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第32話 ライバル

 階段を登ってくる音がしてすぐに扉をノックする音がする。

「お邪魔します!」


 桃華も我が家に来たのは夕方16時過ぎだった。私たちはテスト勉強してたので代わりに出たのは文華だった。


「いらっしゃい!」

「みんなは……勉強中か……これ差し入れ……」

「ありがとうございます!」


 中身はコンビニプリンだった。文華はそれを冷蔵庫にしまうとこちらに桃華を連れて来た。


「みんな集中してるわね……」

「はい、最初分からない問題を教え合ってからはひたすらに同じ様な問題を解いてます。」


「……私が来た意味ないですよね?」

「みんなで集まりたかったのではないですか?最近みんなで集まる事がなかなか出来ないって言ってたので。」


 文華のその言葉に桃華は目を細めた。そしてやれやれと顔を振った。


「……そうかもね。」

「あっ、桃華来たね!」


「うん、久しぶり桜……」

「何言ってるのよ?1週間前にあったじゃん!」


 解き終わった桜が顔を上げて桃華に気づいた。そして早苗と私も解き終わった。


「おぉ、桃華も来たね!桃華は泊まっていく?」

「泊まってって?みんな泊まるの?」

「いいえ、私は帰ります。泊まるのは桜さんです。」


「そういうことね、私も帰るわよ。でも、事前準備さえしてれば良いから明日は泊まろうかな?」


 おそらく半分冗談、半分本気なのだろう。でも、久しぶりに4人集まったのは良いことだと思った。


「文華、せっかくだし軽食作ろうか。」

「軽食?今桃華さんからプリンもらいましたよ?」


「それはデザート!おにぎり作ろうよ。炊いてたの残ってたでしょ?」

「えっ?あれは残り物ですよ?お客様に出しちゃ……」


 遠慮しがちに言う文華に桜たちが声をかけてきた。


「気にしないでいいよー。残りでもおにぎりは別だし!」

「私も問題ないですよ。残り物も有り難く戴きますよ。お米の一粒も大事な命ですから!」

「私も意義なし!お腹すいてるし。」


 私は文華と顔を見合わせて炊飯器に入ってたご飯を握っていく。


「はい、おまたせ!シンプルに塩おにぎりよ。あと麦茶ね。」

「ありがとー!いただきます。」

「いただきます!」

「いただきます!」


 私たちも1つずつ食べて麦茶を飲む。漬物が欲しくなる。でも今はないから仕方ない。


「お漬物ない?」

「生憎とないのよね。」


 思う事はみな同じの様だ。


「私買ってきましょうか?」

「コンビニのかー……」

「いえ、商店街まで行きますよ?」


 文華の方がガチだった……そんなに漬物欲しかったのか……


「では、私も行きますよ。少し運動したかったので……」

「えっ?早苗が?」


「私もたまには歩きますよ?」

「まぁ2人の方が心配が減るけど……」


「理子は相変わらず過保護なのよ!いいじゃない、文華ちゃん早苗、お願いしていい?」


 桃華の一言で2人に任せることにした。そして2人を見送った。


「相変わらず過保護な!」

「あのトラブルメーカーを1人で行かせられるわけないでしょー……」


「この辺交番ないの?」

「あるけど……遠いのよね……あの子足遅いから逃げきれないと思うし……心配だわ……」


 桜と桃華はやれやれと顔を横に振るのだった。



 時間が少し進んで文華と早苗はコンビニから出ていた。


「意外と種類ありましたね。」

「ええ、壺漬けにしば漬けに千枚漬けに……でもこんなに買って怒られないかな?」

「たぶん怒られないよー、たぶんだけどね。」


「それ怒られるやつだよねーー?なんで買ったの?」


 早苗は困ってる中文華は少し笑った。


「大丈夫だよ、私も今バイトしてるからそのお金で買ってるからね。」

「えっ?文華ちゃんバイト始めたの?」


「うん!頑張ってるよ!」

(なるほどこの間着信があったのはそういう事か……)


「だから少しは贅沢しても怒られないよ。」


 ニコニコと笑っている文華に早苗は安心よりもこの間の理子の着信の理由を推理していた。


「ん?どうしたの早苗さん?」

「知らない間に頑張ってるんだね……文華ちゃんも……」


「えっ……?」

「……ふぅ……」


 早苗は1つ呼吸をしてから話を始めた。


「私ね……理子の事好きなんです!」

「えっ?……うん……友達だもんね。」


 文華は少し戸惑いつつも同様しない様に話した。しかしそれが違う意味だと分かっていた。


「違うよ!友達としてじゃなくて恋人にしたいって事だよ!」

「…………私も……理子の事が好きだよ!」

「うん!知ってる!でも、この気持ちは変えられないから……」


「知ってる……私も……そうだから!だから負けない!」

「うん!文華ちゃんにそう言ってもらえて嬉しい!ライバルになるけど……私諦めないから!」

「うん、もちろん!だけど……早苗さんとも私は友達だからね。」


 早苗は一瞬目を見開いた。でもそれはほんの一瞬だった。そして笑った。


「うん!私も文華ちゃんは友達だよ!でも、負けないからね!」


 2人で握手して改めてライバルとして認め合った。そしてアパートに帰り着く。しかし2人はまだ知らなかったこれからその愛しの人にこっぴどく叱られるという事を……

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!


 面白い、続きが気になるという方はブックマークをしてお待ち頂けると幸いです。

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