魔女として火炙りにされそうだったので、渾身の嘘をついた
「魔女あずさを、火炙りの刑に処す」
国王が私に重々しく言い渡した。
◇
私は、ある日突然、この世界に飛ばされて来た。
森の中で呆然としていたら、ひとりの男がヨロヨロとやって来て、私の足元に倒れた。男の服は破れたり鉤裂きだらけで、上等な生地が台無しだった。
「み、水を」
と言うので、たまたま持っていたペットボトルの蓋を開け、男に渡した。
男はぐびぐびと飲んだ後、やっと落ち着いたのか礼を言った。
それから聞きもしないのに、身の上を語り出した。
私は興味もなかったが、この先見知らぬ土地で生きていくとしたら、この男に縋るほかあるまいと思い、真面目な顔で長い話を聞いた。六割がたは愚痴であった。
男はミハイと名乗った。この国の双子の王子の一人で、片割れのヴァシレと王太子の座を争っているらしい。当人たちは仲が良いが、それぞれを推す貴族たちが命を狙ってくるというから物騒だ。
今日は鹿狩りで、ミハイは家臣に裏切られ、護衛からはぐれて森を彷徨っていたという。
「そんなに王になりたいもの?」
「いや、私は国を平和に治めてくれるなら、ヴァシレが王でも構わない」
そう言いながらも、貴族たちの意向は無視できないとか、ヴァシレには侯爵令嬢の婚約者がいて、自分には婚約者候補がいるだけで決まっていないとか、剣術は自分の方が得意だとか、国内で一番有力な貴族は自分を推しているとか、あれやこれや話が終わらない。
私は適当に相槌を打ちながら退屈な時間をやり過ごした。
「王子が命懸けで争っているような国が平和なわけないじゃない」
「私はヴァシレと争わなくて良いのだろうか」
「二人とも死んだら、自分が次の王になれると思ってる高位貴族もいるかもね」
「そ、それは」
と言ったきり、ミハイは黙り込んだ。思い当たることでもあったのか。
長い長い沈黙の後。
「私は間違っていたのだろうか。争うことが、王位に就くことが、応援してくれる者たちに応えることだと思っていた。そなたといると、今までの凝り固まった思考に風穴が空くようだ」
ミハイはなんだかすっきりした顔をしていた。
ちょっと! そんなに簡単にどこの誰とも知らない人間の言葉で納得して良いのかね? この男が王になったらさぞかし軽い神輿だろう、王にと望まれるのも分かるわ、と私は思った。
そうこうしているうちに、王子を探していた護衛たちがぞろぞろと現れ、城に帰ることになった。
ミハイは私を命の恩人だと紹介し、
「一緒に城に来てくれ。水と、話を聞いてもらった礼をしたい」
と言うので、私はついて行くことにした。
森に残ったところで、明日には野生動物の餌になっているかもしれないからだ。
城では最初、丁重にもてなされた。
風呂を用意され、キレイな衣装を与えられ、美味しい食事が供された。
でも、なんだか気づまりだ。親しくなれそうな人はいないし、メイドたちも私を腫れものに触るように扱う。
こんなことなら街中で住まうように手配してくれないだろうか。教会とかでも良い。私に王宮生活は分不相応だ。
しばらくして、私が遠巻きにされている理由を知った。
「ミハイ殿下に、透明な怪しい容器で水を飲ませたらしいの」
「あんな容器、見たことないわ。何でできているのか分からないのですって」
「その水に、殿下をたぶらかす成分でも入っていたのかも」
「やっぱり彼女が魔女というのは本当らしいわ」
「だって、あの黒髪だもの」
「本当に、黒猫ほどの黒さね」
メイドたちが、そんな話をしていた。私が近くにいるにもかかわらず、むしろ聞かせてやるとばかりに声を大きくした。
「不吉よね」
「嫌だわ、王宮に魔女だなんて」
こうなったらミハイ王子に言って、私を城から出してもらおう。
だが、王子への目通りは叶わなかった。
「ミハイ殿下は、王宮に魔女を入れた咎で、離宮に蟄居させられておいでです。あなたという魔女に関わったばかりに、御労しいことでございます」
メイドではなく、偉そうな侍女がわざわざ言いに来た。
「あなたも近いうちに処罰されるでしょう」
なんで!!
