第70話 逃げる
玄関で座り込んでいるとピコンと携帯から音が鳴った。
「文華……?」
バイトが終わったから帰るという報告かな?と画面を見た。
「早苗ちゃんとファミレスデートしてきます。夜ご飯までには戻るので心配しないでください。」
私は目を見開いた。そしてそこから2人を探し出した。そして2人を見つけて話し声が聞いたら文華が普通に悪口を言っていたのでとりあえずゲンコツ1つ落とした。
「早苗……あの……」
「大丈夫ですよ。気にしないでください。」
「そう言われても……」
「女々しいよ理子。」
文華からのまさかの言葉に私はたじろいだ。
「振ってしまったのならそれが答えなんだからそれを取り消すなんてずるいよ。」
「……」
確かにその通りだ。でも言わないといけない事はある。
「分かってる!分かってるよ!だけどね、私も告白とかされた事ないからどう返していいかわからなかったの。」
「そうなんですか?」
「早苗さん……自分で告白したから分かると思うけどかなり鈍感だから理子……」
少し黙らせたいがとりあえず話を続ける。帰ったらたっぷり可愛がってあげないとね……私は1つ咳払いをして話を戻した。
「まぁって事だからごめん。でも早苗の気持ちは嬉しいけど今回はごめんなさい。」
改めてはっきりと断りを入れるというのはやはりこちらも辛い……
「こちらこそ……ちゃんと伝えてくれてありがとうございます。また友達としてお願いします。」
「うん、でもね……一旦だから……」
「えっ?」
早苗が顔を上げた。疑問の表情だった。そして文華もなに言ってるの?みたいな顔だった。
「私は今文華と勝負してるの。今早苗の告白を了承しちゃうと私の負けになるの。だから文華が私を好きに出来なかったらその時は……今度は私から告白します。」
「……逃げたわね。」
「うるさい!そもそも女の子を好きになるってわからなかったのよ!それに私は文華に負けるつもりもない!」
私と文華の会話を聞いていた。早苗は急に笑い出した。
「あはは!あー……やっぱり理子は凄いです。わかりました。でも、私もずっと待ってはいませんからね。」
「もちろんだよ。とりあえずこの子と決着つけてから早苗の事考えるから!」
私は文華の頬を摘みながら答えた。私は早苗が好きなのか……それともこの子が好きなのか……そろそろ答えを出さなければならない。そうこの子の受験までに……
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