第3話 従者・従魔・武器
投稿遅れてすいません
オレはもう一度、ガチャの画面を開く。
チケットの10連を押して、結果を待つ。今回は従魔も良いが、意思疏通が簡単に出来る従者が欲しい。
そろそろガチャの演出が終わりそうだ。何も出来ることはないので、ただ祈るばかりである。
とうとう結果が表示された。
ーーー
アイテム:空間魔術の理論書 ☆4
武器:聖剣:カラドボルグ ☆7
スキル:魔力操作 ☆1
アイテム:束縛鎖 ☆3
防具:疾風の具足 ☆3
衣服:Yシャツ(黒) ☆2
アイテム:鋼鉄の調理道具セット ☆3
武器:火剣 ☆3
武器:精霊剣 ☆4
スキル:精霊契約 ☆4
ーーー
おお!とうとう☆7が出たぞ!
これは当たりだな。何なら従者も出て欲しかったが、まだ出ないと決まった訳ではない。
まだ『☆7確定ガチャ券』が残っている。これで出てくれれば何の文句もない。
オレはもう一度メニューを開き、『☆7確定ガチャ券』を使用する。
すると、先程までは演出が白い光だったのが、虹色の光に輝いているではないか。光も強いように思える。
オレが祈るのは従者一択。どうか出て欲しい。
そして、演出が終わると同時に結果が表示された。
ーーー
従者:神々の調停者『ミデン』
ーーー
「おっしゃぁあ!」
いけない、つい声を出してしまった。それにしても、神々の調停者とは随分壮大な二つ名だな。
これは戦力として十分期待できるだろう。
それにしても随分なご都合主義だな。最後の一回で望んだモノが出るとか。これで前衛職だったら言うことが無いんだが。
盛大にフラグを立てたオレは、従者の項目からミデンのステータスを確認する。
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名前 ミデン
種族 神人族
年齢 14歳
称号 神々の調和を保つ者
職業 調停者Lv1
Lv1
HP 500/500
MP 500/500
STR 50
VIT 50
INT 50
MGR 50
AGI 50
DEX 50
LUK 50
スキル
火属性魔術Lv1
水属性魔術Lv1
風属性魔術Lv1
土属性魔術Lv1
片手剣術Lv1
アクティブスキル
なし
ユニークスキル
調停Lv1
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…………予想の斜め上にいったな。
前衛後衛も対応し、尚且つLv1でこのステータスの高さ。種族も人じゃないし、そもそも神人族って何だよ。
これで一つ分かった事がある。オレのようにステータスポイントが無いと言うことだ。
それに二つ名と同じように、職業も<調停者>だな。ユニークスキルに《調停》があるが、一体どんな効果何だ?
そう思っていると、スキルの詳細が表示された。
ーーー
ユニークスキル《調停》
効果:対象を選択し、どちらが悪か公平に選ばれる。悪に選ばれた対象はそれ相応の制裁を受ける。
ーーー
……これ、物凄い有能なスキルなんじゃないか?
ミデンはオレの従者なのだし、相手が決定的に悪の場合のみ発動すれば実質ノーリスクで相手に制裁を受けさせる事が出来るのではないか?
