過去と日常
世界は天と地とその間の3つ
私は天の者、天使
半分黒い翼の天使
私は彼も彼の家族も愛していたのに
何もできなかった
早く止めなければ
アイツを弟を止めるために
地へ向かわねば
「あなたのそばに・・・」
俺と同じくらいの男の子が雪の中現れた
初めは意味わかんないし邪魔だったから無視しといた。
今の俺にはなんも見えない。見えても白黒だ。
風のふく高い崖
ここから落ちたら
「会えるかな?」
家族は皆、あの子は分からないけどもういないはずだ。
そう考えながら風に身をまかせた。
つい最近、俺の父さんも母さんも死んだ。
妹の姿はなく俺も頭を殴られた。
その時見たんだ、赤く染まって立っていた
大好きだったあの男を
恨む気力もない
そう考えながら落ちたのに俺は目を覚ました。
「なんで!?なんで、お前がいるんだ!?」
「命を捨てるな。その命は普通に生きられる命のはずだろ」
あの男の子に叱られた。
というか、すごい高さなのにどうやって俺を・・・
「ったく、危なっかしい」
「どっちがだ。お前俺に何のようなんだよ」
「ある人に頼まれたんです。貴方が一人になったとき傍に居るように、と」
「誰だよ。それ」
「貴方の父親の古き友人様?」
「疑問で返すな。・・・ついてくるのか?」
「はい!」
「・・・しゃーない。許す」
「ありがとうございます!僕、ライトです」
雰囲気はさっきとはまるっきり変わっていた
「俺、カルト。よろしく。でさ、お前って」
どうやって自分を受け止めたんだ?
「さすが、気付きますね。
僕は月の子 魔法の子 天使の子
どれも当てはまる、人外です」
「人外?どういう、ひっ」
気づけばコイツの指はナイフのような指になっていた
「一つはこれ。あとこういうことです」
そして、瞬きをした間に姿を変えた。
人形?あのクリスマスのヒトガタクッキーみたいな形の
「ここ、やぶれてる」
「大丈夫。普通の時には支障がないですから」
そういうのはどうでもいい。見苦しい
「俺が落ちつかない。直させろ」
「ありがとうございます」
そのまま俺は家にもって帰った
それが10年前の話
現在は
「おつかれでした。・・・あ」
またライト出てる
「あら?このお人形、またうちの子が引っ張り出したのかしら」
「大丈夫、大丈夫です。アハハ」
「そう?やぶれてるみたいだけど・・・」
「自分直せるので大丈夫です」
「男の子なのに手芸ができるなんて・・・モテるかもよ?」
「ねらってないです。失礼します」
「じゃーねー」
リーダーとは無駄に話が長くなるのですぐに切らなければならない。
今俺は小さな小屋が仕事場のある意味何でも屋に雇われそこにいる。
ライトは人形の姿で持ち歩いているが
「ライト」
「はい、なんでしょう」
静かに人の姿で出てきた
「いつも言ってるだろ。ちゃんとバックに戻っとけ」
「すみません」
「うたがわれるスーが可哀想だろ?」
「はい、」
ライトは暇らしく仕事の間に猫とたわむれている。
それは気にしてはいないのだが、早く戻っとけという話だ。変な疑いが出てくる。歩く人形なんて世間的にはヤバイはずだ。
「今回の人。家族を奪われただって」
「どうしたんですか?」
「それでもうしないように忠告してほしいと」
「まぁ、恨みに恨み相手の滅びを望んでいるカルトさんとは大違い」
確かにアレに対しては恨みに満ち溢れている。
「うるさい。とにかくこの手の話は俺が担当だからな」
「暴力、口止め、脅しですね」
「一つはお前がいるからだ。歩くお人形さーん」
「・・・またキレて半殺しにしないでくださいよ?」
「しない気はない。明日また会うから頼んだよ」
「了解です。それより今日の晩ご飯は」
「ガキめ」
「失礼な」
あの頃の俺はライトのこんなところに救われてたのかもしれない。俺がなくした心のパーツをコイツは俺にくれた。
「明日さ・・・」
「はい?」
「なんでもない、おやすみな」
「おやすみなさい」
これが俺らの一日。
一日が終わり辺りが静まるとあの日が今でもよみがえる。
その度に思う。
アイツを、エリックに復讐をと