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外見

 大人しく撮影現場に戻ろうとすると後ろから肩をトントンと指で突かれた。


 んだよ誰だよ気安く私に触れんじゃねーよ叩きのめすぞと不快感を顔に張り付けて振り向けばそこにいたのは清華。一瞬で不愉快な表情をニコニコ笑顔に戻した。ほっぺツンツンしてくれて良かったんだよ?


 サングラスが顔の結構な面積を占めていてなんとも感情を読み取り辛いけど、口元は微笑んでいるように見える。大方、また引っかかった、とでも思っているんだろう。ほんとマジでどこにいた。


 顔をよく見せなさいとひょいとサングラスを取った。清華は涼やかに微笑んでいた。


 やけにゴツいサングラス。レンズはガラスではなくポリカーボネート。それもやたら分厚い。普通のサングラスみたいにメガネのレンズ部分だけ黒いんじゃなくて、遮光レンズが目全体を覆うようになっている。


 着けてみるとレンズの下は頬の上部、横は側頭部のグリグリされると痛い部分まである。私の持ってるいわゆる一般的なサングラスだとレンズのない下や横からの反射がたまに眩しいけど、これならそれも防ぐことができる。かなり実用的、というか実用一辺倒。


 そのあまりに無骨なサングラスの持ち主は私に尋ねる。


 「仕事?」


 「そう。やりたくないんだけどね」


 けど仕事だからね、仕方ないねと不承不承で首肯すれば清華はふむと何やら首を傾げて考えて、それから得心いったと頷いた。


 「ああ、面倒な客っているもんね」


 カフェでバイトしてれば面倒な客が来ることもあるのだろう。わかるよ、と首肯する清華。


 ん?でも清華ってキッチンじゃなかった?そう言えば一回接客してたな。…………とても嫌な想像が脳裏を巡り、それが正しいと肯定するように清華は冷たい微笑みを浮かべていた。おっとぉ?


 大変心苦しい限りだが推察しかねますね。ええ。私がしたのはあなたに社会の厳しさを教えるのとSNSを駆使してあなたの店の集客に多大なる貢献を果たしたことだけですからね。むしろあなたとあなたの店に資することしかしてないんですよ。


 ええ、そう言うわけでなぜあなたが氷の笑みを張り付けているのか理解しかねますね。一体誰なんでしょうね、その迷惑客って。


 泳ぐ自分の目を隠すために清華のサングラスをかけて横を向いてピーヒュー下手な口笛を吹いた。


 クスクスと清華は愉快痛快とばかり、別に誰もあなたが迷惑客だなんて言ってないよ、と微笑んでいた。良い性格してるじゃん。


 何もかも見透かされてるみたい。元より隠す気はさらさらないが、清華の時折見せる一切の温度を感じさせない瞳の前には何も隠せる気がしない。なんか蛇に睨まれてる気分。


 もっともゴルバチョフみたいにペレストロイカしなくても私の心はとうに開いてる。なんなら家の鍵も開けるし。ていうか合鍵差し上げるのでいつでも来てほしい。


 「大変そうだね」

 

 清華が撮影現場の方に首を巡らせる。


 「ほんとに。精神的にだいぶキツい」


 「不思議だよ。中身は必要なの?」


 モデルとして求められるのは外見じゃないの?なのになぜ中身をアピールしてるの?と清華は純粋に疑問に思っているようだった。それな。


 答えとしてはティーン向け雑誌のモデルを発掘するためのコンテストだから、になるだろう。多少タレントとしての部分を求めてる。のかもしれいない。私の関知するところではないんで詳細は知らないけど。


 「誇れるとこあるの?」


 所詮は高校生だろ?と捉えようによっては実に冷ややかな疑問を清華は投げかける。それ私にも効くから止めてほしい。


 だからまあ、私の回答としては。


 「だからキラキラ着飾ってるんだろ?」

 

 今ジャイアントソーセージシュニッセル食べてるんですよ。ソーセージっていうからソーセージなのかと思ったらバカでかい薄いカツで。来た瞬間に頼んだの後悔した。

3分の2食べ終わったんだけど、腹がはち切れそう。残したくないので食べるけども。なんか罰ゲームの気分。


それはそうと本編半分くらい納得いってないので後で書き直すかもです。

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