まあ、そのためにはミデンに裏切られないように、幻滅されないようにしなければな。
一先ずこの森を抜ける為に、護衛としてミデンと氷大狼を召喚するか。ちなみに、従者や従魔の召喚ではMPを消費する事はない。
もし消費していたら、オレの今の少ないMPでは直ぐ底が尽きるだろう。
だが、そんな事はどうでも良い。召喚出来ればそれで良いのだ。
従者と従魔の欄からこいつらを選択し、目の前に召喚させる。
すると、目の前の地面に複雑な幾何学模様が二つ浮かび上がり、光輝く。段々と光が強くなっていくと共に、明るさに耐えきれず目を閉じてしまう。
瞼越しに、光が収まるのを確認してから目を開ける。
そこには、白髪赤眼の超絶美少女と薄青い大きい狼がいた。少し見惚れてしまう。これ程までの美少女は初めて見た。
今までアイドル何かは数人会った事があるが、比較にならないほど美しい。背は155cm程か?自分より頭半分程大きいだろう。こっちを見ながら微笑んでいる。雪のように白い肌が、ミデンの着ている白いワンピース良く似合っているな。
氷大狼は体長4m位で、綺麗な毛並みだ。撫でたらどれだけ気持ち良いだろうか。軽い冷気を体に纏っている。
少女は無表情のまま話しかけてくる。
「初めまして、マスター。私はミデンと申します。」
鈴のような凛とした声が響いた。ミデンはそう言うと膝まずく。
此処は威厳を保つべく、尊大な態度で話すべきか。
「ああそうだ、オレが君達のマスターだ。」
腹から声を出して、少し口調も変えてみた。これで少しは威厳もあるだろう。まあ、姿が子供なので残念な子供感が拭いきれないが。
「何なりとご命令下さい。」
頭を下げながら、ミデンはオレにそう問う。
まあ、実験の意味もあるんだが、命令は決まっている。
「この森を抜けるまで、オレを護衛してくれ。」
「畏まりました。」
これでも安心する事は出来ない。今わかったが、MAPにここの地名が書かれている事に気づいた。
その名も『絶望の園』。名前からして分かる通り、ヤバい地帯だと言うのが分かる。先程からMAPに敵の表示がチラホラ写っているので、生きた心地がしない。
とりあえず、ミデンは白いワンピースを着ているが武装はしていないので、武器を渡す。
その武器は『聖剣:カラドボルグ』。この武器は確か神話では、『聖剣:エクスカリバー』の元となる武器だった気がする。
それに☆7だし、武器として過度な期待が出来るだろう。
一度取り出してみる。外見は黄金に輝く刀身に、柄には品のある装飾がふんだんにあしらわれている。一目で業物と分かる武器だ。
ミデンと氷大狼も剣を凝視している。
さて、アイテムの効果はどれくらいかな?
ーーー
聖剣:カラドボルグ
レア度 ☆7
解説:聖剣:エクスカリバーの元となった剣。聖剣:エクスカリバーより数倍の威力を誇り、一振りで三つの山を切ったと伝説がある。
効果:追加攻撃 飛翔斬撃 下克上 体力吸収 魔力吸収 絶対切断 不壊
ーーー
………想像より全然強かった。効果も多いし山を切ったって凄いな。
ちなみに、効果の説明だが『追加攻撃』は攻撃した相手に500のダメージを与える、だ。オレは今、HPが低いから余裕で死ねるな。
そして『飛翔斬撃』は字面から分かる通り、斬撃を飛ばす事が出来る。
『下克上』は相手が強者であれば強者であるほどステータスが上昇する。この森では大活躍であろう。
『体力吸収』と『魔力吸収』はただのドレイン攻撃だ。相手を無力化する事が出来る。だが、やり過ぎると全て奪い取ってしまうので、注意が必要だ。
『絶対切断』と『不壊』も字面から分かる通り切りつけたモノは絶対に切断され、壊れる事はない。
流石にここまで効果が付与されているとは思わなかった。これを《片手剣術》のスキルを持ったミデンに渡すか。
「ミデン、これが欲しいか?」
剣を示すために少し持ち上げて聞く。これは流石にオレには大きすぎる。
「頂けるのですか!?」
ミデンは驚愕の顔を隠そうともせず、問いかけ返す。
「私では上手く使う事が出来ぬからな。」
実際には《片手剣術》を獲得しようと思えば出来るのだが、ミデンの方が今は適任だろう。
「頂けません、そんな高価なモノ!マスターが持つべきです!」
そう言って頑なに剣を受け取ろうとしないミデン。
そう言ってもなあ、受け取って貰わなければ護衛が心配だ。
「では、安全な場所につくまで貸すとしよう。それまでこの剣を使って私を守ってくれ。」
勿論安全な場所についても何やかんや理由をつけて押し付けるつもりだ。
まあ、オレの為に戦って貰うつもり満々なので必要な経費だ。
全てオレの為だというのに、ミデンは感極まった様子でオレに感謝してくる。
「ありがとうございます。護衛の任、マスターには指一本触れさせません。」
よし、このまま安全な場所まで行動を開始しよう。
春休みの宿題が2日で終わった……だと!?