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運命の調整者 ~セーブを駆使して神をも倒す~  作者: 如月 遊馬
第一章 異世界(エジンベア) 
6/22

セーブ 5 アリッサ開放作戦 その1

またまた話が長くなってしまいました。若干グロい表現があり、当分グロ表現がちょこちょこと続きます。ご注意くださいませ。

評価、感想をお待ちしております。良かったらお願い致します。

宿屋の食堂の時が、止まった・・・今、この時世界の全てが止まったような錯覚にさえ陥ってしまう。

「いひゃいいひゃい。やへて~」

頬をぷくーっと膨らませたアリッサが俺の頬を抓ることで覚醒する。

時を止めた本人はというと、女将さんに、朝食の注文をしていた。

みんなが席に着いたことで、皆、想い想いに食事を開始する。

アリッサは、水をコクコクと飲み始め、ミルフィさんは、食事の時の祈りを捧げている。

俺は、手を合わせ「いただきます。」をし、パンにかじりついた。

それを、ミルフィとアリッサが不思議そうな顔で見つめている。

「ねぇねぇ。トキムネさん。いただきますってどういう意味?」

ああ、いつもの癖でやっていたわ。異世界だから余計目立っちゃったのかな?

「食事を始めるときの挨拶の言葉だけど、俺のばあちゃんは、食材や、料理を作ってくれた人に感謝を込めて、いただきますをしなさいって教えられたよ。」

「いただきますか~素敵な言葉ですね。私もこれからやろうと」

アリッサも「私も私も~」と相の手を打ってくる。

食事も、終わり先ほどのことをミルフィに聞いてみる。

「どういう意味だったの?さっきの言葉の意味は?」

銀髪美少女を救う旅なのである。最終的には、神の王と闘うことになるだろう。

どこまで話していいものやら・・・

『まだ詳しくははなしてはならんな・・・慎重に言葉を選ばねばならない話だしのぅ。特に僧侶には。』

もしかしたら、自分の信仰する神が関わるかもしれないし、言葉を選んで言わないとな。

「意味も何も、言葉の通りです。昨日、トキムネさんと別れた後、お祈りしていたらお告げがあったんですよ。

『そなたを助けし者と旅をし、共に我が姉を助けよ。さすれば真実の愛が見つかるだろう。』って、真実の愛はもう目星はついているのですが・・・チラッチラッ」

銀髪美少女に妹がいたのか・・・孤立無援って訳じゃないのは安心した。

『あのお方の妹君は光と治癒の女神ヴァーユ様と言うんじゃ。ただ神の王の監視があるので、大っぴらには手を貸せないと、光の精霊達は言っていたが・・・

これなら、トキムネの旅の目的も話してもいいかもしれん。』

ファルのO,kも出たことで、俺が異世界人だということ、旅の目的、と当面の目的地。それと冒険者登録に必要な身分証明をどうするか?をミルフィに話した。

「時空神殿ですか?私は聞いたこともないです。ヴァーユ様の姉君様は、伝承でもほとんど載っていないのですよ。司るものが運命と時だから伝承より秘匿されたというのが歴史学者の一般的な見解ですし・・・冒険者の身分証明はなんとかなるかもしれませんよ?Dランク以上の冒険者が身元保証人として行けば大丈夫ですから。私、Dランクですし」

おお!これなら登録できる!ひとつ問題はクリアだ!

