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クラスメートが主人公だった

 眼下には陰陽師と聖職者の血肉が死体が無残に散らばり、厄災級悪魔・七つの大罪・怠惰の眷族が暴れている。

 怖い、怖い、怖い、お父さん、お母さん。助けてよ・・・


 グサ


「これは仕方ない、仕方ないんだ。生贄にお前を目障りで目障りなお前を生贄に~~~こうするしかないんだ、だから生贄になれなれなれ死ね。そもそも、俺はお前がずっと気に食わなかったんだ。だからこれは正しいことだ」


 ・・・・・・・・・


 お父さんが同じ陰陽師に後ろから不意打ちで心臓をナイフで貫かれていた。


 グサ


「神よ、神よ、神よ、愚かなる彼女の魂を捧げます、不徳にも陰陽師と結婚しあまつさえ子供を作った悪しき悪しき悪しき彼女の魂を捧げます、だから、あの悪魔を封印したまえ」


 ・・・・・・・・・


 お母さんが同じ聖職者に正面から思いっ切り心臓をナイフで貫かれた。


「ああああああああああああああああああああああ」


 叫んだ、叫んだ、叫んで、俺のお父さんをお母さんを殺した奴を殺そうとしたが。押さえつけられた、いきなり後ろから陰陽師と聖職者達に押さえつけられた。


「黙れ、お前はこれから、超級悪魔怠惰を封じ込める器になるんだ」

「何を、このクズ共め、ぶっ殺しt」


 殴られた。

 そしていきなり激痛が走った、何がどす黒いものが身体に入り込んできた。


 痛い、痛い、痛い、助けてくれ、誰か、誰か、お父さん、お母さん、助けてよ、あああ、痛い、痛い、痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。絶対に殺してやる。お前らを殺してやる。生まれて来たことを後悔させてやる。

 俺は俺はお父さんとお母さんの敵を絶対に打ってやる。

 俺はお前らを絶対に許さない。

 絶対に絶対に殺してやる。殺してやる。地の果てまで追いかけて殺してやる。


 ――――――――――


「ああああああああ」

 叫んでベットから起きる。


 ハアハアハア


「またあの夢を見たの、大丈夫だよ、陰晴には私が付いているよ」


「イト、イト、イト」

 俺はイトに抱き着く、抱き着いて涙を流す。


「イト、イト、イト」

 俺はイトを抱きしめながら何度も彼女の名前を叫ぶ。


「大丈夫、大丈夫、大丈夫だから」

 そう言ってイトは俺の背中を優しくなでてくれる。


 ああ。癒される。本当に癒される。また復讐という名の恐ろしく闇の飲み込まれるところだった。復讐に飲まれたら俺は確実に俺じゃなくなる。

 陰陽師と聖職者を殺す殺戮マシーンとなり果てる。それは確実にお父さんもお母さんも。そして俺も望んではいない最悪の未来であり結末だ。


「ありがとう、イト大分落ち着いた、じゃあ、もう一回寝るよ」

「はい、お休みなさい、陰晴」

 そして、俺はイトに抱き着きながら二度寝をした。


 ――――――――――

 朝起きたらいつものように左手に巻いてある封印の包帯を新しいのに巻きなおしてからイトの作った美味しい朝ご飯を食べながらバトラーから最近の報告を受けてから適当に指示出して歩いて学校に行く。


 学校に着いたらいつものように過ごすつもりだったのに、いつもとは違うことが起こった。


「あのう、勇気君今日の放課後二人きりで話したいことがあるのだけど、校舎裏にある桜の木の所まで来てくれる」

 と白木さんが勇気に言いおった。

 

 マジでいいおった。いいやがった。これは、誰がどっからどう見ても告白の前振り。白木さんもとい白木 香といううちのクラス一番の美少女にして校内でも一位二位を争う美少女。

