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俺系娘に死ぬほど愛されて眠れない  作者: 海藤進
第一章 俺系娘現る
13/30

初デート、ということ

日本で恐れられているものの代表といえば


地震・雷・火事・オヤジ


自然災害の多い日本らしい言葉だが、一流紳士の僕にとって、それらのことは有象無象の一つでしかない



そんなことよりも怖いことが僕にはある



それは例えば、片付け忘れた秘蔵のエロ本を見つけて僕のことを日本刀を振り回して追いかける、従姉妹の衣澄姉さんだったりする




「待ちなさああああああい!!!!」



「ご勘弁くださいいいいいいい!!!!!」






7月初めの日曜日、閑静な住宅街には似つかわしくない騒音が鳴り響いていた









「ひ、酷い目に遭いました・・・」


「お、おお、大丈夫かよ」


追い掛け回され捕まってなんとか助命を乞いて解放され、ソファーにぐったりと座り込む



心配そうに様子を窺う畑さんには申し訳ないが、暫くはこのだらしない格好を許してほしい



「まったく、あんな破廉恥なものを置いておくなんてありえませんわ!!毎回毎回燃やしてもまた持ち込んで!!」


「女性が化粧品を買うのと同じように、僕にもエロ本は必要なんです!!」


「それと一緒にしないでもらいたいですわ・・・・はぁ・・・」


呆れたように頭を抑える衣澄姉さんだが、それくらい僕にとってエロ本は大切なものだ。


そのへんをそろそろ理解して欲しい。うむ。







3人で遅い昼食を食べ終わって休憩していると、不意に衣澄姉さんが思い出したように話しかけてきた


「ところで、ワタル、貴方咲ちゃんにこの街案内しましたの??明日から平日ですし、色々とお店を知っていた方がいいと思うのだけれど」



「おお!これはこれは、忘れていました・・・」


初日や昨日は色々とありすぎてそのことについてすっかり忘れていた


ちょうど日曜日だし、これから街を案内するとしよう



「畑さーーん!畑さーーん!」


「ん?なんだ?」


トイレにでも行っていたのか、ちょうどリビングに畑さんが戻ってきた


「これから僕のオススメのエロ本屋をご案内しようと思うのですがいかがです?」


「あらあら、今日が貴方の命日かしらね、ワタル?」


「アメリカンジョークですのでどうぞ刀をおしまい下さい」


「え、エロ本屋だと!?・・・そ、それはさすがに恥ずかしいんだけど・・・で、でも渡がどうしてもっていうならデートでして別に行ってもいいしむしろ渡の趣味をしりたいのもあるしでもでもまだ恥ずかしいしだけどデートなら手をつないだりできたりああでも心の準備ができてないしううぁ・・・」


「や、あの、エロ本屋は冗談ですから・・・」


たまに畑さんはオーバーヒートしてしまうようで、こちらの話が聞こえていないようだ


まぁ、本音は行きたいけどね!エロ本屋!



「とにかく、街を案内してあげなさい?・・・・勿論、もし不健全なお店なんかに行ったら・・・」


「い、行ったら・・・?」


日本刀の先を目に見えない早さで僕の口の中へ入れる


「クビですわ♪」


「健全なお店のみ行きます!サー!!」


僕は敬礼するしかなかった・・・・







「と、いうわけで駅前に来ました。ここなら色々と行きやすいですからね、商店街もすぐそこですし」


「お、おお!」


途端に目がキラキラと輝く畑さん。


お出かけの服装はなんと制服だった。


どうも、持っていた夏服はサイズが合わなくなってしまったらしく、しょうがないので制服で、ということらしい。


夏用に半袖のシャツから見える白い腕に、細いのにエロス溢れる脚、そして何より低い身長に不釣り合いな巨大メロン。制服って恐ろしい!!


ちなみに夏服は、主にバストサイズが合わなくなったらしい。



まだ成長してるなんて、恐ろしい子っ!!



「背の方が大きくなってほしいのにな」とボヤいていたが、それは贅沢というものだろう。本人はあまり自覚してないようだが。



「とりあえずまず私服を見に行きたいから案内してくれるか?」


「ええ、では駅の裏のコスプレショップに・・」


「普 通 の で 頼 む」


「・・・はーい」


チッ、あんな服やこんな服を着てもらいたかったのに・・・




駅から歩くこと5分、商店街の中の洋服屋へとやってきた。


最近オープンしたばかりの店で、若い人向けにブランドものからお手頃なもの、下着からアクセサリーと何でも売っている。


「う、ううん、これだけ多いと迷うな・・・」


「時間はありますし、ゆっくり選んで大丈夫ですよ」


「そ、そうか・・・あの、渡?」


「はい、なんですか?」


なぜか急に顔を赤くしてモジモジしだす畑さん。


どうやら畑さんは言いたいことがあると途端に恥ずかしがり屋になるようだ。トイレじゃないということは最初でよく分かった。痛いほどに。



「その、えっと・・・・・い、いっしょに、えら、選んでくれないか・・・?」


「はぁ、別にいいですけど・・」


「け、けど、なんだよ」


「いえ、ここナース服もメイド服も売ってないようですが・・・」


「普通のを一緒に選ぶんだよ・・・・」


おや、また呆れられた・・・










「あそこのもしかして・・・・羽田君、よね?・・・・隣にいる子は・・・・妹さん?でも羽田君に兄弟はいなかったはずだし・・・・・ま、まさか年の離れた、か、かかかかかかかかか彼女!?!?!?」


同じ頃、偶然洋服屋に来ていた我らが委員長とエンカウントし、修羅場へとなるのだった。

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