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第7話 月曜日

「行ってらっしゃい……」

「行ってきます。」


 私は学校へ、文華は家で勉強だ。私は鍵をかけて部屋を出た。大学までは徒歩10分今日は2限目からだ。


 午前10時頃……大学に着いた。凄い久しぶりの学校だった。私は飲み物を買って講義のある教室に向かった。


「あ、理子おはよう!」

「おはよう早苗!相変わらず早いわね。」


「そういう理子だって早いじゃん!」

「私は普通だよ。」


 この子は大学から友達になった鳩山早苗(さなえ)。たまたま授業で近くに座ったことで知り合い友達になったんだ。紛れもなく優等生でよく勉強も教えて貰っている。


「あれ2人は?」

「みんなまだ来てないよ?」


「そっか……まぁまだ15分前だしね。」


 私が軽口を叩いていると後ろから声がした。


「アンタたちが早すぎるのよ。お陰で私たちもつられて早くこなくちゃってなるのよ。」

「まぁまぁいいじゃない!私たちもお陰で遅刻した事ないんだしさ。」


「桜、桃香、1週間ぶり!」


 2人は雉下(きじもと)桜と鶴延(つるのべ)桃華。桜は私と同じく男勝りなタイプで運動も得意だ。なので選択科目の体育では競い合ってる。桃華はお嬢様タイプでのんびり屋さんだ。ほんと女の子だと思うが、はっきり言う時は言うし、私と桜が口論するときは大抵桃華が間に入ってくれる。


「そう言えばさー理子」

「何よ桜真剣な顔で?」


「いや。なんか良い事あったか?」

「……はい?」


 私は一度思考が止まった。そして出た言葉がこれだった。


「あ。それ私も気になってました。」

「ですね。理子さんの顔がいつにも増して緩い様に見えました。」


 私は普段どう思われてるのか聞きたくなる発言だ。


「別に、何もないわよ?」

「そうですか……」

「ふーん……」

「彼氏でもできましたか?」


 桃華の発言で2人はそれ言いますか?って顔をしていた。


「なんで私が彼氏なんて作らないといけないのよ!」

「では、彼女ですか?」


 私は飲んでいた水でむせた。


「げほげほ!な、何でそうなるのよ⁉︎」

「いえ、あの言い方だとそういう意味かと……他意はなかったんですが……」


「動揺したね」

「しましたね。」


 桜と早苗がコソコソと話してるが聞こえてるぞ!


「動揺じゃないわ!飲んでた水が変な所に入ってむせたのよ!」

「はいはい、良いからとりあえず顔を拭いて、汚いよ。」


 早苗からティッシュを貰って顔を拭いた。そして丁度チャイムが鳴って教授も入ってきた為話はお開きになった。その後も昼休みにも同じ話題になったが私は否定をし続けた。


「つ……つかれた……」


 久しぶりの学校もあったがそれ以上に3人の質問責めに苦労した。


ブー、ブー……


 スマホに着信が入った。私は画面を見て驚いた。


「文華のお母さんからだ……はい、もしもし。」

「あー、理子ちゃん……今いいかしら?」


「はい、大丈夫ですが?」

「あの子……ご飯しっかり食べてますか?」


「ええ、食べてますよ。」

(というか食べさせてる。)


「そう、なら良かったわ。あの子何も言わないと何も食べないから食べてるなら安心したわ。ありがとう!やっぱり理子ちゃんに任せて良かったわ。」

「あはは……私はもう叩いて躾けてるので……それでもいいですか?」


「構わないわよ!改めてあの子の事……お願いね……」


 電話越しに泣いてるのが分かった。心配もあるだろう、でもそれよりも辛いのは親なのに何も出来ないのが辛いのだろう。


「文華の事は任せてください!今から帰るのでお昼を何も食べてなかったら引っ叩いておきます!」

「うん……お願いね。」


 そうして帰ってみたものの……


「ただいま!」

「……」


「文華いないの?」

「……」


 返事がないので部屋まで行ってみた。するとやはりというかなんというか勉強していた。イヤホンやベッドフォンをせずにここまで集中できるのはもはや才能だろう。私は文華の肩を叩いた。その瞬間文華の身体が跳ねた。


「きゃっ!」

「何可愛い声出してるのよ!ただいま。」


「きゅ、急にはやめてよー心臓に悪い……」

「何言ってるの?ちゃんとドアの鍵開けてただいま言ったのに何も返事ないからここまで来たのよ。」


「そうなの?ごめん……」

「ほら、ご飯食べるわよ。何か使って!」


「あー……お買い物まだだったわ……」

「……文華、お昼は?」


「食べてないかも……」


 とりあえずゲンコツを脳天に落としてカレーを一緒に作った。そして食べる時に約束をした。


「いい、これからはご飯はしっかり食べること、もし食べてなかったら叱ります!」

「うん……」


「とりあえず手が出るのは分かってるよね?」

「うん……知ってる、さっきも貰ったから……痛かった。」


「なら、わかるわよね。痛い思いしたくないならしっかり食べなさい。」

「うん……」


「よろしい!とにかく食べないと生きられないしさ。しっかり食べて勉強して来年は受かりなさいよ!」

「うん……!」


 この約束が後のトラブルになる事を私は知らなかった。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!


 面白い、続きが気になるという方はブックマークをしてお待ち頂けると幸いです。

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