侍女は足音を立てて去っていった。
それからずっと私の周りでは、私という魔女を罵る言葉が渦巻いている。
魔女の証拠は二つ。黒髪と、この世界ではありえないペットボトル容器。ペットボトルはともかく、黒髪は平民にも普通にいるらしいのに、なぜ。
―ここ数年の作物の不作はあれのせいでは。
―水不足も、蝗害も、国境沿いの大規模な地滑りも、すべて魔女の仕業では、等々。
濡れ衣がひどい。
私は、ほんの一週間前にこの世界に来たというのに、あらゆる災害の原因とされて処刑されるらしい。
魔女なら火炙りで? 冗談じゃない。
向こうの世界に帰れないのだとしたら、百歩譲って死ぬのはいい。けれど、冤罪で理不尽に貶められて殺されるのは嫌だ。熱いのも、痛いのも、苦しいのも、嫌だ!
抗ってやる。どうしてもだめなら舌を噛み切ろう。無理かもしれないけど、それくらいの覚悟で臨もう。
◇
「魔女あずさ、来い」
私は、王族や貴族らしき者たちが居並ぶ広間に連行された。
玉座に座った男は、ミハイに似ていた。あれが王か。そして、王の後ろに立っているミハイに瓜二つの男が、双子のヴァシレなのだろう。私を憎々し気に睨んでいる。
「魔女あずさを、火炙りの刑に処す」
前置きは無し。罪状さえ読み上げることなく、ただ魔女であることを悪と断じて私に死刑を申し渡した。
「なぜ私を魔女と決めつけるのですか」
「あの透明な軽い瓶、この世界では未知の材質だ。作るには魔法以外考えられぬ。それにその漆黒の髪。平民にも黒髪はいるが、お前の髪はまるで黒猫のように艶があるではないか。それが何よりの証拠」
このツヤツヤで真っ黒な髪か。前世ではよく褒められたのに。
もう、どうでもいいや。異世界から来たと言おうと思ったけど、助かりたいがための妄言だと一笑に付されて終わるだろう。私が魔女だというのは覆らない。それならそう振る舞うまで。
「では魔女として火炙りにされる私から、魔女についてお話しましょう」
「何だ、命乞いか。それとも脅すつもりか。いいぞ、最期の言葉を聞いてやろう」
王が小馬鹿にしたように言った。
「いかにも、私は魔女です。
これまで私の仲間は、幾人も火炙りになりました。火炙りになった魔女の魂は、その後、炎と煙と共に天に昇ります。天国では天使どもに、お前の来るところではないと雲の上に落とされるので、雲の上から下界を観察し、生まれたばかりの赤子を見つけてその身体に入ります。親はそのことに気付きませんから、大事に育ててくれます。
選ぶ赤子は黒髪とは限りません。金の髪も茶の髪も、魔女が望めば何色でも良いのです。だって黒髪ばかりじゃ飽きるでしょう? 皆、何度も繰り返しますから、大抵の色は経験するのじゃないですかね。だから黒髪の魔女って、実は少数派なんですよ」
そう言って私は、身重の王妃と隣でふんぞり返る王を見た。
「年の離れた末っ子は、さぞかしお可愛らしいことでしょう。どんな髪色でしょうね。私、今度は薄い金色がいいかなって思っていたんです」
「我々の子に成り代わる気か。ふざけるな。だが、あいにく生まれるのはまだ先だ。お前などさっさと処刑してくれるわ」
「では、空の雲の上から、お誕生を見守らせていただきます。火炙りにされたところで、魔女は何度でも蘇ります。気の長い魔女は、何年でも、生れ落ちたい場所と親が見つかるまで待ち続けます」
国王夫妻が青ざめた。
「ついでに申し上げるなら、これまで魔女とされて火炙りにされた女性の大半は、魔女ではなくただの人間の女性だったと知っていますか。哀れなことですね」
王は顔色をなくして黙り込んだ。
「では火炙り以外だ! 断頭か縛り首、好きな方を選べ!」
