チロさんの日常 ⑥
「くんくん、くんくん。チロ、ちょっとくさいぞ」
クゥ〜ン?
「前はいつシャンプーしてもらったんだ?」
「五月様、お風呂沸きましたですよ」
「ん。よし、一緒に入ろうか?」
「な、何を五月様、お、おっしゃるのですかっ!」
「うぁ? チロと一緒に入っちゃだめなのか?」
「あ……」
「何をそんなに慌ててる」
「いえ、なんでも。お天気で気温も上がるそうなので、チロさんは明日シャンプーしようと思っております」
「んー、そうか……」
「チロさんはドライヤーが苦手なのでございます」
「ん。掃除機と同じような音だから、なぁ? チロ」
クン。
「シャンプー、今夜だっていいじゃん」
「生渇きで寝たら、チロさんが風邪引いてしまいます。昼間ならちょっとのドライヤーで、あとは日向ぼっこで自然乾燥できるのでございます」
「うーん、なるほど……」
「明日、五月様がシャンプーしてあげてくださいまし」
「一緒に湯船に入りたいのっ!」
「ダメでございますっ!」
「ぶー。チロ、ダメだってさ」
キュウ〜ン……。
「仕方ない。一人で寂しく入ってこよう」
ー深夜ー
テッテッテッテ……ごそごそ。
「う〜ん、チロ……くさい。メイドの部屋へ行っといで」
テッテッテッテ、テッテッテッテ……ごそごそ。
「う、あ〜ん……くちゃい。チロさん、ご自分のお布団で寝てくださいませ」
テッテッテッテ……ごそごそ、ごそごそ。
ごそごそ、ファ〜ン、クン……。
チロさん、大きなあくびを一つ、寂しい夜です。
明日シャンプーしてもらったら、また一緒に寝てもらえますよ。
こうして五月先生とめいとさん、チロさんの日常は、おかしくも楽しく、穏やかに過ぎてゆくのでした。
おしまい。
これにて『五月とメイド〜3rdシーズン・ワンコと一緒〜』完結でございます。まだまだワンコとのエピソードはありますが、一年の区切りで閉幕いたします。
実際のチロは、四歳で男の子二匹を産みました。
お母さんチロの様子や、日々楽しませてもらったことなど、機会があれば、番外編でお話しできるといいなと思っております。
最終話までお読みくださいましたこと深く感謝いたします。ありがとうございました。 五月乃月




