チロさんの日常 ①
五月家で一番の早起きはチロさんです。
キュイ〜ン……。
めいとさんのほっぺたに鼻先を押し付けて、ご飯の催促をします。
「う〜んチロさん、お鼻冷たいです」
キュイ〜ン、グイッ!
「わかりましたわかりました、起きますです」
キュイ〜ン……。
めいとさん、お味噌汁用の片手鍋にお水を注ぎ、火にかけます。
沸くまでの間にチロさんの朝ごはんを用意し、チロさんが食べている間に顔を洗います。
「今朝のお味噌汁は何にしましょうか。オーショドッキュシュにおネギとお豆腐、わかめにしましょうか」
お湯が沸いた頃、チロさんは朝食を終えます。
次に、雨戸を開けて欲しいと催促します。
「あいあい。今日はお天気ですかね」
ゴトン、ガラガラガラ……ガタンッ!
南向きのガラス戸に、朝日の光が斜めに入ります。
チロさん、その陽だまりの中に寝そべります。
ペロペロ、ペロペロ……。
前足をおしゃぶりして、顔も洗います。
目を細めて太陽に向かっているうちに、うたた寝してしまいます。
「チロさん、食べてすぐ寝ると牛になりますですよ」
炊飯器のタイマーでご飯が炊き上がり、お味噌汁が出来る頃、五月先生が起きてきます。
「おはようチロって、寝てるのか……」
「おはようございます五月様、毎朝同じセリフです」
「いいじゃないか、あれがチロへの挨拶さ」
「タラコと明太子とどちらがよろしいですか?」
「んー、タラコ」
「焼きますか?」
「んー、生」
こんな感じで、五月家の一日は始まります。