後ろに立つヴァシレが叫んだ。
「死んだ魔女の身体から、血の一滴、体液の一筋なりと流れたら、そこから疫病が広がり、飢饉は全土に及ぶでしょう。魔女のその後ですか? ええ、天にこそ昇りませんが、魂が消えるわけではありませんから、地表をうろつくことになります。ゴースト? 失礼な。あんな考えなしで愚かな行動はしませんよ。魔女は恨みある者に、真っ直ぐ、全力で向かいます」
「恨みある者とは誰のことだ」
「ここにいる全員と、これまで我が同胞を虐げたすべての人間たちです」
「・・・どうすれば穏便に消えてくれるのだ」
王はとうとう馬鹿正直に私に訊ねた。
私は出まかせを語っているうちに、なんだか本当の魔女のつもりになっていた。
「消滅ですか? うーん、生きることに飽きたらでしょうかね。意識さえあれば、人の身体を乗っ取って復活が可能ですから」
会場の空気がどんどん重くなっていく。
「それは生まれたての子供ではなくても可能なのか」
「身体の乗っ取りができるかどうかですか」
「そうだ」
「できますけど、すでに出来上がった身体は使い勝手が悪いし、思考を上書きするのって面倒なんですよね。くだらない固定観念がじゃまだから」
ぐぬぅ。王が呻いた。
「では、こうしませんか。ひと思いに殺してしまえば、誰かの赤子として早々に復活してしまいますから、高い高い塔にでも幽閉してください。地面に近いと、大地からのエネルギーを受け取って動き回りたくなります。いかがです? 処刑の代わりに二百年の幽閉というのは」
ここが勝負とばかりに提案してみた。どうせ死ぬなら、一人でひっそり死にたい。
王たちは協議の上、問題を二百年後に先送りすることに決めた。
こうして私は、この国で最も高い塔の最上階に閉じ込められることになった。
私は、忘れずに食事と着替えと水を差し入れるように要求した。快適な寝床とトイレもだ。差し入れを怠れば、それを命じる係と実行する人間に害をなすと告げた。
塔は、王宮の広大な敷地の北の果てにあった。
僻地送りも検討されたが、敵国や裏切者に利用されないとも限らないので、目の届くギリギリの範囲内に留め置くらしい。用心深いことだ。
◇ ◇
その建物は、幽霊塔と呼ばれていた。
罪を犯した王族を、死ぬまで閉じ込めておくために建てられたものだが、実際には政敵から冤罪をかけられた者が多かった。
だから、中で憤死したり、狂死したり、自ら首を掻っ切って死んだ者たちの怨念が人形となり、今も塔の内外に出没すると言われている。それが幽霊塔の名前の由来だ。
その噂の幽霊は、実は近くの森に棲む魔女ドラガの動き回る姿だった。
ドラガは、国王の謁見の間で自称魔女のあずさが即興演説をぶち上げるのを、水晶玉に映して見物していた。
「ヒッヒッヒ、どうしてこうもスラスラと嘘がでてくるかね。まあ捨て身なんだろうが、意外と核心を突いておるな」
ドラガはあずさの言い分を面白がって聞いていたが、人間どもが魔女や魔女でない女性を、見せしめのように火炙りにして殺してきたのを許していなかった。時に自然災害を与え、時に権力者を病気にするという方法で懲らしめてやったが、火炙りとの因果関係を知らない人間は、決して反省はしなかった。わずかばかりドラガの溜飲が下がったにすぎない。魔女たちは結託することがないのだ。
あずさが幽霊塔に閉じ込められた翌日、魔女のドラガがあずさの部屋を訪れた。
「えっ、お婆さん、今どこから入って来ました?」
あずさは自分で見たものが信じられなかった。真っ黒い形をした老婆が、閉じた窓のガラスをすり抜けて入ってきたように見えたのだ。
