第弐拾話 壱
初日。誰も襲われることなく、一日目を迎えた。これから、話し合いが始まる。
「占い師は誰だ? 早めに名乗り出て欲しい」
しばらくの間、響希君の言葉に、誰も反応しない。そして、白牙が言う。
『ボクが占い師だよ。黒牙を占ったけれど、黒だった』
「待って。私が本当の占い師。黒牙を占ったけれど、白だった。私が本物だから、白牙が黒だと思う」
『白牙か華鈴殿のどちらかが、嘘を言っていることになりますね』
『オレは白だ。華鈴がそう言っている』
「僕は、村人です!」
いきなり始まった、僚君のカミングアウト。
今回は、村人が三人、人狼が一人、狂人が一人、占い師が一人。
「響希は、村人?」
「俺は村人だ。村人が三人だから、俺以外の二人が村人だろ」
『今、村人だと言っているのは、響希と僚の二人。オレは、華鈴が言っていたように白だから、これで三人』
『ちょっと待って下さい。私も村人ですよ』
「村人が四人? そうなると、一人が嘘を言っていることになるけど。私は、次で四人の誰かを占う」
『ボクが占ったら、黒牙は黒だったから、黒牙が怪しい』
話し合いタイムが終了し、投票の時間。そして、吊られたのは、斑牙。
『私のようですね』
「人狼に襲われたのは、誰?」
「襲われたのは……。華鈴」
二日目。人狼に襲われたのは、私だった。ここで、私と斑牙は、水の間の片隅へ。
水の間の、丸テーブルを囲んだ、響希君と僚君と、人の姿の白牙と黒牙。
『私たちは、ゲーム何たらという者でもしていましょうか』
「そうだね。見てるのも、暇なだけだしね」
私たちが抜けても、話し合いは進んでいく。誰が人狼なのか、未だに分からないまま。
『華鈴が襲われたなら、華鈴が占い師であった可能性が高い』
「そうなると、占い師を名乗っていた白牙が、人狼か」
「だね。白牙が黒だと思うけど」
『分かんないよ? 華鈴が狂人で、ボクが占い師である可能性だって、ゼロじゃない』
「そうか。今回は、狂人がいるのか」
「そうそう。もし、りんちゃんが狂人だとしたら、斑牙が占い師だったってことにもなる」
『斑牙姐さんは、名乗りでなかった。それなら、斑牙姐さんは村人だろ』
「そうなると、村人に斑牙が確定。ってことか?」
話し合いタイム終了。そして投票へ。
「私が発表するね。吊るされたのは…………。白牙」
『ボクぅ!? 吊られたの!?』
「そうだよ。白牙はここで終了」
『そんなぁ……』
そして、もう一つ。人狼は黒牙を襲った。そして……。
「そして、人狼は黒牙を襲ったことにより、人狼の勝利!」
「やった! 僕の一人勝ち!」
『僚殿でしたか』
「そうなると、村人は俺と黒牙と?」
『私が村人ですよ』
「私は占い師ね。白牙が名乗り出た時、ちょっと驚いた」
『ボクが狂人だよ!』
こうして、ゴールデンウィーク初日の、人狼ゲームは幕を閉じたのであった。




