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俺には愛が足りていないんだ

 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い。

 アイツが憎い。憎過ぎる。殺してやりたい。殴ってやりたい。蹴ってやりたい。精神をボロボロにして生まれて来たことを後悔させてやりた。

 アイツの全てを奪いたい。家族も恋人も友人も全てを奪って孤独にした上で殺したい。

 復讐だ。復讐だ。身の漕がれるような復讐だ。

 俺の人生はアイツらによって狂わされた。だから復讐をすると決めた。


 アイツらをあのクズ共をぶっ殺したい。

 そして俺は一人殺した。それも俺の母親を殺した、心の底から憎むクズを殺した。

 この手で殺した。

 痛覚を倍増させたうえで、地獄を味合わせて殺した。

 殺しはずだ。なのに何故だろう全くスッキリとしない。

 心の中にあるわだかまりは消えない。それは何故だ?


【殺したりないからだ】


 声が聞こえた。


 ああ。そうだ殺したりないんだ。


 俺の復讐相手はあのクズだけじゃない。まだまだいっぱいいる。俺の父親を殺したクズに俺を押さえつけて無理やり七つの大罪・怠惰を封印させたクズ共に、まだまだ復讐相手はいっぱい。本当にいっぱいいる。


 だからそうだ。殺そう。そいつらを殺そう。殺して殺して殺しまくろう。

 それでもまだ心のわだかまりが晴れないのであれば、俺を俺の両親を戦いに行かせた陰陽師の上層部を正教会の偉そうにしたオッサンどもを殺そう。

 殺して殺して殺してやろう。


【そうだ。それでいい】


 そうだ。それでいいんだ。俺は何も間違っていない。


【そうだ。間違っていない。それは正当な権利だ】


 そうだ正当な権利だ。両親を殺され身体に七つの大罪・怠惰という大きな怪物を封印されてしまった哀れな俺の正当なる権利だ。


【殺せ。殺せ。殺せ。陰陽師を殺せ。聖職者を殺せ】


 ああ。そうだ殺そう。陰陽師を殺そう聖職者を殺そう。


「陰晴、起きてください。朝ですよ」

 目の前に天使がいた。俺の愛する天使がイトがいた。イトが俺にいつもの様に身体を優しくゆすって起こしてくれた。

 その瞬間。俺の中にあったわだかまりは溶けた。


 俺がもしも今日の夢通りに陰陽師を聖職者を殺しだしたらきっと今の日常は崩れ去るだろう。

 イトとイチャイチャ出来る、この素晴らしい日常は崩れるだろう。

 そんなものは到底許容できるものではない。


「ああ。イト。イト。イト。大好きだよイト、ずっと一緒にいてくれよな」

 俺は気が付いたら泣きながらイトを抱きしめていた。多分俺は温かみを愛情を求めていたんだと思う。俺の心にあったわだかまりはきっと愛が足りてないから来てる物だと思う。ああ。だから俺にはイトが必要だ。イトがいなければ俺は駄目だ。


「もちろんですよ。陰晴。ずっと一緒ですよ」

 そして気が付いたら俺は1時間ほど激しくイトとイチャイチャしていた。

 うん。何か凄く落ち着いた素晴らしい気分だ。

 1時間前まで復讐心に支配され、陰陽師と聖職者を殺戮しようとか考えていたのが噓のようだ。


 つか、あれ?そういえば何か俺を唆すかのような声が聞こえてたよな。

 ・・・・・・・

 あれ、何だ?

 いや。何だじゃないな。明確だわ。答えは俺の体の中にあるわ。比喩とかじゃなくて本当に言葉通りに。


「だろ。怠惰」


 ・・・・・・・・・・


「まあ、答えてくれるわけないか。ハア。にしてもこうして怠惰が干渉してくるのは怠惰をこの身に宿した時のあの日以来だな。何か凄く懐かしく感じるよ」


 ・・・・・・・・・・


「まあ。沈黙やな。そんでもあれなんやな。俺の精神状態が不安定になるとすぐに噛みつこうとするやろ。でも、もう無駄だぞ。俺にはイトがいる。イトがいる限り俺が崩れることはないからな。じゃあイトがいなかったら崩れるかって?それはもちろん崩れるな。でもそんなことは起きない。何故なら俺が絶対にイトを守るからだ」


「もう。陰晴そんな恥ずかしいことを堂々と言わないでよ。でも嬉しい。ありがとう」

「そうか。ああ。何だろうお腹減ったな」

「あ。陰晴。シチュー出来てるよ。今温め直すから一緒に食べよう」

「そうだな。一緒に食べようか」


 そしてイトと一緒にシチューを食べました。とても美味しかったです。

少しタイトルを変更しました。

もしかしたらまた変えるかもしれませんが許してください。

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