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第一章 狐子



一.



 一人の少女が、簾子すのこを歩いていた。

 歳は十くらいだろうか。だが、歳に似合わぬ程色気のある顔立ちをしている。流し目の、涼しげな蜜色の瞳。薄い唇。白い雪のような肌。その肌の色にあらがうかの様に、頬は常にうっすらとかわいらしく桃色に染まっている。彼女の肩まで伸ばされた黒い髪がなびく度、辺りに花の様な心地よい香りが漂った。

 少女の美しさは、その辺のやんごとない姫君にも引けをとらぬ程だ。しかし、彼女の着ている服は男物の淡い浅葱あさぎ水干すいかんである。

 驚いたことに、少女は生まれた時から男として育てられたのだった。その名を、安倍童子あべどうじといった。

 ふと、童子は足を止めた。目だけを動かし、辺りを見渡す。

 渡殿わたどのの隅に、人のような、だが人とは言えないような、奇妙な生き物がいる。

 童子は驚かなかった。童子自身、その様な生き物を見るのは初めてではなかった。童子は、瞬きもせず、食い入るようにそれを見つめていた。

「貴様は誰だ?」

 童子がたずねる。

 生き物はその質問に答えずに、ただ々童子を見つめ返していた。童子には、その生き物が薄ら笑いを浮かべたように見えた。

「誰だといている」

 彼女はそれに苛立ったのか、少し凄みを帯びた口調でまた訊ねた――その時。

「おい、童子!」

「先から誰と話しているのだ?」

 背後から、子供の声が聞こえた。

 振り返ると、そこには二、三人の少年達がいた。皆、童子と同じくらいの歳で、安倍家に仕えている家来や女房の子供だった。彼らはいつも何かにつけては童子を苛めていた。

――どうせまた俺に悪さをしに来たのだろうな。

 童子は子供達を冷ややかな目で睨むと、後ろにいる生き物を背中で隠した。

「別に、誰とも話してはおらぬ。もし話していたとしても、貴様らに教えた所で何の意味がある」

「何?」

「狐の癖に生意気な」

 子供達の中でも一際体の大きな少年が、童子の胸倉を掴んだ。

 それでもなお、童子は涼しげな顔をしている。それに一層腹を立てたのか、彼は童子の頬を殴りつけた。

「……っ」

 童子は痛みに顔を顰めた。彼女の白い肌がうっすらと赤く腫れる。

 だが、自分の事より先程の生き物が気になり、童子は後ろに振り向いた。生き物がこの喧嘩に巻き込まれたら大変だと思ったのだ。                  

 ところが、彼女の目線の先には誰もいなかった。

――さっきは確かに居たのに……。

 童子はその端正たんせいな眉をひそめた。

余所見よそみをするな!」

 少年の拳がまた、童子の頬に迫ってきた。

「!」

 きたるべき衝撃に備え、目を強くつむる。

 ふわりと、身体が浮いた気がした。



「――?」

 不思議に思った童子は、ゆっくりと目を開いた。

「父上」

 呟くように、呼ぶ。

「すまぬ……」

 保名やすなは、童子が苛められるのを見る度、すぐに助け出した。そして決まって、童子に謝罪するのだ。

 まるで何かを懺悔ざんげするかのように。

「謝らないで下さい。父上は何も悪くありません」

「なれど!」

「俺が悪いのです。まともな人間ならば俺のような者をみ嫌うのも同然。それに今回は、俺が 一方的に挑発しただけです。父上が謝ることはありません」

 童子の口調は、とても優しいものだった。

 保名は、一瞬戸惑ったような表情を浮かべた。

が、瞬時に作った様な笑顔を浮かべ、「有難ありがとう」と呟いた。

「貴様には苦労を掛ける。もっと俺がしっかりしていれば、お前も葛の葉も幸せになれただろうに」

 そこで言葉を切った保名は、悲しげな顔をしてうつむいた。

「父上?」

 童子の声に、保名は、はっと息を呑み、顔を上げた。

「と、ところで先程お前を苛めていた子供達は何処だ? 大事な童子の顔に傷を作りおって。今日こそはたっぷりおきゅうをすえてやらねば」

 保名は慌てて話題を変えた。

――隠し事でもしておるのか?

