-翠色銀河へ-
今月も間に合ったぞぉ
ワープゲートに入るや否や、計器類がエラーを吐いた。やかましい警告音が鳴り響く、事前に言われていた通りに警告音を解除する。
しかし、自機の座標や敵との距離、高度や速度のメーター類が0、もしくは狂ったようにクネクネと動いている。実際、星空の機体に装備されているセンサーやレーダーはゲート内での運用を考慮されていない。エラーを吐くのも道理だ。
ゲートの内部は、外とは別の宇宙が広がっているようだった。宇宙のような空間に青色や、紺色に近いようなし、星雲に近い見た目をしたガスのようなものがいくつもあった。遠くには星のような光、それもたくさんの。星空は、彼女のことを思い出していた。ある星が見える丘の上での出来事を。
数分の間同じ風景が続いていた。星空たちはついにゲートの外へ出る、目の前が眩い光に包まれ、その後見慣れた黒い空間にたくさんの輝く恒星たちが姿を見せる。
だが、それだけではなかった。
「すごい数の小惑星だな」
そう、ゲート周辺には大小様々な小惑星がそこら中に点在していた。その隙間からはまた違う宇宙が見えていた。小惑星の隙間は艦艇数隻が通過できるかと言ったところだろうか。いずれにせよ2隻同時にワープアウトするにはいささか手狭だ。故に1隻ずつワープアウトすることになった。
それに引き続き周囲の警戒、偵察に入った。
『各機周辺を小隊規模にて警戒に当たれ、偵察機はドローンの展開を急ぐんだ』
アドリアンが部隊全体に命令を下す。言われた通りに小隊を組み周辺へ散らばる。
結果として今回のの偵察では敵を見つけることは出来なかった。しかし、星空は偵察中に、形と大きさが妙な小惑星をいくつか見つけていた。それをアドリアンに伝えた。
『そうか、サイズは縦450m、幅70m、高さ50m程度の小惑星か、そいつを近くで確認はしたか?』
「いえ、推進剤を考慮して近くまで行けませんでした。しかし、件の小惑星ですが、ほかの小惑星とは少し離れたところにあるので。偵察ドローンを飛ばしてみてはどうでしょうか?」
『無理だな、推進剤を切らしている。スペアも先刻出立した』
この時、そのほかの偵察用ドローンも推進剤を全て使い果たしていた。バッテリーを切らしているものまでいる。ドローンを使い捨てれば話は別だが、みすみす、一機数億円もする偵察ドローンを簡単に捨てるような行為はできない。
「ですが、」
『わかっている、お前の言いたいこともわかる。この宙域やけに静かだ、嫌な予感がするよ』
アドリアンはこの時、やけに嫌な汗をかいていた。もしかするとこれは罠で、どこからか自分たちを狙っている奴がいるのではないかと。
「予備の燃料タンクで補給をしてきます」
『あぁ、わかった行ってこい、偵察を許可する。しかし、無理はするな』
「ありがとうございます」
その背後で3機の戦闘機がゲートの中へと消えていった。
同日 大ジャンドルフ帝国 帝都 スラッジグラード
帝都の中心地、そこには国家を動かすための機関が集結するところである。様々な省、公共組織の拠点となるビルが立ち並んでいる。その中にポツリと昔ながらの石積みで作り上げられた立派な建物がある、国会議事堂だ。正面にはいくつもの帝国旗が掲げられている。その中で今国家方針を決める重大な会議が行われていた。
陸軍の軍服に身を包んだガタイのいい男が、
「現在我が西方方面軍は、目標であるセリアス運河の手前のアンバー山脈へ到達。現在アンバー要塞攻略作戦を実施中。双方現在膠着状態に陥っています。総統閣下の予定より少しばかりの遅れが生じていること申し訳ございません」
総統閣下と呼ばれた男、黒を基調とした服に身を包むこの男こそが、後に民主主義の産んだ独裁主義者と呼ばれた男。ガリス・バードレイ・バッヅレイだ。
「気にする事はない。あの作戦は予定であり決定事項ではない。焦ることは無い、焦ると本来出せるはずの力を発揮できなくなってしまう。それこそ私は許さない。しかしながら確かに、件の要塞は相当強固なものだそうだね。話によると従来の対要塞砲では破壊できないそうじゃないか」
「現在、爆撃や自走砲、対地ミサイルなどを使い総攻撃を仕掛けていますが未だ効果は見られません。陸軍とし冬を待ち兵糧攻めに...」
「それでは兵が持たぬ。少なくとも今年の夏中にはそれを突破せねばならんのだよ。空軍に私から対地鉄杭弾頭の使用申請しておくよ、大攻勢を行う際にでも使いたまえ」
「はっ、ありがたく使わせていただきます」
「次は海軍だね...」
総統閣下に呼ばれ、紺色に金の刺繍をあしらった服を着た将校が立ち上がる。
「はっ、我が帝国海軍は現在西北諸島の奪還っと共に敵の東側への上陸作戦を行うための準備を行っております。並びに通商破壊作戦も滞りなく遂行しております。しかしながら敵の...」
廊下の外から廊下を走る音と共に「ハアハア」と息を立てた1人の宇宙軍兵が会議室へノックもせずに『バタンッ』と音を立てて入ってくる。
「ノスタル貴様、何を考えている。入室の際にはノックをしろ、ノックを」
宇宙軍将校が入ってきた兵へ向かい冷たい視線を送り付けていた。
「会議中失礼します。至急お伝えしたい情報があります」
「それほど慌てるんだ、さぞかし緊急を要するものなのだろう」
「はっ。本日、帝国時間17:55にFゾーン67エリア、共和国軍の転移ゲート付近にて多数のワープアウトを確認。中には大型艦規模のものも確認しました。近くにいた艦隊が確認に出たところ」
将兵が唾を一飲み。
「どうしたのだね。迎撃に出た艦は」
「それが...。ホープ軍と思しき艦を確認、戦闘になりました。現在も戦闘中とのことです。」
どうも最近は朝が寒すぎて布団が恋しい三富三二です。毎朝起きるのに四苦八苦しております。
ところで今回はあまり話は進みませんでしたが、敵の親玉やつが出てきましたね。あの口調どこかで見たことがあります。もしかすると「ザー ベルク」とか言っているかもしれませんね。
実の所、この後どうやって話を進めていくか完全に考えていません。なので来年最初は投稿遅れるか延期の可能性 大 です。なので来年一発目は期待しない方が良きかと存じ上げます。
後書きもここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
気づけばこのストーリーも25部を超えています。
いやはやどこまで続くのやら。
誤字脱字の報告、感想等気軽にお願いします。
本日はここまで、では次回会う時まで。
制作時BGM 9-nine- OP「InFINITE Line」




