表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

特殊な不動産屋の、庭とプール付き物件の秘密

数ある作品の中から選んでいただき、お越し下さりありがとうございます。


今回も男性が主人公の話になります。


よろしくお願いいたします。

 とある街に、特殊な不動産屋がある。名前は別格不動産。高倉湊が、たまたま出先で見つけた所である。


 湊はマイホームを持つことが夢の、30歳独身だ。いつか来る幸せの為に、家の購入を考えている。そんな時、気になる張り紙を見つけた。

『破格! アパート一棟一千万。庭とプール付き』だ。湊は目を奪われた。相場は不明だが、明らかに安く感じる。


 今すぐ入店したいが、仕事中なため、後で寄ることにした。しかし湊が戻ると、名札に前田と書かれた、不動産屋の女性スタッフと思しき人が、機械的に例の張り紙を剥がしている。

 その様子を見て、既に売却されたのだと落胆するも、気になっていたので、話しかけた。


「すいません。その張り紙のアパートはどんな代物だったんですか」

「あぁこちらですか。大きなアパートですよ。興味がおありでしたら内見されますか」


 内見の案内をされ、思わぬ朗報に湊は目の色を変えた。


「もしかして、まだ売却されてないのですか!?」

「はい! 実は昨日三名ほど内見のご希望があり、ご案内させて頂いたのですが、一様に詐欺物件だと仰るものですから、取り下げることにしたのです」


 一様に詐欺って何だと、湊の頭は疑問符で埋め尽くされた。百聞は一見にしかずとばかりに、意気揚々と物件まで案内してもらうことにした。そうして着いた場所は、廃校になった小学校だ。確かに見方を変えれば、教室はワンルームだし、校庭は……巨大な庭? プールは言うまでもない。


「こちらアパートとしてご利用頂きたいと言う、弊社の希望物件でございます」

「あのー前田さん。もしかしてなんですけど、他の方にも同じ説明を?」

「はい勿論でございます」


 前田は大真面目に、一点の曇りもなく言い切った。


「ええと、根本的に用途は購入者が決めることなので、廃校舎でいいと思うのですが」


 これでは詐欺と言われても仕方がない。前田はハッとして、次々とタブレットを見せ「この物件はどうか」と湊に聞く。どうやら同じように売り出している、廃れた物件がいくつもあるようだ。

 まさに別格不動産と言える。


 廃病院は『お化け屋敷』で、何か出そうだから。廃遊園地は『技術館』で、職人技術の賜物だからと言う理由で。因みに廃動物園は『ペットショップ』。湊は、少し感覚のズレてる前田に興味を持ち、惹かれていった。


 ご縁はどこに転がっているか分からない。結局湊は、平屋曰く廃保育園を購入することにした。前田との将来を視野に入れながら。

お読みいただきありがとうございました。いかがでしたでしょうか。

実際に学校は、売りに出されていたら買えるようですね。値段は土地によってピンからキリまであるようです。文中にある値段で買えるか分かりません。


そう言えば昔話を思い出したのですが、知人が子供に「お馬さん見に動物園行こうか」みたいな話をして、『競馬場』に連れて行く話を聞きました。馬しか見れないけど、いいのかなと思ったんですよね。ただ動物園より安上がりだし、馬好きの子供なら問題ない気もしますが。要するに、ものは言いようですね。


楽しんでいただけたでしょうか。また別の作品でお会い出来れば嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