 童子は保名の言動を怪しく思い、保名を見つめた。

「どうした?」

 保名の優しい瞳が、童子を見つめ返す。

――恐らく俺のための隠し事なのだろう。

 訊かぬほうが良いやもしれぬ。童子はそう思い直した。

「否、何でもございませぬ」

 童子は辺りを見渡し、子供達をさがした。

 先程までいた筈の子供達は忽然こつぜんと姿を消している。

「逃げられましたね」

 童子が保名に顔を向ける。

「……ああ」

 保名は神妙しんみょうな面持ちで頷いた。

「父上は怒ったら鬼のように恐ろしいですからね。正直、俺も父上が怖いです」

 童子の聞き捨てならぬ言葉に、保名は目を丸くした。

「何? そうなのか」

「ええ。思い出しただけでぞっとします」

「……」

 保名はがっくりと肩を落とした。

――笑ったり落ち込んだりと、忙しいお人だ。

 童子は微かに微笑んだ。

 保名は、器量は大して良くないが、男女問わず好かれている。

 勿論もちろん、童子も例外ではない。

 狐の子だとうとまれている自分に、限りない愛情を注いでくれる。

 そんな父親が童子は好きだった。その理由が、改めて分かった気がした。

「父上、冗談ですよ」

 童子が言う。

 父の落ち込んでいる姿を見ているのは、さすがに居たたまれない。

「え?」

 保名は俯いていた顔をあげ、童子を見た。

「ですから、冗談です」

 童子はふわり微笑んで保名を見下ろした。

 保名は、はっと息を呑み、顔を赤くした。

「っ……童子!」

保名は恥ずかしくなったのか、童子をとがめる様に怒鳴った。



二. 



「女房達の子が童子を苛めているですって!」

 屋敷中に女の悲鳴のような声が響いた。

 その声の主は、向かい側に座っている男――保名を睨み付けた。

 女は、美しかった。

 濡れたような漆黒の瞳。

 背中まで伸びた艶の良い御髪おぐし

 ふくよかな頬に白い肌。

 この時代の女性なら誰もが憧れる美人要素を全て持っているといっても良い。まさに当時の絶世の美女であった。

 名を、くずの葉といった。

 葛の葉は外見に似合わぬ高飛車たかびしゃな態度で保名に意見した。

「そんなもの、童子が悪いにきまっています。あの子は時折、子供の癖にやけに大人びた、しゃくさわる態度をとる時がありますもの。それに……童子は狐の子供ではありませんか。女房達の噂では妖術のようなものを使えるとか。そんな気味の悪い子供なんて、誰からも嫌われて当然ですわ」

「葛の葉! 何度も言っておるだろう。童子は、信太しのだ神が仕向けた女狐が俺達の為に授けてくださった子なのだ。大切に育てねばならぬ」

 そう咎める保名の言葉には微かな怒りがこもっていた。

 だが葛の葉は動じなかった。それどころか、癇癪かんしゃくを起こし始めた。

「でも私の気持ちも考えてくださりませ! 貴方様にとっては実の息子なのでしょうが、私にとってはあの子は他人です! しかもよりによって、私に化けた狐が産んだ子を育てるなんて……、たとえ保名様の頼みでも私にはできません!」

 そこまで一気にま捲くし立てると、葛の葉は床に伏し、おんおんと声を上げてむせび泣いた。


 保名は今まで葛の葉をとても大切にしてきた。その寵愛ちょうあいぶりはすさまじいもので、葛の葉以外の妻をめとろうとはしない程であった。葛の葉は困る反面嬉しかった。夫が幾人いくにんもの妻を持つのが当たり前のこの時代、保名は自分だけを愛してくれている。それがとても嬉しかった。

 ところが、病気がちだった葛の葉が里帰りをしている間、妻の為に信太神に三十七日間の祈願をしていた保名は、彼女に化けた女狐と子供を作ってしまったのだ。葛の葉はそれが悔しくてならなかった。

 たとえその女狐が、保名の願いを聞き届けた信太神の使いだとしても。その女狐が、狩人から助けてもらった保名に恩返しをしたい一心だったとしても。

 しかも未だに保名は女狐の事を想っているのだ。その証拠に、女狐に良く似た雰囲気を持つという童子を溺愛している。

 童子が生まれてからも、葛の葉に注ぐ愛情は変わらなかったが、彼女は気づいていた。自分を見つめる保名の目が昔とは違うことに。その目が、正妻である自分ではなく、あの女狐を映している事に。

 それはいつもどんな時も、夜を共にしている時でさえも、変わらなかった。

 童子を見る度、胸の中に負の感情が渦巻くようになった。

――あの子さえいなければ、私はこのような思いをせずに済んだのに。

 その感情はいつしか、憎しみへと変わった。

 葛の葉は、保名に童子を養子にやるように頼むようになった。保名はその度、童子は大切に育てねばならぬ子なのだと葛の葉に言い聞かせていたのだが。


「わかった。お前の言いたい事は良くわかった。だからもう泣くな」

保名はむせび泣く妻を抱きしめ、深くため息をついた。


 

三.



