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第12話 紹介

 3人が固まってる中私が真っ先に動いた……


「あの……文華さん?」

「うん!生きてる……よかった……」


「生きてるわよ!なんでそんなに心配してるのよ!」

「だって……遅くなる時は連絡してくれてるもん……」


「それは……悪かったわよ。でもここで抱きしめる必要あった?」

「うん、触らないと分からないから。」


 とりあえず文華の頭を撫でてあげた。まぁこのくらいはしてあげないといけないだろう。


「ほぉー……見せつけてくれますねー」

「百合の花が咲いてますね。」


 桜とそして珍しく早苗が私をイジってきた。そして忘れていた……今私の後ろには3人がいたことに……


「何よ、普通に良好な関係じゃない!」

「美人さんですし、理子さんにはピッタリですよ。」


「なんで早苗がイジってくるの?おかしくない?いつもそんな事しないじゃん!」

「いじってないですよ?本当のことを言ってるだけです。」

「なお、タチが悪いわ!」


 私が2人に反論してると桃華がいない事に気づいた。


「ふむふむ……なーるほどーー……」

「あ、あのなんですか?」


 そう桃華はずっと文華の観察をしていたのだ。


「な、何してるの?」


 私は少し引きぎみに聞いてみた。


「この子素材がいいわね!」

「素材?」


「ちょっとメイクさせてくれないかな?絶対可愛くなると思うんだ!」

「ダメよ!絶対!」


「ちょっとー!なんで理子が止めんのよ!」

「そうよ!決めるのは文華さんでしょ⁉︎」


 なんでって?止めるに決まってるじゃん!これからそのメイクをした状態で電車乗って帰るのよ?絶対トラブルにしかならない……てか、私の身が持たない!


「文華、嫌なことは嫌って言いなさい!あなたと私の為に?」

「えっ?あっ……はい!」


「こらー!理子無理やり止めさせたりしないの!」

「どうしたんですか?いつもの理子さんらしくないですよ?」


 確かに暑くなり過ぎてる……文華の事だとつい熱が入ってしまう。


「分かったわ。でも、今からはやめてほしい。たぶん男どもが群がって来ちゃうから……」


「あー、そういう事ね……だったら初めからそう言ってよ。感じ悪かったよ、今の理子。」

「うん、ごめん……文華も早苗も桃華もごめんね。」


「私は別に……」

「私もです。寧ろ余裕のない理子さんは面白かったです。」

「じゃあ金曜日にお邪魔していい?この子の潜在能力をフルに活用してあげるわ!」


 桃華は闘志を燃やしていたが、やめて頂きたい……私が軽く化粧しただけでも凄かったのにそれ以上は困る……


「本気はやめてね、あと、するなら私のアパートでお願い……私が化粧しただけでもかなり化けたからね。この子……」


「えっ?あのメイクが下手くそな理子で?」


 とりあえず桜は殴っておいた。そして話を戻す。


「とりあえずそれでよろしく!」

「分かったわ。本気が出せないのが残念だわ。じゃあ紹介してよ。その可愛い子ちゃんをね。」


「あっ、そうだった。姫鷲文華、私の幼馴染。今は浪人してるけど同級生だから。」


 私が文華の紹介をした後は桜、桃華、早苗と紹介していった。


「んじゃ!またね!」

「またねー!」


 桜と桃華は帰り道が別だからと校門前で別れた。早苗は駅まで付いてきてそこで別れた。


「あ、そうだ。文華さん、連絡先教えてくれる?何かあったら私も力になりたいの。」

「えっ……あっ……うん、分かった。」


「早苗、文華と話してもなかなか返事返してくれないよ?私だって返信が返ってくるのに2時間くらいかかるんだよ?」

「だって……勉強してて……」


「いいんです。文華さんが返せる時に返してくれれば……それに……2人に何かあった時は私に連絡してくれれば桜さんや桃華さんにも連絡がいけますから。」


「それもそうだね。文華も私以外と話さないと世界が広がらないもんね。」

「……ありがとう。」


 文華をみると何故か泣き出していた。


「な、なんで泣くの?」

「理子がいじめたからじゃないですか?」


「なんでさっきから私へのあたりが強いの⁉︎」


 さっきから私に攻撃的な早苗にツッコミをいれた。


「違うんです。嬉しくて……久しぶりに友達になってくれる人がいて……」

「ちょっと、私は友達じゃないのかい!」


 私の事を他所に早苗は文華に話しかけた。


「そうなんだ。もう私も桃華さんも桜さんももう友達と思ってるよ。2人にも教えておくから連絡してあげてよ。きっと喜ぶよ?」

「はい……!」


 いい感じに終わらせてるけど私は友達じゃない問題解決してないんだけど?


「ちょいちょい!文華さん!私は友達じゃないの?」

「……うん……理子は恋人だから……友達じゃないよ?」


 私と早苗が固まったのは言うまでもなかった。そして早苗は何を思ったのか私たちに向かって手を合わせた。私が弁明しようにも電車はやってきてしまった為に文華の手を引いて急いで電車に飛び乗った。


「ねぇ、さっきのわざとでしょ?」

「何のこと?」


 とぼけてる文華に手が出そうになるが公共の場では流石にまずいので堪えた。


「遅くなったのはごめん、連絡入れてなかったのもごめん……」

「うん……」


「でも、帰ったらお仕置きだからね!」

「……うん。」


 私の手を強く握った文華……この子が私の何に惚れたのやら……私には永久に分からないのだろう……

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!


 面白い、続きが気になるという方はブックマークをしてお待ち頂けると幸いです。

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