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鳴かないワンコ ⑤

「チーぃちゃん。今日はピンクの水玉シュシュですよ」


 今日も今日とてめいとさん、チロさんのお散歩の練習です。

 チロさん、シュシュを首に着けられたとたんに固まりました。


「はぁ〜、だめですか? 歩きませんか?」


 チロさん、目尻を下げて首を垂れて、なんとも不憫なお姿です。


「そのびらびらが嫌なのだろう」

「五月様、びらびらではございませ……」

「うっとうしいんだよ。びらびらが」

「そうなのでしょうか……」

「いっそ、ホントの首輪着けてみたらどうだ?」

「でも……このシュシュがかわいいのです……」

「シュシュ着けて散歩するわけじゃないだろ」

「あい……」


 ということで、めいとさん、しまってあった首輪を出してきました。


「チロさん、ちょっと重いかもしれませんが、我慢して慣れてくださいましね」

「あ、そんな柄だったっけ」


 赤いチェックがベースで、縦糸横糸にピンク、水色、黄色のラインが入っています。

 ペットショップで初めてチロさんと会った時、一目惚れして一緒に買ったのです。

 リードもお揃い。

 あの時点でめいとさん、すでにお散歩のイメージが強くあったと思われます。

 首輪にはリボンを付けて、リードを引きながら優雅に歩いているチロさんと自分を想像していたのでしょう。

 それが、実際にはこれです。


「やっぱり動きません……」

「そりゃそうだろ」

「ふぇ〜ん」

「ほい、今日はこれまでだ。外してやれ」


 チロさん、首輪を外したとたんに骨型のおもちゃへ一直線に駆け出しました。


 ガシガシガシ、フガフガ……。

 ガシガシガシ、フガフガ……。


「はい、ストレス発散」


 チロさんのお散歩デビュー、どうなりますやら。

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