第55話 旅行計画
残暑が残る10月の中旬……私たちは文化祭の準備……などしてなかった。なぜなら誰も部活に入っていないからだ。
「文化祭行くの?」
「行かない」
「行かない」
「行かない」
4人の意見は一致した。と言う事で1週間は休みになる。その前に中間テストやらレポート提出はあるがその後はまた緩やかな時間になる。
「ならせっかくたし、旅行行かない?」
「……いきなりね。」
「でも、良いかもね……時期的にも紅葉見れるし。」
「まだ早いわよ。でも、良いかもね!仲を深めるという点でもね。」
桃華と桜は乗り気だった。早苗は普通である。私はというと……
「ごめん!お金ないからたぶん私たちは無理!」
「えぇー!何にそんな散財したの?」
「散財というか家計は火の車なので……」
「そういうことならやめておこう。来年のこの時期にまた企画しようか。」
友達には恵まれてるようだ。ここで強引に誘って来るような人間なら縁はとっくに切ってるだろう。この距離感が心地よいのかもしれない。
「って話があったんだー。」
「そうなんだ。行ってきてもいいよ?」
「だからお金がないじゃん!」
「いやいや、4人で行ってきたら?」
「……は?」
「私抜きで行ったきなよ。」
「何言ってんの?文華を置いていったら食生活また乱れるでしょ!」
「理子……心配しすぎだよ!ちゃんと食べるから安心して!それにお金のあるなしに関わらず私は行けないから……」
「なんでよ?」
「受験まであと3ヶ月だから……」
その言葉に私ははっとなる。文華はまだ受験生だってことに……これまでも勉強はしていた。でも、普通にバイトも家事もしてくれてた。だからつい失念していたんだ。
「ごめん……受験前に……」
「ん?なんで謝るの?気を遣ったの?理子らしくな……いててて!」
やっぱり調子乗った時は躾も必要な子ではある。ほっぺたを思いっきり摘み上げた。
「まぁ確かに私がいるより勉強は捗るかもだからね。その代わりちゃんと朝昼晩と食べたものを写真で送りなさい。それだけしてくれればいいから。」
「過保護だけど……分かった。」
過保護か……確かにそうかもね。でも、どうしてこんなにも文華を心配してるのかわからない。
「好きだからじゃないの?」
「なっ!」
それを翌日桜に相談したらなんとも斜め上の回答が飛んできた。
「いやいやいやいや!ないないないない!むしろ嫌いですから!」
「そこまで否定せんでも……」
「いや、うん……でもないから!それだけはないから!」
「恋もした事もない初心が何を言うか……」
「だってー!気づいたら見てて近くにいないと心配になるし、そんな自分がイライラする……」
「はぁ……」
桜は大きなため息を吐いていた。そしてやれやれという顔だった。
「まぁいいわ。とりあえず旅行は文華ちゃんなしって事ね。」
「そうね。私だけになるけどよろしく。」
「はいはい、とりあえずまた2人にも聞いて行く場所決めようか。」
「うん……」
という事で、今回初めての友達との旅行は文華は不参加となり行くのは……私と早苗と桃華と桜になった。
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