おもちゃきらい ⑥
「今日こそチーちゃんとおもちゃで遊びます!」
「いいかげんもう諦めろ。好きにさせてやれ」
「そうはゆきません!」
「ストレスで、また入院になるぞ」
「大丈夫でございます」
「頑固だな」
ホント、めいとさん、ちょっと意地になってます。
チロさん、前足をペロペロ舐めて、これはおねむのサインなんですよ。
パタパタパタ、フリフリフリ……。
チリチリチリン、チリチリチリン……。
「思うに、その鈴の音がイヤみたいだぞ」
「そうでございますか? じゃあ、こっちだけで」
パタパタパタ、フリフリフリ……。
「ほらほらチロちゃん、ねっこじゃらしぃ〜」
タッタッタッタ……。
「あ〜ん、逃げました」
「どっちもイヤみたいだな」
「どこ行きました?」
「あっち」
「あん、五月様のお部屋には入ってはいけませんよ」
「いつも入ってるけどな。ついたてもないし」
「じゃあ、五月様のお部屋で遊びましょう」
パタパタパタ、フリフリフリ……。
ホリホリホリ、ホリホリホリ……。
ホリホリホリ、ホリホリホリ……。
チロさん、めいとさんに見向きもせず、五月先生のソファーを一心不乱に掘ってます。
ホリホリホリ、ホリホリホリ……。
「これは何をしているのですか?」
「巣作りだろ」
「巣作り?」
「土を掘ってくぼみを作り、そこで寝る習性があるらしい。ソファーの柔らかさが土の感触に似ているんだろ」
ホリホリホリ、ホリホリホリ……。
コテッ!
「ほら寝た」
「おもちゃ、もうあきらめます」
「それがいいな」