その時、俺は話に夢中になりすぎて、アリッサの表情の変化に気づけないでいた。


俺、アリッサ、ミルフィは約束通り道具屋へと向かう。

アリッサは終始無言のままである。

俺は、安心させようと、頭を撫でた所、脳内に無声映画が流れ始めた。

何処かの豪華の屋敷が見える・・・その離れにある小さな小屋の地下。

その一室で、身の毛がよだつ拷問が行われている。少女は拷問の限りを尽くされ、もう虫の息だ。

「もう飽きたな・・・殺れ・・・」

一人豪華の椅子に座った男が、使用人に命令を下す。

使用人は下卑た笑いを浮かべながら、少女を机に叩き伏せ、斧を振り下ろす。

少女の首は、壁にぶつかり転がってこちらに顔を向けた・・・アリッサだった・・・

「ぶっひゃひゃひゃひゃひゃ~!!!」

豚の鳴き声みたいな笑い声を、上げてアリッサの頭を踏みつけるのは・・・ジラスト伯爵の四男、豚ヨーゼフだった・・・

「お兄ちゃん・・・?」

俺の手を握り、アリッサは俺に声を掛ける。その手は震えている・・・

「お兄ちゃん、どうしたの?すごい怖い顔してる・・・」

俺は膝を付き、アリッサを抱きしめる。

「アリッサ・・・ひとつ約束してくれないか?諦めないってことを・・・必ず、迎えにいくから。」

アリッサは、目を見開きそして大粒の涙を流しながら笑顔で

「うん!約束する。お兄ちゃんが迎えにくるまで諦めないって約束する!」

と言って、俺を力一杯抱きしめてくれた。

俺は、財布から100円を取り出し、アリッサに握らせる。

「これはお守りがわりだよ。アリッサを守ってくれるから」

この握らせた・・・・100円がとんでもない力を発揮することを、俺はまだ知らない・・・

道具屋に着き、俺は極めて冷静に努めて、店主に丁重にアリッサを帰す。

「感心感心。ちゃんと奴隷を返しにくるとはな。逃げると思ったのだがな・・・」

俺の頭にアリッサの死の映像がフラッシュバックする。

俺はなんとか怒りを、押し殺し冷静に言葉を紡ぐ。

「約束は守るべきものだ・・・それより店主。アリッサを売りに出す予定はないかな?」

俺は、カマをかけてみるが相手も中々達者だ。無表情のまま

「おやおや?うちの奴隷が気に入ったのですかい?そうですね・・・旦那には珍しい品を売ってもらった恩もありますので、15万リルでいかがですかい?旦那だからこの値段ですよ。へっへっへっ・・・」

下卑た笑いをしやがる。

(考えている通り、この店主は、ヨーゼフとあなた、二人から金をせしめるつもりです。すでにヨーゼフとは契約がなされていると考えていいでしょう。)

だと、思った。ここは敢えて、騙されてやるか。

「そうですか。それなら俺はアリッサを引き取りたいと思います。その値段で契約致しましょう。」

契約の内容は、簡潔に言うと以下の通り。

五日後の正午、現金にて奴隷移譲契約。

それまでは、アリッサは、店主が丁重に扱いアリッサの販売はしない。

五日後の正午、現金を用意できない場合は、契約破棄とみなす。

俺はそれで、契約を交わし、ミルフィと店を出る。

ミルフィが、俺に聞きたそうに何度もチラ見してくる。

「ミルフィさん、聞きたいことがあるならどうぞ?」

俺はギルドに向かう道すがら、ミルフィに質問を促す。

「トキムネさんは、アリッサちゃんのことを妹のように可愛がっていたのに、奴隷として購入するんですか?なんか、店に入る前からすごい怖い顔してどうしたのかなっと?」

俺は、正直に話すことにした。ミルフィに隠し事はしたくないしね。

「信じられないかもしれないけど・・・俺は、どういう理由かわからないけど、

人の死が視えるんだ。あの時、アリッサの死が視えた。店主が指定した五日後の正午ではアリッサはすでに死んでいると思う。それに五日後の正午、俺も店主とヨーゼフに殺されることになると思う。」

ミルフィは何かを考えるような仕草をして

「何処かで、それに似たような話を読んだことがあるんですけど・・・どこだったかな?それで、トキムネさんは、アリッサちゃんを助けるんですよね?」

期待に満ちた目で、俺を見てくるミルフィ。

「もちろんだよ。勝負は4日目の夜。きっちり、あの豚と腹黒店主に引導渡してやるさ。もちろんこの期間でできるだけ体を鍛えて、金も用意するけどね。」

ミルフィは嬉しそうに笑いながら

「それでこそ、私の愛する人。」

大胆な発言をするのであった。

この後冒険者ギルドに行き、ミルフィを後見人してギルドの試験を受け無事、Fランク冒険者になりました。


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