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戦い
イヤーイヤーイヤーイヤー
「ぐわーぐわーぐわーぐわー」
戦いはあまりにも一方的であった。
私の動きに、幽霊は全く対応できなかった。
面白いように、私の打撃が通っていく。
そして、幽霊は無様に床に伏していた。
表情には苦悶、そして困惑。
幽霊にとって、物理的な痛みは想定外だったのだろう。しかし、幽霊に触れられるということは殴れるということである。そして、物理が通るなら、幽霊なぞ私の敵ではないのだ。長年、格闘技を学んできた。素人なぞ全く問題ではない。そう自信を持って言えるほど、鍛錬を積んだ。ゆえに私は幽霊を恐れない。幽霊は殴って追い出す、これが私のやり方だった。
幽霊は地に伏していた。追撃をかけるか、思案する。
「ま、まて」
幽霊は無様に命乞いをした。
問題はつぎのフェイズに入った。
さあ、交渉の時間だ。