「お前さんの見たまんまだよ。窓から来た」
「だって、ここ」
「高いねえ、だけど、わたしは魔女だからね。なんてことないのさ」
「魔女? えっ、本物? どうして? 私がこの間詐称したから文句を言いに?」
「まあまあ、落ち着きなって。この間の城での一件、水晶玉で見ていたよ。見事な嘘をついたもんだねえ」
「すみません! 火炙りにならないように必死だったんです。魔女呼ばわりされたのでそれを利用しました。許してください」
「いいって、いいって。だいたい本当の魔女がそうあちこちにいるもんかね。昔っから、魔女裁判なんて酷いもんだったよ。生きていたら都合の悪い女や気に入らない女を殺して、民衆の不満のはけ口にしてきたんだ。
お前さんの主張もでたらめだったけど面白かったよ。絶対にただで死んでやるものかという覚悟が良かった。本物らしく聞こえたからね」
「死ぬのは別に構わなかったんです。こっちの世界に知り合いもいないし、生きててもこの先楽しいことなんかなさそうだし。だけど、人としての尊厳を踏みにじられるのは我慢できませんでした。濡れ衣で殺されて、醜い骸を放置されるような終わり方はどうしても避けたかったんです」
「なるほどねえ、気持ちは分かるよ。だがお前さんは、どこから来たんだい?」
「どこだろう、日ごとに記憶があいまいになっていくんです。日本ていう国で、あずさって言う名前しか思い出せない。・・・そのことに今気付きました」
あずさは静かに衝撃を受けた。
ここに来た時には覚えていた日本の様子。両親の顔、友だちの名前、好きだった人、もう何も思い出せない。この世界に置き去りにされて、名前と国名以外の過去を回収されてしまった。
あずさは、悲しいのか怒りたいのか諦めたいのか、自分でも分からなくなった。
考え込んだあずさに、魔女のドラガが言った。
「わたしの元で魔女にならんかね」
あずさはまだ立ち直れず、ぼんやりと答えた。
「いやですよ。厳しい修行とかあるんでしょう。魔女になれたとしても、見つかれば火炙りコース再びです。森暮らしも楽しいとは思えないし」
「まあ、そう言わず、この先この国がひっくり返るのを見たくはないかい?」
「え、魔女になると未来が見えるんですか」
「見えると言うか、私がちょっと手を貸せば簡単なのさ。あんな国滅んでもいいだろう?
とりあえず、見張りの方はうまいこと目くらましをかけてやるから、塔からここに通って、うちで料理をしたり掃除をしたりしておくれよ。私はそれが苦手なんだ」
「魔法があっても?」
「魔法があっても、料理と片づけはセンスがないとできないのさ。その対価として、魔法を使えるようにしてやるよ。修行なんてしなくていい」
「それならお願いします」
こうしてあずさは、魔女の家と幽霊塔の自室を往復してドラガと過ごすことになった。
時々、動物が訊ねてくるだけの穏やかな日々。あずさはこうした日々に慣れつつあった。
◇ ◇ ◇
ある日、懐かしい顔が魔女の家を訪ねてきた。
「あずさ! 見つけた。ここにいたのか。遅くなって済まない。迎えに来たよ」
かつて森で助けたミハイ王子だ。供を大勢連れて、立派な服を着ている。
「何のご用でしょう」
「無事だったんだね。塔にいないから心配したよ」
「殿下こそ、蟄居を命じられて出て来られなかったんでしょう? とっくに暗殺されたものと思っていました」
「え」
王子は絶句した。
「そんなあっさりと語ること?」
「殿下は私を城に連れて行って危険な目に遭わせた張本人ですよね」
「済まない。あんなことになるなんて」