 更に性格も良く男子の間に開催される彼女にしたいランニング不動の一位がそう言ったのだ。

 これは荒れるな。それはもう盛大に荒れるな。


「あ」


 パタン


 俺の隣にいた友達、絶賛白木さんに片思い中の越田がぶっ倒れた。気持ちは分からなくはない。

 だって越田は本当に白木さんのこと好きだからな。


「越田、起きろ、しっかりしろ、越田」

「ハハハ、これは夢だ、夢なのだ」

「越田、戻ってこい、越田~~~~~~」

 俺の必死の読みかけの結果。一応戻ってきた越田、良かった。


「すまん、ちょっと幻聴が聞こえて、倒れてしまった」

 いや、駄目だ、戻ってきてない。


「おい。越田このまま倒れていいのか、お前の白木さんへの思いはそんなものか」

「陰晴、違うんだ。白木さんへの思いが大きすぎるから倒れるんだ。後は頼んだ・・・ぞ・・・」

 越田は倒れながら俺に手を伸ばす。俺はその手を掴んで更に言った。


「待て。越田。起きろ。お前の目で白木さんと勇気の会話を見守れよ」

「そうだな。分かった。俺頑張るよ」

 そして越田は復活した。良かった良かった。


 そんな俺達の会話もとい茶番をよそに白木さんと勇気は何故か互いに黙って顔を見合わせて、少しの沈黙を隔てて、勇気が顔を赤くしながら言った。


「うん、分かった。今日の放課後、校舎裏の桜の木に行けばいいだね。そこで二人っきりで話しがあるんだね、楽しみにしてるよ」

 勇気のその告白オッケーみたいな言葉に対して。


「そう、二人っきりで話があるの」

 二人っきりでをかなり強調して白木さんが言葉を返した。


「あ」


 バタン


 越田がまた倒れた。


「越田、戻れ、戻ってこい越田、おい、おい」

「すまん、陰晴俺はもう駄目だ」

「おい。越田。起きろ。諦めるな。まだ傷は浅いぞ。越田~~~~~」

 そして越田はショックの余り気絶した。


 ――――――――――


 そこからは丸一日かなり大変だった。

 取り敢えず気を失った越田を保健室に連れていき。

 教室に戻ったら何人かの男子生徒と女子生徒が世界を怨むような感じになっていた。


 ついでに他のクラスの人も何人か同じように世界を怨み始め。授業中も皆ソワソワして、先生の中には何事かと叱る人もいたがしょうがない青春だものとか言う先生もいた。

 結果各授業は全部グダグダで、皆勇気と白木さんの話題で持ち切り。まあ、半端じゃなかった。

 でもまあ。それはそうだなって話だ。

 だって白木さんに片思いしている男子は滅茶苦茶に多いし。勇気に片思いしてる女子も滅茶苦茶に多い。

 そんな校内一と言っても過言じゃない美少女と確実に校内一イケメンの勇気が付きあうフラグを立てたんだ。


 皆気が気じゃないだろ。ほんでもってたちが悪いというか何というか。皆心のどこかで勇気と白木さんならありと思ってる事なんだよな。

 もしもこれが白木さんと俺だったら俺皆の嫉妬で殺されそうだしな。まあ、イト一筋なんでそんなことはありえないけど。


 しっかし白木さんと勇気か。いやはや白木さん陰陽師だし、色々と障害あるだろうな。もしも本当に勇気が付き合うってんなら、かなりの覚悟と才能を持って大金を稼いだりして何らかの形で陰陽連に貢献せんといけんだろうな。いやはや可哀想に。

 まあ、もちろん勇気が陰陽師の才能があれば話は別だけど。それも飛び切りの才能が。まあ、それは流石にないか。ライトノベルじゃあるまいし。


 ――――――――――


 そんなこんなで時は流れ、放課後になった。

 かなりの数の生徒が校舎裏の桜の木が見える場所に隠れた。かくいう俺も越田に連れられて鞄も持たぬまま連れてかれたのだが。

 皆が今か今かと待ちわびている時、まず来たのは勇気だった。


「お前ら、コソコソと隠れて見るな、白木は俺に二人きりで話がしたいといった。それを破るような真似をさせるな」

 勇気のかなり響く声でそう言われて、俺は私は隠れて見るなんて勇者というか愚者はおらず皆その場を離れた、かくいう俺もごねる越田を無理やり掴んでその場から離れる。

 しっかし勇気、心がイケメンだな。白木さんの為を思い。一切臆せずに外野をどかすために堂々と声を上げるとは。いやはややはや。イケメンですな。


 そして、勇気と白木さんの行方を見ようと企んでる越田を無理やり部活に連れてって先輩に預けたら教室に戻る。

 越田のせいで鞄を回収できてないのでな。

 そうして鞄を回収して、さあ、家に帰ろう。そう思った時だった。

 校舎裏の桜の木の辺りから上級悪魔の気配がした。それも少しは弱っているという最悪の状態の上級悪魔が。


 基本的に上級悪魔は自我があり陰陽師と聖職者を恐れて積極的には人を殺さないのが多いがしかし弱っている状態だとそうもいってられずに力を回復させるために人を襲いまくる。それはもう襲いまくる。ほんで結構被害が出る。

