第4話 戦闘
誤字脱字など報告してくれるとありがたいです。
早速オレ逹は探索を開始した。
方向は適当に北を選ぶ。このまま一直線に歩けば、少しは森の外に近づくだろう。
敵に出会わないように、慎重に歩を進める。氷大狼に乗って移動する事も考えたが、即座に攻撃出来ないデメリットが在るので、行っていない。
ミスリルのガンガレットと疾風の具足はオレがつけ、風精霊の髪飾りはミデンに着けさせた。白い髪に、木の装飾があしらわれた薄緑色の髪飾りは良く映える。
周囲を警戒しながら進んでいるオレ逹だが、一直線に此方に向かってくる敵の表記がMAPに写った。
どうやら避けられない戦いのようだ。オレは武装を着ける為に、あるコマンドを唱える。
「武装装着開始」
すると、装備欄につけていた武装が、実際に装着される。
これは所謂、ショートカット機能だ。ぶっつけ本番だが、上手く行ったようで何よりだ。
オレが後衛、ミデン、氷大狼が前衛の陣形で迎え撃つ。
ここで、漸く襲撃者の姿が見えてきた。しかし、その形相は、余りにも人間とかけ離れるモノだった。
背は子供程に小さく、肌は緑色。手には使い込んでいる事がよく分かる、ボロボロの剣を携えていた。黄色く濁った目で、此方を睨んでくる。
ゲームのモンスターで有名な、小鬼の容姿とそっくりだ。
だが、オレはこいつがただのモンスターでない事を知っている。メニューには鑑定機能があり、そこで表示された小鬼の簡易ステータスがこれだ。
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名前 なし
種族 剣聖小鬼
年齢 54
職業 |剣聖《SwordMaster》Lv40
Lv183
HP 36600/36600
MP 10/10
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まずレベルがおかしい。通常、小鬼のレベルは5~20だ。それが183などふざけているとしか言いようがない。
早速全滅の予感がしてきた訳だが、ミデン逹は諦めていないようで、此方の指示を待っている。
……従者逹が諦めずに主が諦めてどうすんだ!
オレは従者逹に指示を飛ばす。
「ミデンは飛翔斬撃で距離を保ちつつ攻撃!氷大狼はその援護!」
すると、それぞれが構えだした。
小鬼はただ此方を睨み付けて動こうとしない。オレはそいつに向けて、弓を引き絞り矢を放った。
結構な速さで飛んで行った筈なのだが、小鬼は虫を追い払うかのように、無造作に切り払った。
その隙を、ミデンは見逃さずに斬撃を飛ばす。小鬼はそれさえも予想していたかのように、斬撃を自分も飛ばして相殺する。
(こいつ本当にゴブリンか!?)
そう思わずにはいられない程に、このゴブリンは通常とかけ離れている。
例え、この戦いを切り抜けられたとしても、この園のモンスターが全てこんな、化け物揃いならば生きていられるか不安でしかない。
そう考えていたのだが、何故か小鬼は500ダメージを食らっていた。確か、『聖剣:カラドボルグ』の追加攻撃の効果だったと思う。
これなら勝つ可能性があるというモノだ。ダメージを食らった小鬼も不思議そうに手を開閉して確認している。
これを幸いとし、もう一度指示を飛ばす。
「ミデンは飛翔斬撃を飛ばし続けろ!オレと氷大狼はミデンの援護!」
「ワァウ!」
「はい!」
一人と一匹は小鬼を注視しながら元気な返事をする。
だが、小鬼は気に食わないのか切りかかってくる。
「させねぇよ!」
そんな小鬼の頭を狙い、矢を打ち出す。
無視することが出来ずに、小鬼は矢を切り払い、ミデンとの距離を詰める事が出来ない。
氷大狼も後ろから爪を振るい、注意を引き付けている。そこにミデンの飛翔斬撃を飛ばして、相手は500のダメージを食らう。
その繰り返しだ。そのまま相手のHPを確認しながら削っていく。
「グァアア!」
何回繰り返しただろうか?あれから地道に削っていき、漸く削りきる事が出来た。小鬼は痛みか苦しさからか、悲鳴を上げながら地面に倒れ伏す。
モンスターが倒れ伏すと、小鬼の身体がアルファベットや数字の羅列に変わり、消え失せると同時に、頭に軽快な音楽が鳴り響いた。
ーーー
剣聖小鬼を討伐しました。
経験値10倍発動
必要経験値1/10発動
称号[選定者]の効果が一つ解放されます。
効果:獲得ポイント10倍
ボロボロの剣(蛇毒の剣)を獲得。
剣聖小鬼の死骸を獲得。
489,000Lを獲得。
《弓術》スキルのレベルが2上がりました。
錬金術師Lv33に上がりました。
Lv27に上がりました。
ステータスポイント810p獲得。
ーーー
称号の隠し効果だと!?
一気にレベルが上がったのは分かるが、これだけポイントが貰えるとは。もしかしたら他にも隠し効果があるかもしれない。
それにミデンの持つ称号にも何かあるかもな。
それにしても、モンスターを倒すとストレージに収納されるとは、まさしくゲームチックだな。それに金も獲得している。何処からこんなモノが産み出されているんだ?
というかあの剣、毒がついてたのか。食らわなくて良かった。
まあ、考察は後にして、ポイントを先に振り分けるか。予想通りというか、何というか、レベル差が激しいせいで、ポイントが大量に獲得している。
さっさと振ってしまうか。といってもどういう風に育てていくか決めて無かったから、とりあえず全体的に振っていこうと思う。器用貧乏でも少しはマシになるだろう。質より量といった感じだ。
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名前 フロー・ミステル
種族 人族
年齢 12歳
職業 錬金術師Lv33
Lv27
HP 900/900
MP 900/900
STR 90
VIT 90
INT 90
MGR 90
AGI 90
DEX 90
LUK 90
ステータスポイント 0p
スキル
弓術Lv2
風属性魔術Lv1
錬金術Lv1
調合Lv1
鍛治Lv1
木工Lv1
裁縫Lv1
魔術道具作成Lv1
アクティブスキル
なし
ユニークスキル
経験値10倍Lvー
必要経験値1/10Lvー
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補足だが、HPとMPは1ポイント振る毎に10加算されていく。
改めてみると、結構上がったな。まあ、それでもミデンには未だ追い付けないだろう。
今回でミデンもレベルが上がった筈だ。しかし、経験値増加系のスキルがあるオレの方が上がっているだろう。この調子で差が開いて勝てれば嬉しい。
さて、そんな事は放っておいて、さっさとこの園を抜けようか。
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