見るからに苦労性な人です
「第1師団長様にそんなことを!!??」
「うん(ФωФ)
ほら、なんか私の中の騎士道精神?的なものが嘘はよくないですよみたいなことをささやくからさ(ФωФ)
いたしかたなく?(ФωФ)?」
「うが~~~~~~~!!?」
リリアは呆然としているウィリアム第1師団長を置き去りにして一人で魔術師団に来た。
元々今日は国王陛下に挨拶しないといけないと言われて祖父と父親と兄と一緒に出勤して無事朝一で国王陛下との謁見は済んだ。
国王陛下はリリアに色々聞きたいようだったが祖父と父親がリリアの、ぼろがでないうちにうまいこと早めに終わらせてくれた。
祖父と父親と兄からは
『とりあえず何もしゃべらず、だまっていろ』
と何回も言われていたのでリリアは終始無言で謁見を終えた。
『挨拶に来てしゃべらないって意味なくない?(ФωФ)?』
とリリアは思ったが祖父と父親、兄を困らせたいわけではないし、別によく知らないおじさん(国王)とおしゃべりがしたい訳でもなかったので大人しくしたがった。
挨拶が終わった後は魔術師団に行かないといけないそうだがリリアは祖父からの付き添いの申し出は拒否した。
「国王陛下への挨拶は我が家としての挨拶って意味もあるからしょうがないとしても、お飾りとはいえ団長が保護者同伴っていうのはちょっと(ФωФ)
どうせ明日からは一人で行きますし(ФωФ)」
グラン達はリリアを心配したが、リリアのいうことはもっともだったので強く反対はしなかった。
謁見の間から出たところで解散となり、リリアが一人で魔術師団に行こうとしたところを待ち伏せしていたウィリアムに捕まったのだった。
その後予定通り魔術師団が入っている建物の入り口にたどり着くとまだ30歳位の背が高くて体格のいい男性がリリアに話しかけてきた。
「お待ちしておりました。リリア・クロフォード様。
私は魔術師団副団長のマイクと申します。」
マイクと名乗った男は深々と頭を下げた。
「ああ(ФωФ)
どうも(ФωФ)
リリア・クロフォードです(ФωФ)
よくわかりましたね(ФωФ)」
「リリア・クロフォード様のことはグラン・クロフォード様のお孫様として何度かお見かけしたことがありましたし、今日いらっしゃることは事前に連絡していただいてましたから。」
マイクはにこりと笑いながらいった。
マイクはグランの信奉者であり、夜会の警備に当たっていたときグランや同伴していたリリアのことも見かけたことがあるといった。
「それはそれは(ФωФ)
とりあえずリリア・クロフォード様というのは勘弁してください(ФωФ)
何だか背筋がぞっとしました(ФωФ)
そうですね(ФωФ)
一応今日から団長ですから色々思うところもおありでしょうが私のことは団長と呼んでください(ФωФ)」
「呼び方については了解しました。
思うところなどありません。
私は国の決定に従うまでです。」
マイクは苦笑しながらそういって太めの眉を八の字にした。
『はい、苦労性な人はっけーん(ФωФ)』
リリアは今後の『自分ではなく他の人の力でなんとなく魔術師団長をクビになる作戦』に使えそうな人材を発見した。
今日だけでもう二人目の発見である。
(注 一人目はウィリアム第1師団長)
リリアの作戦は前途洋々順風満帆であった。