 屋敷の中を、安倍童子は走っていた。

 走る度、ぽたぽたと床に涙が零れるのがわかった。

 だが、童子はそれを拭おうともせず、只静かに泣きながら走っていた。

 偶然だった。父とはは義母の言い争いを聞いてしまったのは。

 前から義母が自分の事を嫌っているとは薄々感づいてはいたが、実際耳にすると予想以上に辛かった。それに、父や義母が自分の所為せいで苦しんでいるのだと思うと居た堪れなかった。

 やがて童子は自分の寝屋ねやの前で足を止めた。

 中に入り、懐からぼろぼろになった薄い紙のようなものを取り出した。どうやらそれは障子の切れ端らしい。何やら文字が書いてある。童子は、静かに読み上げ始めた。

――恋しくば 尋ね来て見よ いずみ和泉なる しのだ信太の森の うらみくず葛の葉

 童子から発せられる声は、まるで笛の音のように澄んでいて、とても美しかった。

 和歌を詠み終えた童子は目をつむ瞑り、反響する声に耳を傾けた。

 まぶたの下に、遠い日の記憶がよみがえる。

 母に別れを告げられた日。あの日、母は泣きながら障子に和歌を書き連ねていた。その時の、悲痛な彼女の面持ちが、今も頭にこびり付いている。

 その後、和歌に従い父と共に信太の森を訪ねた時、母は狐の姿に戻っていた。だが、母が童子を見る目は人間だった時と変わらず、暖かい慈愛じあいに満ちていた。

 あの頃、自分は幸せだった。それが思い出となった今でも、心からそう思える。まだ遠い未来で訪れる災難を知らず、父からも母からも必要とされていたのだから。

――でも今は違う。

 童子は目を開き、口元に自嘲じちょう的な笑みを浮かべた。

 先程見た光景が頭に浮かぶ。涙を流しながら怒鳴る義母。そんな義母を抱きしめ、深いため息をつく父。

 前からずっと考えてはいた。

 でも、口にするのが怖かった。それは自分の存在を否定してしまうような、とても悲しい言葉だから。

「母上……、俺はここにいてもいいのでしょうか? 人を悲しませる存在でしかない俺に、生きている価値はあるのでしょうか?」

 童子の問いに答えてくれる者は誰もらず、ただむなしく部屋に響くだけだった。

 


四.



 翌日。仕事から戻った保名は屋敷の庭で呆然ぼうぜんと立ちつくしていた。

――これは、悪い夢なのでは?

 そう思う程に、彼の前に広がる光景は恐ろしいものだった。

 地面には子供達が血まみれで倒れている。

 意識はあるらしく、折れて不自然な方向に向いている手や足を押さえて「痛い、痛い」とうめいていた。

 親である女房や家来はどうにかしてあげたいと思うのだが、気が動転している為か、どうする事もできずに渡殿の上でおろおろしている。お抱えの医師もこのようなさんじ惨事は始めてなのだろう。親達と一緒に簾子縁すのこえんの上で立ち尽くしたまま呆然と動かずにいた。

 そんな彼らに囲まれるようにして、童子は立っていた。

 身に着けている浅葱色の水干は、血で赤く染まっている。桃色をした頬からは血の気が失せて、いつも驚くほど白い肌が更に白くなってしまっていた。鋭い蜜色の目は大きく見開かれ、ぎらぎらと闇夜の中で不気味に光っている。

 童子は、その華奢な身体をがたがたと震わせながら、赤く染まった自分の手を見つめていた。

「童子」

 彼女の姿にたまらなくなった保名は声をかけた。

 びくりと、童子の身体が震えた。

 保名は、童子の方に足を踏み出した。段々、二人の距離が近づいてゆく。

 だが――

「来ないで下さい!」

 保名の足が、止まった。

 童子は保名に向けて、右手をかざしていた。血にまみれた、子供達に傷を負わせたであろう手を。

 その手からは青い微かな光が放たれている。

「俺は、今すぐ此処ここで死にます」

 瞬間、辺りに緊迫きんぱくした空気が流れる。その場にいる全員が、息をんで親子に注目していた。

「なぜだ」

 構わず保名は再び歩み始めた。ひるんだ童子はニ・三歩後退あとずさった。右手は保名に向けたままだ。

「俺はもう普通の人間ではないのです! 現に刀も何も使わずに、人にケガをさせてしまった。以前から妖怪のようなものも見える! それに、父上も知っているでしょう? 俺が狐の子だという事を。俺のような化け物は、父上やはは義母上と共に暮らす資格など無いのだ。その証拠に、今まで屋敷の者達に蔑ろにされてきた。父上や義母上にも悲しい思いをさせてしまった。そのようなありとあらゆる人間にとって忌むべき存在の俺に、これ以上生きる価値など何所にある?」

