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第25話 旧友

「桜は今日泊まれる?」

「いいよー、なんならここからの方が大学近いし今日の課題も教えて欲しかったし渡りに船だ!」

「課題は自分でやりなさいよ。」

「まぁまぁ、私もいますから大丈夫ですよ。」


 早苗を見て私と桜は固まった。


「まてまてまって!早苗も泊まるの?」

「えっ?ええ……何か問題でも?」


「「あるよ!早苗は!」」

「なんで?」


 澄んだ目で聞かれたけど……流石に早苗はない。


「いや、ご両親心配されるでしょ?」

「そんな事ないよ?友達の家に泊まってくるって言ったらすんなりだったから。」

「へぇー、意外と放任主義なんだな。早苗の家は。」


「うーん……どうだろう?たぶん無断外泊でない限り怒られないと思うよ?」

「じゃあ……早苗はなるべく文華と一緒にいてくれる?喧嘩とかはした事ないでしょ?」


 そう本当の理由はこっちだ。おそらく……というか早苗は喧嘩なんてした事ないだろう。そんな子を巻き込むのは私も桜も望んでなかったのだ。でも早苗の気持ちも汲んであげなければならない。ならば文華と一緒に居てあげてリラックスさせるポジションに居てもらうのが1番だ。桜もそれを考えての提案だろう。


「ないけど……でも、友達は助けたい。だからその役目頑張って果たします!」

「そんなに意気込んでやる事ではないと思うけど……まぁ文華は安心出来ると思うから頼んだよ。」

「それで……理子はどうするのさ?」

「私は……旧友に会ってくる。だから帰りは明日の朝かも。」

「……分かった。じゃあそれまでは私と早苗で見守るよ。」

「助かる!」


 私は文華を桜たちに任せて家を出た。


「あの子は確かこの辺に……」


 私が来たのは河川敷だった。よくこの辺で遊んでいたからいると思ったのだがいないらしい。


「しょうがない、次か……」


 次に訪れたのはゲームセンターだ。あんまりうるさいのは嫌いらしいがたまにいる場所の1つだが……


「流石にいないか……ならもうあそこだな。」


 私が向かったのは卒業した高校から少し離れた廃工場だ。


「やっぱりいたわね。」

「久しぶりね……理子何の様?」

「相変わらずに小春……まぁ缶コーヒー飲む?」

「……飲む」


 私と同じか少し小さい彼女は牧村小春……親から虐待を受けていた為にグレた子だ。そして今ではレディースの頭でもある。


「ちゃんと働いてる?」

「小言を言うなら帰りな……聞きたくない。」

「その様子だとまた辞めたのね。まぁたまには飯を食べに行こうよ。私もバイト始めたからさ。」


「理子が?それは傑作だ!見に行くよ!どこでしてるの?」

「茶化すお客様、お金のないお客様はご来店できません。」

「理子の奢りで!」

「あはは!無理無理!小春に食べられたら1月分の給料が吹き飛ぶからね。」


 ひとしきり笑った後、本題に入った。


「ここら辺でレディースやってる奴ら半グレどもの中にこいつら見てない?」

「ん?覚えてる様な……覚えてない様な……」


 口元に人差し指を置き考えたフリをする小春。まぁ想定内だ。


「苦い飲み物の付き添いは甘い物でしょ?はい、ドーナツ。」

「わかってんじゃん!知ってるよ、このグループにいる下っ端も下っ端さ、最近入ったんだけどこいつら何かしたの?」


「実はかくかくしかじかでね。」

「うん、さっぱりわからん!さっさと説明せい。」


説明中……


「なるほどねー……それでその子が安心して暮らせるようにしたいと?」

「そうよ、何が悪いの?」


「ふぅーん……いやー、あの理子がそんな事をお願いしてくるとはね……」

「悪かったわね。」


 私はプイッと顔を逸らした。そしたら小春はめちゃくちゃ笑った。


「まぁいいわ。そんな奴らを野放しにしてたらサツから目を付けられかねないし、チームの和も乱しかねないから潰しとくわ。」

「ありがとう……頼んだわ。」


「それで、どうする?」

「何を?」


「何をって?サツに突き出すだけなの?血祭りにあげるなり、海に沈めるなり好きに出来るわよ?」

「事を大きくしなくてもいいわ。軽く締めてサツに突き出してくれればそれで良い。」

「優しくなったわね。」


「嫌味?」

「ちげーよ。本当にそう思っただけ……」


 小春の真顔を久しぶりに見た気がした。抜けてるが私とガチ喧嘩した時以来かもしれない。


「私は理子にこの組織のリーダーになってほしかった……」

「それなら私に勝ってからにしなさい。」

「負けたリーダーとか笑えねぇーよ。」


「だよねー、だからやらないのよ。」

「揶揄ってんだろ?」

「さぁー?」


 私は不敵に笑った。それを見て小春は深いため息を吐いた。


「まぁいいや……じゃあこちらで処理しとくからそっちは何かしてくれるの?」

「飯を奢ってあげる。」

「3日分ね!」

「生活出来んくなるわ!」


 2日後、文華をいじめてた奴らは暴行、脅迫、窃盗の疑いで逮捕された。もちろん盗られたお金も戻ってきた。しかしそのお金はすぐに小春の食費に消えた。でもまぁ文華の安全に比べれば安い物でもあった。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!


 面白い、続きが気になるという方はブックマークをしてお待ち頂けると幸いです。

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