「国の風潮を考えれば、魔女扱いも不思議じゃないです。政敵の周りに付け入る隙があれば、多少強引でも切り込んでくるでしょう。あの時、私の口がふさがれていれば、間違いなく火あぶりは決行されていました。私の口八丁で何とか乗り切りましたが、殿下のことは恨んでますよ」
「だからあずさに償いをしたい。今度こそ、城で私の恩人として相応の地位を与えるから、一緒に来てほしい」
「相応の地位って何ですか。愛妾とか言ったら、覚えたての魔法をぶっ放すけど」
「いや、私の相談相手として、ただいてくれればいい」
「はあ? そんな退屈で危険で人様から疎まれそうな立場はごめんなんだけど。何? 高貴な身分の見てくれの良い男に誘われたら、だれでもついて行くと思ってるの」
「違う! 本当は君と結婚したいんだ。でも、私の地位が許さない。私はヴァシレを倒して王太子となった。魔女などと謂れのない罪で処刑されるようなことのない国にしたい、いや、するつもりだ」
「えー、いい心がけだけど、私関係ないですよね。勝手にやってください。私は今、魔女さんに魔法を習って魔女になる途中なんです。本物の魔女になったら、今度こそ火炙りになりそう。嫌です。行くわけないでしょう」
すると急に姿を現した魔女ドラガが、引き攣ったような声で笑いだした。
「イヒー、ヒッヒッヒ。残念だったな、ミハイよ。このお嬢さんは身をもって知っているのさ。そんな頼りない男の後ろ盾だけでは、王宮という伏魔殿では安全でないことを。今さら挽回は無理だと思うぞ」
「あなたは、なぜあずさを魔女にしようとするのです」
「魔女に説教するのかい、人間の理屈で? それならわたしは魔女の理屈でものごとを進めるだけさ。さあ、用が終わったら帰りな」
ドラガが皺だらけの右手の人差し指をプイ、と横に振ると、王子ミハイとその護衛たちは姿を消した。
「どこへ?」
「城に帰したよ。王宮内のゴタゴタの後始末の途中なんだから、そっちに注力しろってんだ」
「へえ、ヴァシレを倒したって言ってたけど、王も倒したのかな」
「退位を呑ませたらしいな。最後は力づくさ。ヴァシレの婚約者のエカテリナも、婚約者に納まる前にだいぶライバルたちを葬ってきたらしいからな。魔女とされた令嬢もいたはずだ。相当あちこちで恨みを買っていたから、今回のどさくさでその身に剣を受けたのは彼女が一番多かったらしい」
「ふーん。血生臭い世界だね。行かなくて正解だった。まあ、私にはどうでもいい話だけど」
「まあな。それより、これでお前はあの塔に戻る必要はなくなったのではないか」
「あ、そうか。あの階段上りは結構きつかったから助かった。じゃあ私、ここに住んで良い?」
「いいともさ。一緒にできたての食事を食べよう」
「うん。もう塔の冷たい食事を食べなくていいんだ。嬉しい」
あずさはこれまでも塔からは自由に出られたが、夜には帰らなくてはならなかった。その縛りのある生活から解放されたのだ。
これからは魔女として自由に生きる。
「ねえ、ドラガ師匠」
「なんだい」
「私に新しい名前を付けてほしい。日本人だったあずさは止めて、魔女として生きたいから」
「そうか。そうさな、わたしみたいにこの国に普通にある名前にしようか。イリンカなんてどうだい」
「イリンカ、うん、響きは好き」
こうして過去をなくしたイリンカは、魔女として長い命を生きることになった。
その後、城の中がどうなったのか、国がどうなったのか、イリンカは興味がないから知ろうとしなかった。時々城から抜け出したミハイ王が、あずさを捜して森を彷徨ったが、ドラガのかけた目くらましで、ついぞあずさの元に辿り着くことはなかった。
読んでいただきありがとうございました。