 叫ぶような童子の訴えに、後ろめたさからか、女房達は目を背けた。

 童子の言っている事が的を射ていたからだ。彼らもまた、童子の存在をんでいた。

 しかし、保名は違った。

「お前の母が狐? ああ、知っておるとも。だがそれが何だ」

「!」

 童子は予想外の答えに狼狽ろうばいした。保名はその隙に童子を優しく抱きしめた。すると、童子の手から光が消えた。

「たとえ何であろうとも、童子は童子だ。俺の大切な息子であることに変わりはない。お前は俺に問うたな。生きる価値など何所どこにあると。ならば逆に問おう。お前に死ぬ価値など何所にある?」

 段々と、童子を抱きしめる手に力が込められる。

「良いか、童子。誰かが必要としている限り、人は勝手に死んではならぬ。人が本当に死ぬ時は、誰からも必要とされなくなった時なのだ。ならばお前の生きる価値はちゃんとあるではないか。この保名が居るだろう。俺にはお前が必要なのだ。だから――」

 保名は顔を上げ、女房や家来達を睨み付けた。

「お前には生きる価値がある。誰がなんと言おうとも、俺がお前を死なせはせぬ!」

 保名の迫力に、女房達は、「ひぃっ!」と悲鳴をあげた。中には、気絶してしまう者や失禁してしまう者もいた。

 元々、安倍家は陰陽師おんみょうじの血筋だったといわれている。 

 今、彼の放った言葉の中には強力な呪詛じゅそが含まれていた。愛息子の一大事に、彼の中に流れる陰陽師の血が騒いだのだろうか。

「ふん、良いむくいだ」

 保名は悪態をつくと、再び童子に目を向けた。

「……っ……」

 途端に童子の目から涙があふれた。

 童子は保名の狩衣かりぎぬに顔を埋め、しくしくと静かに泣き始めた。

「………ごめんなさい、父上。俺は、俺はとんでもないことを……っ!」

 普段の童子からは考えられない涙に、保名は少し動揺した。童子は実母と信太の森で別れて以来、保名の前でほとんど泣くことがなかったのだ。

だが、久しぶりに歳相応ないじらしい泣き姿を見て、不謹慎ふきんしんにも童子を愛おしく思ってしまうのだった。

「謝らずとも大丈夫だ。この様な事をしたのも何か訳があったのだろう? 案ずるな。俺は何があってもお前の味方だ」

 保名の励ましを受けて、童子はふわりと微笑んだ。

「父上、ありがとうございます」

 と同時に安心したのか、保名を掴む手が緩み、身体が揺らいだ。

「童子!」

 保名は慌てて童子を抱きとめた。

 彼女は、意識を手放していた。

「童子、童子!」

 保名が何度呼びかけても、童子は目を覚まさない。

 刹那、彼女の懐から汚れた紙の破片が大量に落ちた。

 それは、童子がいつも大事に持っていた実母が残した和歌であった。

 細かく破かれ、せっかくの和歌が詠めなくなっている。誰かに踏みつけられたのか、紙のあちこちが泥で汚れていた。

「これは」

 保名はその紙の一部を指で摘みあげた。様々な光景が頭を過ぎる。

 傷を負った子供達、血まみれの手を見つめる童子、そして――

「葛の葉」

 自然と口がその名を紡ぐ。

 昔、彼が愛したか弱い女狐の名を。

――なんというむごいことを!

 保名はこみ上げる怒りに震えた。

 彼は知っていた。童子がどれ程この和歌を大事にしていたのかを。辛い時や悲しい時、彼女がこの歌を詠んでは自分を慰めていることも。彼もまたそれを聴く度、女狐との日々を思い出し、涙を流していた。

 その和歌を女房の子供達が悪戯いたずらで破いてしまったのだ。恐らく童子の目の前で。それで童子はあのような凶行きょうこうおよんだのだろう。

 保名は拳を強く握り締めた。

 彼の周囲では、ようやく我に帰った医師達が子供達の治療に取り掛かっていた。しかし、誰も童子を治療しようとしない。それどころか、誰も近づこうとさえしないのだ。

 保名は、童子を抱き抱えたまま、自分の寝屋へ向かった。途中で葛の葉が半狂乱気味に童子を罵倒ばとうして来たが無視した。

――今まですまなかったな。童子。

 保名は愛し気に童子の前髪を掻き上げ、目じりに溜まった涙を拭ってやった。

 童子は、穏やかな顔で眠っていた。

――これ以上此奴こやつの悲しむ姿を見たくない。

 たとえ離れることになろうとも、それでこの子の笑顔を守れるなら。

 保名にもう、迷いはなかった。



五.



 その年の春。安倍家の屋敷に牛車ぎっしゃに乗った一人の陰陽師がたずねてきた。名を、賀茂忠行かものただゆきといった。

 帰りの牛車の中には忠行の他に小さな子供が一人乗っていた。蜜色の瞳と豊かな黒髪を持った、大変美しい少女だったという。







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