甘えん坊ワンコ ④
「それは面白いですね」
「そうですか、ははは……」
おや、居間では五月先生とオオムラさんの大きな笑い声がします。
めいとさん、お茶のおかわりを持っていきました。
「随分盛り上がってらっしゃいましたね」
「五月先生にお願いしたい新しい連載を思いつきまして……」
「れ、連載でございますか? それはようございます」
「え、えぇ……」
「どんな内容なのですか? 何を書かれるんですか?」
「メイド、はしゃぎ過ぎ」
「こ、これは失礼いたしました」
テッテッテッテ……ちょこん。
チロさん、またオオムラさんの膝に収まりました。
「ホントに甘えん坊ですね」
「チロさん、ダメでございますよ」
「かまいません。うちの犬は家内にばかり懐いて、僕にはあまり寄ってきてくれないんです。だから嬉しいな」
チロさん、オオムラさんに撫でてもらって満足そうです。
「そろそろ失礼します。また来月伺いますので。その前に企画についての詳細はメールでご連絡差し上げます」
「また来てくださるんですか? 勉強しますから、次はデータ送信しますよ」
そうなんです。
五月先生、そっち方面はちょっと疎いのです。
以前何度やっても送れずに、オオムラさんと電話でやり取りをしながら、やっとのことで送ったことがあったのです。
ですから、今日、オオムラさんが受け取りに来てくださったということです。
「いえ、またチワワちゃんにも会いたいですし」
「そうですか、ではお願いします」
「メイドさん、美味しい紅茶、ごちそうさまでした」
「いえ、こちらこそありがとうございました」
「また来るね」
オオムラさん、チロさんと別れ難い様子で帰っていかれました。
「チロさん、オオムラさんにたくさん甘えてくださいませね。次のお持たせ何だろなぁ〜」
「おいおい……」




