セーブ0 プロローグ
長い間、更新できず申し訳ありません。心機一転、新作を投稿致しました。
ソウルネットワークと交互に更新していこうと思います。良かったら感想、評価してくださいませ。
作者の励みにしますので。
人は常に選択していく生き物である・・・by俺。皆さん、お早うございます。こんにちわ。こんばんわ。
いきなり哲学的な話をしましたが、俺こと、瀬能 時宗は今、絶賛死のカウントダウンが始まっております。
どくどくと流れ出る血。右手と左足は曲がってはいけない方向に曲がっているし、目も霞んできました。
どうしてこうなったというと・・・・
遡ること15分前
時刻は14時47分。現場の通用門抜け、通り一本挟んだ向かいのコンビニまで差し入れのジュースを買いに行く。
交差点で、信号待ちをして3分くらい待っただろうか?横断歩道の信号が青に変わり、俺は小走りにコンビニまで急ぐ。ジュースを人数分選び、会計を済ませる。レシートに記載されている時刻は14時54分。
横断歩道で信号待ちをしていると、小学生の女の子が隣にやって来た。
水色のランドセルが真新しい、俺の頃は、男は黒、女は赤だけだったんだけどな~今はカラーバリエーションが豊富だな~なんて思っていると、女の子の左足に黒い靄がまとわりついているのに気づいた。
疲れているのかな?と目を擦ると黒い靄は消えていて、その時信号が青に変わり俺は慌てて歩き出す。
3mくらい前には女の子が手を上げて横断歩道を渡っている。それを微笑ましく見ながら歩いていると、女の子の右足に再び黒い靄が現れ急速に膨れだした。すると女の子はまるで右足を何かに引っ張られた様に不自然に転んだ。
女の子に駆け寄ろうとすると、耳をつんざく様なブレーキ音。音の方に振り向くとダンプが女の子に迫っている。
フロントガラス越しに見る運ちゃんの顔は絶望に染まっており、女の子の方に振り向くと女の子はただ呆然としていた。
ここで俺は選択しなければいけない。女の子の近くには俺のみ。
俺なら、女の子を助けることができるかもしれない・・・が、俺は無事には済まないだろう。
だが、女の子は助かるかも知れない・・・いや、助ける!だってあんなに可愛いのだから10年後は超絶美少女になっているはずだ。可愛いは正義!こんなキモオタな三十路より数万倍は生きる価値がある!!!
俺は右足に力こめて道路を蹴り、女の子に向けて走り出す。女の子を抱き上げ、横っ飛びをするがダンプはもう目の前に来ている。
俺は女の子力一杯抱きしめ離さないようにすると女の子は痛いのか「ううっ・・・」と呻き声上げた。
ドオオォンという音の後に響くけたたましいブレーキ音・・・地面が遠くに見える・・・徐々に近づく地面
受身取らなきゃ痛いよな・・・彼女に怪我がないようにしなきゃ。
俺は女の子の頭に手を添えて頭を守る。自分のことはお構いなしに
グシャァと何かが潰れるような音が俺の頭に響く。
周りの音がクリアに聞こえる。徐々に増えてくる人だかり。俺は視線だけを移して女の子の無事を確かめる。
女の子は見た目大丈夫そうだが、俺の胸の中で泣いている。
泣かないでくれよ・・・可愛い顔が台無しだよ?徐々に霞む目でなんとか女の子の目を見て俺の希望を告げる。
「優しい・・・すて・・・き・・なおん・・・な・・・の・・・こになっ・・・て・・・ね・・・」
女の子は唇をぎゅっと結び頷いてくれた・・・そこで俺の意識は途切れてしまった。