第24話 嘘
「ただいまー」
…………
しかし返事がなかった。部屋に行くと書き置きがあった。
『お買い物行ってきます。遅くはならないと思います。』
買い物とは珍しいと思いつつスマホを見たら何も通知は来てなかった。よく見るとスマホは充電中だった。一体家にいて何をしてるのやら……
「充電満タンじゃん……」
スマホの充電を見ると100%になっていた。まず画面がロックされてない事に驚いたがこれ以上は見ない事にする。見たら流石に人として終わりな気がしたからだ。
「ただいま……」
「おかえりー」
「あっ、帰ってたんだ……」
「どこ行ってたの……って文華顔どうしたの⁉︎」
私は玄関に向かうと文華の左頬が少し赤くなっていた。
「なんでもないよ?ちょっと自動ドアにぶつかっちゃっただけ……」
「……そう。で、本当は?」
「ほ、本当だよ!気にしないで!」
「ふぅーん……嘘つくんだ……」
「う、嘘なんて……」
「左頬だけぶつかるなんてありえないわよ。そのぶつかり方なら右頬も赤くなるはずだしね。」
「……だ、大丈夫だから!理子は気にしな……」
私は文華を抱きしめた。あんまりやりたくはないけど文華は引っ叩かれるよりこっちの方が素直になる傾向だ。抵抗をつけられたくないし、私も恥ずかしいからあんまりしないのだが、流石に昨日の今日だ。心配になる。
「だ……大丈夫だから……理子は気にしないで……」
「泣きながら言っても説得力ないわよ。」
とりあえず早苗と桜と桃華も呼んで話をする事にした。しかし桃華は用事があってどうしても来れないらしい。という事で早苗と桜が家に来た。
「理子……文華ちゃんをなんで泣かせてるの?」
「理子……」
「ええい!2人して私を犯人扱いすな!事情は文華から聞きたいけど私だけじゃちょっとキツイから呼んだのよ。桃華は用事があって来れないらしいの。」
「文ちゃんほんと?理子にいじめられてない?」
「桜よ、まだ言うか……?」
「うん、理子のせいじゃない……」
「言わされてない?」
「いい加減しばくよ?」
「はいはい、2人とも冗談はその辺にして文華ちゃんはなにがあったの?」
「何でもないんですよ。ただスーパーの自動ドアにぶつかっちゃっただけなんです……」
私と桜は目配せをして同じ事を思っていた。
「文華ちゃん。嘘だよね?」
「えっ?」
「そんな簡単な嘘は理子じゃなくてもわかるよ?だって扉のぶつかり方じゃないもの。私はよく喧嘩してたからさ。分かるんだよ。殴られたりしたらどういう腫れ方をするとかね……」
「……」
どうやら正解らしい。私は怒る事はなく冷静に話す事にする。たぶんだけど前より文華の事が見えてきたのだと思う。
「それで何があったの?」
「昨日の2人組に鉢合わせた……それでお金盗られた……」
「ほほぅ……」
「警察には届けたの?」
早苗の問いに首を振った文華……私は少し怒りを表しつつも堪える。
「警察に言ったら仲間が私の事を探し出して報復するって言われて……私だけならともかく理子は巻き込みたくなかったの……私が我慢すれば……」
その瞬間私は文華の頬を引っ叩いていた。
「ちょっと理子!」
「理子、なんで引っ叩いたの!」
2人に責められるが関係ない、これは叱るべき事だからだ!
「2人は黙ってて!文華!なんでそんな大事な事を先に言わないの⁉︎」
「だって……迷惑になるから……」
「バカ!迷惑なわけないでしょうが!こんな時こそ頼りなさいよ!あんなバカ2人に私が負けるとでも!?」
「そんな事思わない……でも、理子がそれで警察に捕まったら私は絶対自分を許せなくなる……」
「そんな事今は気にしないの!大学を退学になっても人生が終わるわけじゃないの!それに今は自分の心配をしなさい!とりあえず桜と早苗は文華を警察に連れて行ってくれない?」
目を丸くしていた桜だったが私の言葉にすぐに正気を取り戻し話を戻した。
「いいけどさ。理子はどうするの?」
「ちょっと友達に助けてもらうの。高校のね!」
私は不敵に笑った。とっておきの策があるからだ。
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