甘えん坊ワンコ ②
ピンポーン……。
「五月様、いらっしゃったみたいでございますよ」
「早くチェックして!」
「はい、はい」
ピンポーン……。
「まる丸出版のオオムラです」
「はーい、ただいま。ちょっとお待ちを」
近頃では、だいたい原稿はメールや保存データでのやり取りが普通です。
それを、編集さんがわざわざ受け取りに来てくださいました。
キューン、キューン……。
尻尾を振って、チロさんもお出迎えです。
「おや、チワワですね」
「最近飼い始めまして。犬は大丈夫ですか?」
「ええ。家内が好きで、うちでも飼っていますから」
五月先生、オオムラさんを居間にお通しします。
テッテッテッテ……。
チロさん、おふたりの後をついて行きます。
五月先生、お客様用のふかふかのソファー……この家にはそんな物ありません。
お客様用の座布団をすすめました。
「これ、つまらないものですが」
「これは、恐縮です」
「いらっしゃいませ」
めいとさん、正座をして三つ指ついてのご挨拶です。
「うちのメイドです。メイド、これ、いただいたぞ」
めいとさん、包みを受け取って台所へ戻りました。
チロさん、めいとさんの後を……あれ?
ついて行かない……。
ガサガサ、ガサガサ……。
〈お持たせ、何でしょねぇ〜。わお、バムクーフェンです。これは、ホワイトチョコがコーチングしてある、今、一番人気のお店のです〉
めいとさん、用意していた飲み物のうち、紅茶を出すことにしました。




