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紅蓮荘奇譚 弐  作者: 天城なぎさ
第弐拾弐話 迷いの杜
32/95

第弐拾弐話 参

「響希君、あそこに倒れてるの、妖だよね?」

「何処だ?」

「ほら、向こうの自販機の側」

「あ、あそこか。妖にしては、妖気がないように感じる」

「行ってみよう」


 学校付近まで戻ってきた私たちは、自販機の側で倒れている、妖か人間を発見した。

 妖だとしても、人間だとしても、どちらも大問題。妖だったら、穢れによるものかもしれないし、人間であれば、救急車を呼ぶ必要がある。


 信号が青であることを確認して、すぐさま自販機の所まで、走っていく。

 人間サイズの妖か、それとも……。


「妖だな。ここに来てやっと妖気を感じる」

「どうしよう。穢れかな」

「だとしたら、かなり危ない。白牙、すぐにシキを呼んでくれ」

『分かった。ここにいてよ』


 ずっと呼び出したままの白牙に、シキを呼んできてもらう。その間、倒れたままの妖は、ピクリとも動かない。


「妖気が弱くなっていってる」

「それにしても、髪の長い妖だな」

「そうだよね。綺麗な黒髪……」


 見た感じ女妖だろうか。だけど、見た目で決めつけるのは、よくない。


『ううぅ』

「あ、気がついた?」

『人間……?』

「そうだよ」

『ここに近づかぬ方が良い。穢れが、充ちている』

「玖琉様が祓ってくれるから、安心して」


 声を聞くと、女妖だったよう。穢れによって倒れていたらしい。


『玖琉様が危ない。この近くに、シキ殿が居られるはず。今すぐ、会いに行かねば』

「シキなら、すぐに来るよ」

「あまり喋らない方が良い」

『しかし、はぁ。はぁ。玖琉様がっ』


 シキが駆けつけてくれた時には、女妖は意識を失ってしまっていた。


『玖琉殿が危ない。ですか』

「何かあったのかな。ツグノハは、危機を知らないんだよ」

『今から行ってみましょうか。山野の地にいるんですよね?』

「俺たちは行けない。人間の事情がある」

『では、キノカサから乗せて貰いましょうか』

「でも、キノカサは出掛けてるでしょ?」

『帰ってきていますよ。妙月殿も一緒ですし』


 女妖を紅蓮荘まで運んで、木の間のベッドに寝かせる。

 キノカサが紅蓮荘の中にいたので、話をして。


『これから山野まで行くんだってな』

「キノカサ、俺たちを山野まで乗せてくれないか?」

『乗せるってより、連れてってやるよ。妙月もいることだ。俺が響希を運んで、妙月が華鈴に憑依すれば良い』

「あれは、ちょっと……」

『何か不満でもあるのか?』

「何て言うか。憑依されるのが、苦手で」

『妙月だから、何かあっても大丈夫だろ』

『長話はそのくらいで。玖琉殿の身の安全が、最優先です』


 妙月様が二階から降りてきた所で、すぐに山野まで送ってもらう。と、言っても、妙月様が私の体に憑依することになるけれど。

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