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いつもと変わらぬ、とはいえそれなりに充足した日々を過ごしていたとある日のこと。


「今日も今日とて、ゲーム三昧!」


一人大きく言い放ち、意気揚々とパソコンを立ち上げた夕海の前に、ぽんっとチャットの文字が躍り出た。


≪弾速:ゆーJIさんって、FPSやる人?≫


FPS、彼が言っているのはファーストパーソン・シューティングゲームのことだろう。

人によっては画面酔いで気分を悪くするため、夕海が手を出したことがないシューティングゲームの一ジャンル。

やったことが、と文字を打ち込んだところで夕海はかたまった。ゲーム仲間で集っているグループチャットとは別の、個人チャットにメッセージが飛んできていることに気付いたからだ。ちなみにゆーJIとは夕海のハンドルネームである。


弾速から個人チャットが飛んできたことは今迄一度もなかった。弾速は、いくら親しくしていてもある一定のところで深い関わりを拒絶するようなところがあるのを夕海は知っていた。ネット上の付き合い方としてスタンスがあるのだろうと思っていたし、突っ込むことはしなかったけれど。


「何、何、今日に限って何事?…あ、あれか!グループ内の人と何かあった、とか!」


だからといって個人チャットにメッセージを飛ばしてくる人だっただろうか、とうんうん唸りながらグループチャットを開く。夕海の予想を裏切るように、グループチャットの方は何事もなかった。ある程度履歴をさかのぼってみるけれど、弾速と他メンバーがいがみ合うようなことはない。いつも通りの和やかな会話が繰り広げられているだけだ。


「弾速さんが間違えた?かな?ううん」


≪弾速:これ、気に入ると思う。一緒にやりませんか?≫


悩んでいる間に、弾速からメッセージが飛んでくる。

最近リリースされたゲームをお勧めされているようだと理解すると夕海は悩むことを放棄した。

ゲーマーな夕海にとって、趣味の合う友人からのススメ、乗るしかないが優先された結果だった。


多分人はこれを現実逃避、思考放棄とも言うのかもしれない。

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