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第16話 お泊まり会3

 私がお風呂から上がるとみんなテーブルにお皿とスプーンを用意してくれていた。


「みんな用意早くない?」

「そりゃー早く食べたいじゃん!」


「それに……お風呂上がりのアイスは格別ですもんね。」


 早苗の言葉には熱が篭っていた。確かにお風呂上がりのアイスやジュースはめちゃくちゃ美味しい!


「まぁ……そうね。で、プリンの方は冷えたの?」

「まだよ、こればかりはやっぱり大きいから中まで冷えるのに1時間はかかるかも……」


 文華がそう言ってアイスを持ってきた。買ってきたアイスは業務用の大きな物だ。


「バニラしかなかったからこれで我慢してね!」

「いいわよ。それより1リットルのアイスって初めて買ったのみたわ。」


「みんなで食べるならこれが良いって文華が言うからこれにしただけよ。」

「いいチョイスだよねー!私でもこれにするよ!てか、こういう時しか買えないじゃん!」


 桜は絶賛していた。私は箱たくさん入ってるのにしようとしたが今回はこちらの方が好評だった。


「スプーンで取り分ける?」

「アイスクリーム屋さんにあるあれはないの?」


「んなもんない!まずこんなの買わないから!」


 文華がいきなりとんでもない事を言った。まず同じ家にいてない事くらい知ってるだろうに。


「ええー、あると思ったのにー……」

「桃華もなんで期待してるのよ!逆に聞くけどみんなの家にはあるの?」


「「「ない!」」」

「なら、あるわけないでしょうが!」


「いやいや、もしかしたらワンチャンあるかもと……」

「あるわけない!ほら、スプーンで分けるよ!」


 ちなみに調べたところあの道具はアイスクリームスクープと言うらしい。なお、買う予定は一切ない。


「ホットケーキの上にアイスを置くと絶対美味しいよね。」

「あー、やってみたいけどなかなかやらないよねー!」


「ホットケーキミックスあったかな?」

「文華、作らなくていいからね!」


 というか、ホットケーキミックスとか買ってた覚えは私にはない……と言う事は文華は買ってきていたのだろう。


「ええー!なんであるかもなら作ってよー!」

「桃華、もう23時だし、プリンもあるんだから食べ切らないよ。」


「桃華ちゃん、これは理子が正しいよ。太りたくないでしょ……?」

「うーん……ダイエットしてるけど?」


 ここまで甘味に執着するとは……知らない事はまだまだたくさんあるようだ。


「文華、あるの?」

「たぶん……?」


 私は冷蔵庫を開けた。まだ卵も牛乳も残っていたから作れる。


「おっ、あるじゃん!なら私が作るよ!」

「えっ?桜が作るの?」


「じゃあ私も作るよ!」

「桃華まで?」


 なんと、桜と桃華が作ると言い出したのだ。私の家だから私が作るのが当然なはずで……


「いいよ!変に気を遣わないで。さっきもプリン作ってくれたんだから今回は任せてよ。」

「そうそう!だから今回は私たちに任せなさい!」


 桜と桃華がやる気なので私はやってもらうことにした。その後ろで不安そうな目で見ていた。


「いいの?」

「2人がやりたいのなら任せるしかないよ。私たちはゆっくり待っておこう。」


 私は文華の背中を押してキッチンから出て、アイスを一度冷凍庫に直した。そして早苗は何故かゆっくりくつろいでいた。


「早苗は手伝わないの?」

「うん、あのキッチンに3人も居たら邪魔になっちゃうから今回は待つことにします。」

「そっか……」


 早苗らしいと思った。そして私たちは待つことにした。そしてキッチンからは桜の怒号が聞こえる。


「桃華!卵の殻が入ってるじゃん!」

「あー!ごめん!」


「牛乳の量多すぎ!スイーツは量が重要なのに!あー!砂糖はもう入ってるの!入れたら焦げるじゃんか!もう向こうで待ってて!」


 最終的に桃華は追い出されたのだった。その代わりに早苗が変わってキッチンに向かった。そして戻ってきたら桃華に聞いてみた。


「ねぇ、桃華……もしかして料理苦手?」

「なんで?」


「いや、桜がめちゃくちゃ怒号を放ってたからさ。」

「桜が几帳面すぎるんだよ。少し殻が入ったくらいで怒鳴るし、量も少し多かっただけなのにあんなに怒るなんてね。近所迷惑だよね?」


 この考えは典型的な料理が下手な人考え方だった。次は絶対キッチンに入れないと誓った。


「料理は科学ですから、そこまでアバウトだと美味しくはならないですよ?」

「うーん……そうなのかな?」


「桃華は実験の時支持薬とかはしっかりグラム測るじゃん。それと同じで料理もそうしないと出来ないよ?」

「そんなものかな?」


「そんなものですよ。正確にやっていけばちゃんと作れる様になってるんですから。」

「じゃあ次はそうしてみる!」


 文華が意外と話が出来てて驚いた。3年間で少しはコミュ力も成長した様で安心した私、話が終わったタイミングでホットケーキを持った桜と早苗がキッチンから出てくる。私はそれを見て一度冷凍庫に直したアイスを持ってくる。ホットケーキは綺麗に焼けていた。焼いたのな早苗か桜かどちらだろうか。とても上手か出来ていた。


「殻は全て取ったと思うけど入ってたら桃華を叩いていいわよ。」

「なんでよ!」


「殻を入れた張本人でしょうが!」

「うぅ……優しくしてね。特に桜と理子」


「場合によるかな?」

「私は全力でいくわよ。」


 桜の全力発言に桃華は顔が青くなった。かなり痛いのだろう。まぁその心配は杞憂に終わるのだが食べ終わるまで桃華は味がしなかっただろうと思うと少し可哀想に思えた。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!


 面白い、続きが気になるという方はブックマークをしてお待ち頂けると幸いです。

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