 その上狡猾なんで力強い陰陽師が来る前に逃げる。


 ・・・・・・


 ヤバくない、それにあそこには栄養たっぷりのカス陰陽師白木さんがいるんだぞ。


「クソッタレ、早くしないと不味い。白木さんがそして勇気が殺されてしまう。そうなったら確実に面倒だ。それに越田が悲しむ」

 俺は一人そう叫びながら窓を開けてジャンプする。そうしてそのまま走って校舎裏の近くにいくと眼鏡外して黒い髪を・・・以下略

 戦闘モードにして、その場所に向かう。


 そして慌てて向かったら驚きの光景が広がっていた。


 ようはつまり何があったかというと勇気が陰陽師になっていた。


 いや、違う。所々聖職者の力も感じる。

 コイツ、まさか俺と同じで陰陽師と聖職者の力を使えるってことか?

 いや、ありえない、今まで俺はコイツからただの一度も陰陽師もしくは聖職者の力を感じたことは無かった。じゃあどういうことだ?


 もしかして今さっき陰陽師と聖職者の力に目覚めた。いや、だけど今弱体化しているとはいえ上級悪魔と互角に渡り合っている。そんな事がついさっき力に目覚めた奴が出来るか、いや、でも、そうとしか説明はつかない。


 ・・・・・・・・・・・


 とんでもないな、才能の塊だ。

 これから強くなったら勇気はそれこそ厄災級悪魔を一人で殺せるレベルの化け物になるんじゃ・・・。そうなると新しい最強の誕生というこか・・・・・・。


 恐ろしいなそれは。さて、これからどうしようか、少なくともこれから勇気を巡って様々な組織が争いを始めるだろうま。そうなったら、絶妙なバランスで動いている組織間のバランスが崩れて大きな争いを起こす可能性は相当高い。

 そうなったらばかなりの高確率で俺にも迷惑がかかる。

 それこそ人が何千人何万人と人が死のうとも勇気という規格外の存在の為ならばどこもそれ相応の無茶はするだろう。悪質な組織となれば学校の皆に勇気の身内等を捕まえて脅し奴隷契約を結ばせる程度のことは余裕でするだろう。


 勇気にはそれだけの価値がある。

 ぶっちゃけ最善案としては今この場で勇気を殺すなのだが。俺もそんな酷いことは出来ない。流石にクラスメート殺しはヤバすぎるしね。

 さて、勇気という爆弾をどうするか。

 そう悩んでいたら。


「くらえ、悪魔め。我が手に具現せよ・霊剣。ハアアアアアア。切り裂け」

「グAAA、この我がお前のようなお前のような憎き安倍晴明の血を引く者に殺されることになるとは・・・」


 そう言って上級悪魔が灰になって死んだ。

 って待て、待て、待て、今あの悪魔、安倍晴明っていった。

 うわ、マジかよ。価値が上がったよ。安倍晴明って陰陽師の中では神みたいな存在よ、その血を引いているんだよ。こりゃ、ヤバいわ。どうするか・・・本気で殺、それは駄目だ・・・、じゃあ、能力を封印するっても、まあ才能で解けるだろうし。


 ・・・・・・・・・


 どうしましょうか。


 ・・・・・・・・・


 よし、決めた監視しよう。丁度いい感じで隣のクラスに俺の眷族の猫子っていう女の子がいるし、そいつあてがって監視しよう。

 ほんで、俺に有利に進むように誘導していこう。ついでに勇気の家族に眷属を送り込むと同時に学校に配置している眷属を増量しよう。

 そうしよう。そうしよう。さて、家に帰ってイトに甘えるか。ぶっちゃけ今日は相当疲れた。朝から嫌な夢見るわ越田は倒れるは勇気は安倍晴明の血を引く大物と判明するわ。本当に疲れる一日だった。

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