特に猫を被る必要性を感じません
「私がお迎えに行ければよかったのですが。
お迎えは不要だとのことでしたので。」
「ああ(ФωФ)
お気遣いどうも(ФωФ)
さすがに団長がお迎えなしでたどり着けないって言うのもどうかと思いましてね(ФωФ)」
「そうですか。
お伺いしていた時間を過ぎていたので何かあったかと心配していました。」
「ああ(ФωФ)
謁見は滞りなく早めにおわったのですが途中第1師団長とかいう人に会いましてね(ФωФ)
お待たせしてすみませんでした(ФωФ)」
リリアはペコリと頭を下げた。
「え!?
第1師団長様に!?
だ、大丈夫でしたか?!
あ、あの、第1師団長様はその、あの……」
「ああ(ФωФ)
私が魔術師団長にふさわしくないとか女を戦場に連れていけるかとかなんか色々言ってましたね(ФωФ)」
「な、なんてことを!!?
あ、あの、貴女の魔術師団長就任には多くの者が賛成しています。
第1師団長様はその、何でも反対するところがあるというか……
とにかく、第1師団長様のいうことはおきになさらず、どうか気を強く持ってください。」
根っからの善人であるマイクは、まだ若い女性であるリリアが強面の第1師団長にいきなり詰め寄られて気落ちしているのではないかと心配しているようだ。
「いや(ФωФ)
どちらかというとウィリアム第1師団長の方がまともだと思いますが(ФωФ)
大体私のことをよく知りもしないでただ『グラン・クロフォードの孫』って理由だけで魔術師団長にしても大丈夫って思想がもう「え?それで大丈夫?」って感じなんですけど(ФωФ)」
「………は?」
「やれやれ(ФωФ)
さすがに国王陛下の前で地がばれるとまずいって父上達が言うから黙ってましたけど、貴方の前で猫をかぶり続ける意味はないし、さすがにずっとかぶり続けるのは無理なんで、いきなりは無理だと思いますが、まぁ慣れてください(ФωФ)
なるべく早めに(ФωФ)
まぁ、貴方はできた方みたいですから大丈夫でしょう(ФωФ)」
リリアは頑張ってくださいと他人事のようにしれっと言った。
「え、あの、なれ?
え、いや、自分は平民出身で、たまたま皆さんによくしていただけて副団長になれただけで。」
「いやいや(ФωФ)
いくら勅命とはいえ、年下のただ伝説の魔術師の孫ってだけで特に実績も何もない女に最初から丁寧に接する辺りで貴方の人柄はわかります(ФωФ)
なんでも唯々諾々と受け入れて、その中で最大限努力をして、結果貧乏くじをひいても甘んじて受け入れる(ФωФ)
いやはや私は今ちょうどそんな人がいないかなと思っていたところなんです(ФωФ)
もはや貴方は神が私に与えたもうた奇跡です(ФωФ)」
リリアは御協力ありがとうございますといってマイクと無理矢理握手をしてぶんぶん握った手を振った。
『ああ、こんな都合が良さそうな人間が副団長なんて(ФωФ)
きっと神様も私に早く団長をやめるように言っているに違いない(ФωФ)』
リリアはポジティブに神様の意思を捉えたが本当に神様がいるとしたらそもそもリリアみたいな人間を団長にはしないと思われる。