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可愛そうな俺

カタカタ

「よし、今日の論文添削もこれで終了っと。はあ、疲れたあ」

俺の名前は粕井健司。ここ東大の教授でつい最近自分の研究でノーベル賞も取った世界最高峰の研究者だ。

「はあ、ノーベル賞をとったものはいいものの、あんな大金何に使うってんだ。研究材料はそろってるし、別に俺も物欲が強いわけでもないし」

俺は賞をとった後、大金を受け取りその時はうれしかったものの、結局何に使うかなんてあまりにも選択肢が多すぎるがゆえに決めれていなかった。

「でも最近学生たちがよくいっている占いの館があるらしいな。研究者の俺にとっては真逆の職業だけど、ずっと大金を使わずにとっておいても仕方ないし、生徒との会話の種にでもなるかもしれない。とりあえず今日行ってみるか。」

俺は荷物をまとめ、帰り支度を済ませて噂の占いの館へ行ってみることにした。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――「この辺のはずなんだが、あれ、道間違えたかな。」

俺は気づいたら来たこともない繁華街の路地裏に来てしまっていた。

「うわ、すっげー娯楽と性欲にあふれてやがる。本当はここで有り余る金を使い、絶世の美女と一戦交えたいところだが、あまり教授としてこの場にいるのはよくないか」

俺は足早にそこを去ろうとしたがその時

「転移方陣発動、勇者候補確認」

とどこからともなく声が聞こえてきた、

「なんだ?!」

俺はあたりを見渡したがそこには誰もいなく、気づいたら下に何やら異世界転生物の小説でよくある魔方陣が光っていた。

「え、なにこれどういう原理法則で音と光を発しているんだ」

俺の研究者としての性がこんな最悪なタイミング出てくるとは。というのも俺が興味本位で魔方陣に触れたその瞬間

「うわ!」

俺は体が焼けるような痛みに襲われ俺は失神した。

そして気づくと

「ようこそわがグリス王国へ」

そこには玉座に座った丸々と太ったいかにも怪しい老人とその周りを囲む神官らしき格好をした者たちがいた。

「おやおや勇者様、そんな恰好をしていては。ほれ、早く彼に何か着せてあげれるものを」

王らしき人が命令するとほかの使いらしきものたちが急いで服をとりに行ってくれた。

どうやら俺のスーツはさっきの転移魔方陣に触ってしまったタイミングで焼けてしまったらしい。

俺がきれいな純白のコートらしきものを切ると老人は言った

「早速ですが勇者様、我々の手伝いをしてもらいたいのです」

老人はわざとらしく悲しみにあふれた声で言った。

「我らの世界は三つの種族に分かれています、人間領、エルフ領、魔族量の三つにです」

(なーんか聞いた異なる展開だな)

(多分これから俺を魔王討伐にでも行かせるんだろ、そして俺一人で行かせ、自分らは何もせずに俺を利用するんだろ)

俺は落ち着いていた。普通の人間なら驚きと意味不明さで混乱し、テンパってしまうのだろうが俺は今まで異世界転生物を時間が余れば愛読していたため、別に何も混乱することはなかったし、むしろ内心これから俺はこの世界で無双し、かわいいエルフのお嫁さんが作れるのではとワクワクしていたまである。

「そしてわれら人間領は魔族量と古くから戦争をしているのです。そこで勇者様には魔王を討伐し、われらを救ってほしいのです。」

「分かりました」

俺は自信満々に答えた

「ではわたくしが直々に魔王討伐に出向いてまいります」

フフフん俺はこの後可愛い村の娘と出会い、俺のこの世界では超越した力でその娘を助け、村の英雄となりその子は俺にほれ、『私、勇者様と結婚したいです』という、

そこでおれは

『俺もだダーリン。だがすまない、俺は魔王を討伐するミッションがあるため、今すぐにはできない、それでも待っててくれるか。』

『はい、もちろんです勇者様、いや私の王子様。』

(ムホホホ)

俺が欲望にまみれた妄想を繰り広げていると王は言った

「それでは早速勇者様、私たちの衛兵らとともに…」

「いらん。魔王は俺一人で倒せる」

(そのほうが自分のしたいことができるし)

「そ、そうですか勇者様それでは旅の資金として金貨100枚をもお持ちください。これだけあればおそらく十分だと思います」

「分かった。では早速行ってくる」

「お気をつけて。あ、申し遅れましたが、私はこの国の王ソウズと、申します」

「ああ、俺の名は粕井健司」

こうして俺の勇者としての無双生活が始まる…ハズだった。

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