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おもちゃきらい ④
五月先生、ホームセンターで木の板と、それを立てかける足を買ってきました。
ついたてを作り、お台所とお風呂の入口に置きました。
おトイレ以外に出られないように、玄関にも置きました。
「さ、これであちこち動き回らなくなるかな」
「そうでございますねって、チロさん、どこ行きました?」
「あそこ……」
「隙間から無理矢理……」
「ま、気長に教えるんだな」
めいとさん、空の牛乳パックを横にして、ついたての下の隙間をふさぎました。
チロさんは居間と廊下とおトイレ、あと五月先生のお部屋にしか行けないようになりました。
「さ、チロさん、遊びましょ」
パタパタパタ、フリフリフリ……。
パタパタパタ、フリフリフリ……。
猫じゃらしです。
チロさん、寄って来ました。
「ほらほら、面白そうでございましょ?」
パタパタパタ、フリフリフリ……。
チロさん、先端のふさふさのにおいを嗅ぎました。
プイッ!
あ、そっぽ向いた。
「やっぱり、犬は猫じゃらしでは遊ばないのでしょうか……じゃあ、これは?」
チリチリチリン……。
鈴入りトマトです。
タッ!
あ、逃げた。
めいとさん、追いかけます。
チリチリチリン、チリチリチリン……。
チロさん、逃げ続きます。
どうやらチロさん、鈴の音がお嫌いみたいですよ。




