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第17話 お泊まり会4

 ホットケーキ、アイス、プリンとちょっとしたスイーツバイキングを堪能した私たちは再びトランプをしていた。やっていたのは大富豪だ。


 今回は早苗もやったことがないということなので数ゲームは練習試合として流した。そしてここからが本番である……


「じゃあ特別ルール!大貧民はカードを2枚渡すか服を脱ぐかにしない?」

「はぁ?」


 桜がいきなり凄いことを言い出した。私は反対の意思を込めて疑問系で返した。


「だって、折角なら特別ルールがあった方がいいじゃん!それにカード交換したら次も大貧民で成り上がれないでしょ?だから救済措置としてのルールよ!」

「最もらしいこと言っていやらしい事考えてないでしょうね?」


「いやいや、そんな気ないよ!ただ初心者がいるんだからそのくらいしてあげないと割に合わないでしょ?」

「それで裸にひん剥かれたら本末転倒でしょうが!」


「じゃあ3人にも聞いてみようよ!」


 私は3人を見た。


「私は構わないわよ。負ける気しないし。」

「私も大丈夫ですよ。それにこのメンバーになら見られても大丈夫ですから……」


 早苗の言い方はちょっとエロかった。最後に文華だが……


「私は……理子にしか見て欲しくない……です。」


 こちらはこちらで誤解を招く言い方だったが3対2で急遽脱衣大富豪になった。


「でも、裸の大富豪はおかしくないですか?」

「確かにね。なら大富豪になったら服は返して貰えることにしよう!」


「じゃあ上がれる決まりはどうする?永遠にやるつもり?」

「全裸になって次のゲームでも大貧民なら抜けさせる。あと、大富豪が都落ちしても抜けさせる事にしましょう。」


「都落ちって?」

「大富豪が他のプレイヤーに負ける事よ。」


 文華はまだ知らない様なので答えてあげた。そして始まった大富豪は波乱の展開となった。


「わ、私が大富豪……?」


 そう……いきなり文華が大富豪となったのだ。カードの巡りも良かったがそれよりも桃華が革命を起こした事により一気に文華に傾いてそのまま勝ったのだ。


「これで文華は都落ちすれば服を脱がずに済むのね。」

「安堵してるけど1人になったらまた2回戦やるわよ。」


「えっ?」

「朝までいってみよ!」


 ハイテンションの桜と桃華に私たち3人は置いてけぼりを喰らっていた。


 しかし、私はそれどころではなかった。なぜなら私が大貧民なのだから!


「まずい……カードが悪い……」


 私の手札で最高の数字は先ほどまで1とK(キング)だった。しかし交換でいなくなった為今の最高はJ(ジャック)だ。イレブンバックを使えるのは最高2回しかしなるべくならダブルで出したくはない……なぜならそれ以外は全てシングルなのだ。そしてこういう時に限って10も8も7も5ともない……あるのは何もアクションがないカード達。


「勝てる気しない……」

「5人だからなかなかペアにもならないよね。」


 貧民の早苗と話す。桃華は平民、桜が富豪、文華は大富豪となっていた。いきなり服を渡すわけにはいけない。


「……パス。」

「理子またパスなの?じゃあ上がるねよー!」


 という事で2回目は地位は誰も変わらなかった。そして3回目が始まる。


(よし、これなら……)


 私の手札にはエースが1枚残った。そして8と7もある。これだけで先ほどよりは戦える。


「じゃあ私から……3」

「8!」


 私は驚いた!なんと貧民の早苗がいきなり勝負を仕掛けてきたのだから。8で一度切る、そして出されたのは……


「4のダブル!」


 平凡なダブルだった。そして桃華は何食わぬ顔で5のダブルを出した。5は出した枚数だけ相手の順番を飛ばせるので桜と文華を飛ばして私はである。だが私は今回ダブルはないので……


「パス!」


 そして早苗だ。


「7のダブル!」


 今度は7のダブルだ。7は自分の手札から出した枚数だけ相手にカードを渡せる。早苗は2枚のカードを桜に渡した。


「じゃあ10のダブル!」


 桃華は普通に返してみせた。てか、なんでみんなダブル持ってるのか知りたかった。ちなみに10捨てで桃華は手札から2枚カードを捨てた。そして桜だが……


「うーん……流石に出さないとね。Q(クイーン)のダブル!」


 だからなんでみんなそんなにダブルあるの?って言いたい。そして文華はというと……


「2のダブル……」


 これで流れる事になった。いきなりハイレベルの戦いになったが早苗が1番手札が少なくなっていた。なお、私は1枚しか減ってない。そんな中文華が出したカードはというと……


「5,6,7,8の階段革命です……これは大丈夫ですよね?」

「うん、大丈夫よ!そして8ギリと7ワタね。5飛ばしは8ギリで無効だから文華の番よ。」


 という事で、文華から渡されたのは6のカードそして文華は最後にJのダブルを置いて上がった。


「私か……」


 革命が起こって私に追い風が吹いた。私はまずはシングルのエースを置いた。次に早苗はKを置いた。


「上がりね!」


 なんと早苗がいきなり富豪となったのだ。つまりここからは最下層争いとなるのだ。つまり有利なのは……


「よっしゃァァァァ!平民になったぞー!」


私だ!


 前半のハイペースで私には数字の低いカードがたくさん残っていた。そしてシングル勝負なら負けない!文華様々である。


「男っぽいな……平民ならもう少しお淑やかにしてなよ。」

「そうですよ。平民の風上にもおけませんよ。」


「フンっ!貧民と大貧民に言われてもなんともないわ!」


 桜が貧民、桃華が大貧民となったのだ。そして4周目が始まる。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!


 面白い、続きが気になるという方はブックマークをしてお待ち頂けると幸いです。

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