習いが務まるんですか」


「働きながら鍛えていけばいいだけさ。最初は掃除であったり飯炊きが主だからね。そのうち腕を磨いて力になってくれればいい」


 俺は不安だったが、ヘイズがそう言うならなんとかなるだろう。

 そうして俺は騎士団見習いになったわけである。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「ウィルド様がお仕事決まった記念にパーティーしましょー!」


「調子いいわね。ま、まあ、ご主人様がどうしてもって言うならやってあげないこともないけど?」


 そしてその報告をしたら、これだ。

 俺は正直ものすごく嫌だった。パーティーなんてしたらめちゃくちゃなことになるに決まっている。しかしアリサもパレクシアも俺の就職を祝いたいらしく、その気持ちを無碍にすることもできずに頼んでしまった。


「ぎゃ――、ケーキが丸焦げよっ! アリサ、なんとかなさい!」

「アリサだって知りませんよぅ〜。あっ、こっちも大変です!」


 厨房から聞こえて来る悲鳴は、聞かなかったことにしよう。


「ケーキできましたよ〜!」

「べ、別に、作り直したけど今度は生クリームで失敗したとかじゃないんだからっ。見なさいこのトッピングのセンス! うまく作ってやったわ! ありがたくいただきなさい」


 そしてドロドロに溶けたもはや何なのかわからない物体は、美味しいご馳走と思い込んで食べさせていただくとしようか……。

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