ワンコ飼いたい ②
めいとさんはお買い物、五月先生は執筆に励んでいます。
「んーっと、猫と犬だとどっちが話続くかなぁ……。んー、うさぎでもいいかなぁ」
ほよ、五月先生、何か動物を登場させるおつもりなのでしょうか。
主人公のペットでしょうか。
「そうだ、この間メイドが犬の雑誌見てたな」
ガサゴソ、ガサゴソ……。
「お、あった。『ワンコのひとみ』ねえ」
ペラペラ、ペラペラ……。
「らっしゃい、メイドさん」
「こんにちは……」
「え、今日は野菜いいの?」
「はい……」
おや珍しい。
めいとさん、八百屋さんを素通りです。
「ねえあんた、今日のメイドさんおかしくないかい?」
「五月先生と喧嘩でもしたんじゃねえか?」
「なんかふらふら歩いて、心ここにあらずって感じね。大丈夫かしら……」
キャンキャン……。
「あ、ダッシュした!」
「メイドさん、犬についてっちゃったよ」
ペラペラ、ペラペラ……。
「ところで、こんな雑誌どこで仕入れたんだろう。もしかしてあいつ……犬が飼いたいのか?」
うっ、五月先生鋭い。
「でもなぁ、世話も散歩も、う◯ちのマナーも大変だって言ったのはあいつだしなぁ」
五月先生、可愛らしさには、大変さなんて吹っ飛んじゃうんですよ、きっと。
めいとさんが言い出したら、許してあげてくださいね。