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28 第十一幕 インスマスの再興(6)

28 第十一幕 インスマスの再興(6)


「それにしても、どうして綾野先生が?」


 ウィリアム・オーンの家で、どうも睡眠薬

で眠らされてしまった浩太と風間真知子を綾

野は助け出していた。


「結城君から君たちがインスマスに行くかも

しれない、と聞いて心配になったからね。こ

こは携帯電話も繋がらないし、街の再興が始

まっている、ということは深み者どもも戻っ

てきている、ということだから。オーンとい

う青年は今の深き者どもたちの長のようなも

のらしい。だから、インスマスに入ってまず

最初に彼の家を探ってみたんだよ。そうした

ら、ちょうど二人が睡眠薬で倒れこむ場面に

出くわした、とうことさ。少しでも遅れてい

たら、と思うとぞっとするがね。」


「そうだったんですね。本当に迂闊でした。

自分の身は自分で守れる、くらいの気持ちで

いましたので。彼女も普通の人ではなかった

し。」


「彼女にいい所を見せるいい機会になるかも

知れない、とか。」


「冷やかさないでください。まあ、それも正

直無いとは言えませんが。」


 浩太は素直に認めた。判断を誤る一因にな

ってしまったからだ。


「生憎、すぐに気づかれて彼には逃げられて

しまったけどね。」


 綾野は少し残念そうに言った。しかし、オ

ーンを捕まえてどうするつもりだったのだろ

うか。


「彼をどうするつもりだったんですか?」


 思わず浩太は聞いてみた。


「彼が中心になってインスマスを再興しよう

としている理由を確かめたかったのさ。ダゴ

ン秘密教団も活動が活発になってきているよ

うだからね。」


 徐々に様々な眷属たちの動きが活発になっ

てきているのは由々しき事態だった。


「火野君や風間さんも日本に戻るようだ。私

たちも、彼らの動向を追わないと。今は結城

君が付いていてくれているから、君も早く体

調を戻して協力してくれたまえ。」


 岡本浩太は特異体質なこともあり翌日には

日本に経つことができそうだった。







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